しばらく使わないでいるとチャンバーの真空が破れて開いてしまう | 技術日誌

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ここでは,電子工作,木工などの趣味での記録を書いています。
なお当初はKMK研究所のメインテーマであるSPSのノウハウを書いてきましたが,順次SPSノウハウのページに複製を作っていきます。

 SPS装置のチャンバーは,使用後,閉じて真空にしておきます。しかし,何日か経ってSPS室に来てみると,真空にしてあったはずのチャンバーが開いてしまっていました。使用中には,必要な真空度が得られ,どこか漏れている様子はありません。

 

 この理由は,チャンバーから排気装置へ接続されているところの電磁バルブの漏れによるものです。そこのところを模式的に描くと下のようになります。

真空ポンプのバルブ(Magnetic valve)を閉にし,真空ポンプをOFFにするとLeak valveが開きます。もしも,Magnetic valveに漏れがあると,

Leak valveにより大気圧になったMagnetic valveの右側から空気がチャンバーに入っていってしまうのです。SPS動作中は,真空ポンプが働いているので,Magnetic valveに漏れがあっても,空気は入っていきません。したがって,動作中は「漏れがある」という状況には気づかないのです。

 それでは,どうしたら良いでしょうか。下の写真はMagnetic valveです。真空ポンプとチャンバーの間に入っています。

中央部右側の大きな六角の部分を大きなスパナ(モンキースパナが便利)で左に回すと分解できます。

分解したところです。右から六角ねじ,バネ,弁となっています。バネが入っているので,開くとき,バネを飛ばさないようにしましょう。黄色の矢印部分にカーボンが付着して弁がきちんと閉まらなくなるのです。黄色の矢印部分のOリングをきれいに拭きましょう。そして,元に戻せば,このプロブレムは解決です。

 

(この情報は,富士電波工機様よりいただきました)