ポルシェ911ターボ ヒーター効かず修理 | AUTOBAHN MOTOR&KLUB909BLOG

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外車専門自動車屋の活動日記

ポルシェ911ターボがヒーター効かずで入庫しました。

車両の写真を撮り忘れました;;ビッグバンパーのターボです。

ブロワモーターが動いていないので電気が来ているかの確認から。

モーターには電気が来ていません。

 

モーターのリレーには両方に電気が来ています。

 

直結すれば

 

モーターへ電気が来て回ります。

 

リレーは正常なのであとはアースが落ちてないという事ですね。

配線図とにらめっこして・・

 

アースはヒーターのコントロールユニットのダイヤルのスイッチで制御しているようです。

点検のためにユニットを外しますがまずはコネクターを外します。

 

配線が・・・

 

金属の蓋に配線が嚙まれてましたが断線はしてないようです。

 

ヒーターコントロールユニットを外しました。

 

分解してダイヤルの所のスイッチを点検しますが異常なしです??

リレーからスイッチまでのアース線を点検すると導通がありません。

 

配線が切れてるのかな??

ヒューズBOXの裏側を見てみると加工した後が・・

 

アース線を切ってどこかに配線を引いてます。

 

配線をたどっていくと

 

ユニットを外しているときに気が付かなかった~

こんな所に後付けのスイッチがありそこに配線されていました。

ヒーターのフラップレバーが全閉になるとスイッチが入るようですが

位置がずれてOnにならないようです。

手動でスイッチをONにするとファンが回りました。

ただしこれですと温度が最高の時にファンが強でしか回りません。

 

アース線を元に戻してみると弱と中はファンが回りますが逆に強で回りません。

配線図を見ながら点検していくと赤丸のスイッチがOnになりません。

 

スイッチだけの供給は純正ではないのでASSY交換になってしまいます。

スイッチさえ手に入れば治せるのですが・・

後付けされていたスイッチは形が合いませんでした。

調べてみると後付けされていたタイプのスイッチはよく売られています。

 

ダメになったスイッチです。メーカーのマークが入ってます。

 

探しまくった結果、見つかりました。まだ新品供給がありました。

 

上下に同じスイッチが付いています。

 

せっかくなので2個共交換しました。

 

コントロールユニットを元に戻して作動点検。正常に動くようになりました。

 

ブロワモーターは動くようになりましたがモーター辺りから異音がします。

モーターを外して分解。

 

ブラシ部分に溶けた様子や変形はありません。

 

ファンとケースの隙間が無く、干渉しているようです。

 

位置調整して少し隙間ができましたがガタがあるので時々異音が出てしまいますが

これはもっとひどくなったら交換することにしました。

 

ヒーターが想像より安く治ったのでリアガラスの熱線も気になるところがあるので

見てほしいと追加整備が入りました。

熱線のスイッチを入れても

 

センター部分しか曇りが取れません。

 

この時代の911は熱線は上下とセンターで電源供給が分かれています。

熱線へのコネクターで点検するとセンターに電気は来ていますが

 

上下の方は来ていません。

 

ユニットを外して分解。

 

はんだ割れしている所をやり直して

 

テストしてみると上下センター共に電気が来るようになりました。

 

ですが車両に付けると上下に電気がきません・・

 

なぜ熱線が上下とセンターで分かれているのか調べてみると、エンジン始動時や

走行時などに電圧が下がると熱線の上下への電気供給を止める仕組みでした。

電圧が落ちても最低限は見えるようにセンターだけは曇りを取るようです。

電圧が何Vになったらカットするのかを調整するのが写真のダイヤルです。

テスト時はブースターからの電圧で高目だったのでカットされませんでしたが

車両のバッテリーはIGONで何度もテストをしていたので電圧が落ちていたようです。

それでもカットが早すぎるので10Vぐらいで切れるように調整しました。

 

これで大丈夫と思いましたがまだ上下の曇りが取れません・・

コネクターには電気は来ています。

 

コネクターの先のリアガラスに入るところの配線までは電気が来ています。

 

この先はウェザーストリップの中に配線が入ってしまうので見るのが難しいです。

ここで諦めてるか・・・いや、見れるところは確認してみようと思います。

ウェザーストリップをめくれば何とか配線がつながるコネクターが見えます。

 

センターには電気が来ています。

 

上には来てません。

 

下は・・・あれ?来てますね。

 

よ~く見てみるとコネクターが抜けています。狭いですが頑張ってコネクターを挿しました。

 

上にも電気が来るようになり

 

ガラス全面の曇りが取れ始めます。

 

下の写真の配線を点検しているときに思いましたが配線の位置や形が奥に押された感じでした。この配線をスピーカボードをつけるときに無理やり押し込んだため、配線を引っ張ってしまい

コネクタが抜けたのだと思います。

 

さらに追加でウォッシャーが出ないのを修理します。

 

よくダメになるバルブを交換。

 

このバンドは締めるのはいいですが緩めるのがめんどくさいですね。

しかも新品交換すると1個1500円ぐらいします。

 

純正ではないですが同じ形のバンドです。

これなら1個150円です。

 

ノズルを掃除しますが使っているうちにゴミが詰まってしまいます。

タンクの中まで掃除しないとダメみたいです。

こちらはシリコンリムーバー側を使うと、そちらの方が勢いがあるため

ゴミが出ていきます。

詰まったらシリコン使う感じで様子見してもらうことにしました。

 

今回の修理2件は人災でしたね。

難解な修理でしたが高額パーツの交換もなく完了出来て良かったです。