「銃刀法関連手続き」
今回は刀ができるまでにどのような手続きをしているのかご紹介したいと思います。
まず刀を作りたいと思ったら「作刀免許」を持っている刀鍛冶のもとで最低5年修行をして文化庁の行う試験を受けます。
試験に通りますと文化庁に自分の刀匠名を登録することになります。
私の場合は師匠と祖父の名前から一字ずつもらい「房幸」という名前になりました。
ちなみに変更は可能で、別に正宗でも虎徹でもロン・ベルクでもOKです。
実際に刀を作るときには、まず「美術刀剣類製作承認申請書」を文化庁、県教育委員会、控えの三部作成し提出します。
問題がなければ、控えに承認印が押されて帰ってきますので刀を製作します。
刀が出来上がりましたら、刀とともに先の控えと「美術刀剣類製作完了報告書」を持って「銃砲刀剣類登録審査会」に行き、審査を受けます。
審査に通ると先の書類と引き換えに「銃砲刀剣類登録証」が交付されます。
刀の戸籍とでも言ったらわかりやすいでしょうか。
こうして登録証がとれましたら、注文主の方にお渡しして「銃砲刀剣類所持者変更届」を教育委員会に提出し、すべての手続きが完了します。
参考「ドス」
ヤクザなどの隠語としては「ドス」(粗製の鎬造りの短刀を「ドス」という)と呼ばれ、密輸入・密売買された拳銃などとともに、相当数が暴力団組織に保有されているものと見られている。
ただし、「ドス」の実物には、日本刀の「匂い」のような鑑賞に耐えうる鉄の地肌組織は無い。
玉鋼を何回も折り返して作る日本刀と異なり、「ドス」は一般的な和包丁と同様に、実用鋼と軟鉄の張り合わせで作られる(和包丁で言う所の「霞」である)。
そのため「ドス」の外観は、刺身包丁を両刃にしたものに近い。
「ドス」はモラルをわきまえない一部の包丁鍛冶が包丁製作の余技として作っていると言われており、日本刀の一種と言うよりは、和包丁の奇形として捉えるべきものである。
美術的価値も実用的な所持理由も無いため、「ドス」を所有していると銃刀法違反で罰せられる。
というように、「ドス」は日本刀の短刀や脇差しとは全く違うものなのです。