VWタイプⅡ エンジン不調修理 | AUTOBAHN MOTOR&KLUB909BLOG

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外車専門自動車屋の活動日記

VWタイプⅡがエンジン不調修理で入庫しました。

 

1978年モデル、2000ccのインジェクションです。レイトバスというやつですね。

症状はエンストです。症状を確認していたらエンジンが掛からなくなりました。

プラグに火は飛んでいますがインジェクターが動いていません。

点検のためにエンジン上側の蓋を開けようとしたらベニヤ板でふさがれていました。

このベニヤは奥の壁と裏側で止められていて外せません。

仕方ないので蓋の部分だけ切って開けました。

あまりの猛暑にあまり写真を撮っていません。

 

色々と点検するのにタイプⅡの資料をまとめて配線図を手書きで作りました。

専門店さんに比べれば素人のようなものですが、ボッシュのインジェクションなら昔、色々と整備してましたので少なからず知識はあると思います。

一番初期のLジェトロなので難しくはありませんしね。

Lジェトロは点火系とは完全に別になっていて燃料噴射だけをECUでやっています。

各気筒の判別もしていないのでINJは同時噴射です。

電源は一箇所から来ているのを4つに分けているだけですし、アース側もユニット中で一緒になっています。

燃料の増減はエンジン温度とエアフロで変えているだけです。

エアフロも古いタイプの電圧式の物ですね。

燃料ポンプの電源はエアフロの中のスイッチから行ってます。

他についているのは補助エアバルブとコールドスタートバルブですがこれはユニットで制御はしていません。

インジェクターを作動させる信号はデスビからの回転信号だけです。

ポイントからの電源のON,OFFだけなのでIGONで手動で配線を繋いだり離したりするだけでINJは動くはずです。INJへのプラス電源はOKです。

手動でやってもINJは動きません。

止める可能性としてE/G温度センサーがありますが抵抗値を見る限り正常です。

エアフロはINJには関係しません。

サーキットテスターで各センサーとユニットまでの導通、抵抗は異常無しです。

コントールユニットがだめなのか・・・でもそれは最後の手段・・・

どうせなら社外ECUでもっと細かく制御したらパワーも出るし調子よくなるのでは、、などと妄想しながら

 

とりあえず配線を全部引き出してばらして調べてみます。

怪しいコネクター類は交換してギボシはできる限り磨いてみます。

ユニットからのアース線が特に腐食がはげしく怪しかったです。

作り直したついでにエンジンで取ってあったアース線からバッテリーへ行く線を追加しました。

エンジンとボディを繋ぐアース線は見当たらなかったです。

アーシングすれば効果がありそうですね。

今回はエンジンとバッテリーを普通の太さの配線で繋いだだけです。

綺麗にまとめて新しいコルゲートチューブでまとめて元に戻します。

恐らくアース不良だったのでしょう。INJが動いてエンジンがかかりました。

 

掛かりはしましたが調子が悪くエンストしてしまいます。

スパークプラグは古く減っていたので交換しました。ポイントも焼けていたので交換です。

点火時期もずれていたので調整しました。

インマニホースやブローバイやバキュームホースも古く劣化が激しいので交換です。

 

 

 

純正にこだわる人は嫌がるでしょうが社外品のシリコンホースにしました。

ホースバンドが付いていないので全部つけました。

交換するのにインマニとサージタンクは脱着してます。

外したついでスロットル清掃、調整しました。さらについでに錆を落として塗装してあります。

エアフロからのインテークブーツも切れていたので交換です。こちらは純正品です。

黒にすればいいのにあえて青で!似合わないかな・・・

エアフィルターも汚れて硬化していたので交換。

 

最後にCO、HCを調整してかなり調子よくなりました。

 

しかし試運転するとブレーキとステアリングがおかしいです。

ブレーキはリアのドラムブレーキの調整で治りました。

ステアリングはドラッグリンクのボールジョイントがガタガタで外れそうなくらいでした。

ドラックリンク交換とと同じくガタがひどかったピットマンアームをOHしたらステアリングの遊びが無くなりました。

普通に走れるようになりました!