BMW E90 320 エンジン不調&オーバーヒート修理 その2 | AUTOBAHN MOTOR&KLUB909BLOG

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外車専門自動車屋の活動日記

前回ラジエターキャップとLLC交換でお返ししたE90ですが、またサブタンクから吹いてしまったと

再入庫してきました。

確認の為、水量調整してエア抜きを実施後、試運転しました。

中々確認できませんでしたが、長めに試運転するとヒーターパネル奥より水が流れる音がして

サブタンクを見ると水が吹いた跡がありました。

確認が足りてませんでした。ユーザー様にはご迷惑をかけてしまい申し訳ないです。

 

引き続き修理をお願いされたので気合を入れてみていきます。

 

トラブルコードはやはりW/Pの低出力モードです。

 

水温の様子を見ると90~110度で制御しているのですが、ある程度距離を走ると120度近くまで

上がる時があります。その症状が2~3回出ると水を吹きます。

そうかと思えば電動ファンが強で回り、80度辺りで安定することもあります。

電動ウォーターポンプの作動が不安定な気がします。

 

こうなったら怪しい所を潰していくしかありません。

交換済みの社外ウォーターポンプ、サーモスタット、キャップ(交換済み)と水温センサーを

純正品へ交換しました。

 

結果は症状変らず。

キャップは変化があったので残しますが他は元に戻します。

もちろん、テストで変えただけなので請求しません。

 

次は制御側を点検します。

ECUのバージョンを上げようと思いましたが残念ながら当社のテスターより車両の方が

バージョンが上でした。

知り合いの業者に頼んでバージョンアップさせましたがこれも変化無し。

 

こうなるとECU本体の不良が疑われます。

ECUを外して外注にて修理をお願いします。

修理後取り付けましたが症状は変らず。エンジンの初期ぶれは幾分良くなりましたが・・

業者さんが親切な所で、業者さんの在庫のECUにデータを書き込んだ物をテスト用で送ってくれました。

こちらも試しましたが変化無しです。ECUは大丈夫でした。

 

水温関係のパーツで故障はみつかりませんでした。

そうなるとエンジン本体(可能性が高いのはヘッド抜け)ですが決め手がありません。

LLCにエンジンオイル、エンジンオイルにLLCが混入した様子はありません。

冷却系に圧縮ガスだけが抜けていることになります。

確かにそれならつじつまは合うのですが・・・

悩んでいてふと、LLCがいつもと違う匂いがしていることを思い出しました。

なんとなく排ガス臭かったのです。

その時点でテストをしていればよかった・・

 

冷却系への圧縮ガス漏れテストですが青い液体が黄色くなったらLLCにガスが混入しています。

結果は一瞬で色が変りました。このテストも100%ではないですがこれだけ早く色が変るのは

漏れありでほぼ間違いないでしょう。

 

漏れ箇所は確定できていませんがとりあえずヘッド降ろしですかね。