SPSをしていると,昇温プログラムをちょっと変更したいことが時々起こります。たとえば下のプロセスで青丸の位置から直ちに次の昇温ステップに飛ばしたいとか,緑丸のところですぐにOFFになるところを,保持を継続したいなどです。
このような要望は,現在実行中の温調器のプログラムを変えてやれば,即そのようになります。しかし,プログラムを変更中に緑からOFFに行ってしまったりします。
もっと簡単にやる方法があります。温調器のボタンに,青地に白抜きでSTOPとかRUNとかADVとかがあります。青地の機能はFNKキーを押した後に押すと実行できます。ADVというのは,現在のステップから強制的に次のステップに進ませる機能です。FNC-ADV(FNCボタンを押した後にADV)ボタンを押すと,青丸の位置にあった場合,次の昇温のステップに進ませることができます。また,緑丸の位置にあるとき,FNC-STOPボタンを押すと,次のステップ(=終了)へとは進まずにその状態を保持します。STOPというと終了してしまいそうですが,“温調器のプログラムの進行を一時的に凍結する”と言うことです。プログラムの進行を再開させるにはFNC-RUNを押します。
しかし,実際にボタンを押しても,そうはなりません。なぜでしょう。それは,温調器の後ろの配線がSPS装置に接続されていて,SPS ONにしたとき,温調器のプログラムが連動して開始したり,SPS装置のRESETボタンを押してRESETするなど,SPS装置の方から制御できるようになっているからです。
温調器後ろの配線の信号にしたがって温調器が動作するか,温調器前面のボタンにしたがって動作するかは,温調器の設定で変更できます。MODE 1のPROGRAM DRIVE SETは通常,MASTER EXITになっています。これは,温調器後ろの配線による外部コントロールが有効と言うことです。この状態では,温調器のRUN, STOP, ADV, RESETのボタンは動作しません。ここの設定をMASTER KEYにしましょう。これで,上に書いたような操作が可能になりました。
念のため申し添えしますが,この設定下では,SPS-ONにしても,温調器のプログラムはスタートしません。SPS-ONボタンを押した後,FNC-RUNボタンを押しましょう。また,SPS終了後,装置のRESETボタンは働きません。これもFNC-RESETで行いましょう。