SPS装置の内蔵排気装置でも1 Pa程度までの真空は実現できるのですが(我々の装置ではかなり条件がよいときでないと,そこまでは行きませんでした),さらに高真空が必要な場合は拡散ポンプを接続すると良いです。
よそのプロジェクトで廃棄予定のものがありましたので,いただいてきてオイル交換などをして使えるようにしました。右側にNWフレキシブルチューブが写っています。拡散ポンプの口とフレキシブルチューブのアダプタは特注で作りました。
さて,SPSの真空チャンバーへの接続法です。このSPS装置では,チャンバーから排気装置まではNWフレキシブルチューブで接続されていました。その部分を分岐して拡散ポンプに接続することにしました。NW-Tチューブを下の写真のように入れると,チャンバーにつながる口は2つになります。一方をこれまで通りの内蔵の真空装置に接続しました。そして,もう一方に,拡散ポンプに接続されたフレキシブルチューブを接続します。このようにすることで,内蔵ポンプだけの利用も,拡散ポンプ(粗引き装置も内蔵)だけの利用も可能になります。前者の場合は拡散ポンプの弁を閉じておけばよく,後者の場合は,内蔵ポンプを閉にしておけば良いのです。ちなみに5月9日の記事を参考にして,内蔵ポンプの電磁弁は清掃しておきましょう。