ポルシェ964 Tip警告灯点灯&消灯せず修理 | AUTOBAHN MOTOR&KLUB909BLOG

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外車専門自動車屋の活動日記

ポルシェ964C2TipがTip警告灯点灯とIGOFFでTip警告灯が消灯しないを修理で入庫しました。

 

まずは症状の確認から。

エンジンが掛かっている時にランプが点くと3速固定になってしまいます。

ただこの症状はあまり頻繁には出ません。

IGOFFの時にTip警告灯が点いたままになるのは症状が出る頻度が多いです。

ほぼ消えることはないのですがたまーに点かなくなります。

エンジンがかかっている時に点くとIGOFFで消えているようです。

 

2つの症状は関連があるのか無いのか・・

エンジンがかかっている時に点いてしまう症状が出たので、まずはこちらから点検していきます。

テスターを掛けてみますがフォルトメモリーは残っていません。

 

実測値を見ていくとミッション関係の値は出ますがエンジン関連の値が出ません。

それも単独でなくエンジンの値は全て出ません。

 

エンジンとミッションの間が通信不良のようです。

配線図を見て該当する所がないか調べます。

E/GとTipを繋ぐ配線は途中に12ピンのコネクターがあります。

場所は~左シート下なのでユニットの近くです。

 

邪魔なシートは外しました。

DMEが何かビニールテープで巻かれてます・・今回症状とは関係は・・疑ってしまいますね。

 

怪しいDMEよりまずはコネクターを点検。見事に浮いてます!

外れかけているコネクターのせいで症状が出たり出なかったりしていたようです。

 

コネクターはしっかりはめこめば簡単に抜けそうに無いのでこれでOkとします。

 

エンジンがかかっている時はTip警告灯は点かなくなりましたが、IGOFFの時が完全に点きっぱなしになりました。

 

IGをON/OFFしてもTIPランプは点いたままです。

 

エンジンを掛けると消えます。

 

Tipランプが点いたままということは・・なんでしょう??

ユニットのIGON電源が切れない?

調べてみると確かにIGOFFでもIGON電源が切れていません。

 

また配線図とにらめっこ・・TipユニットのON電源は~

 

DMEリレーからでした。993品番なので交換はしてあるようです。

 

中身を見てみると下のリレー接点がずれていて導通したままになっていました。

どうなったらこんな風にずれるのか??

写真は元に戻した後です。接点自体は焼けも無くきれいでした。

このままでも使えそうですが念のため新品に交換しました。

 

DMEリレー交換後はIGOFFでもTipランプが点かなくなりました。

DMEリレーはTipユニットだけでなくエンジンやミッションのセンサーなどにも電気を供給しています。

今回は頼まれていませんがバッテリーが上がりやすいという症状も言ってました。

確かにこのリレーの状態では1日でバッテリーが上がってしまうと思います。

今回のコネクターの外れかけやリレーの接点ズレは、パーツの経年劣化や寿命ではないですね。

人的被害があるように感じます。こういう故障診断は難しいですね。

経験と知識と資料のお陰で2日ほどで分かりましたが嵌りやすいパターンでしたね。