黒歴史の廃棄処理場 -9ページ目

黒歴史の廃棄処理場

かつて、一人の男が作り続けていた黒歴史の墓場。

一部15禁程度の描写があるので、(整理はしたが)閲覧注意。
そうでなくても、公開しているのは黒歴史。帰るなら左上。

それでも、と言う方はごゆっくりどうぞ。

金属製の鎧を纏うレン。

魔法使いの塒には似合わないほど、鎧はぴかぴかに輝いていた。


「・・・で、それが一番お気に入りな訳で?」

「おう!カッコイイじゃん!」


嬉しそうに、レンは腕を広げてみせる。

あまりにも女の子らしくないレンの言動にラフトは苦笑した。


「それ、普段着てるやつらはそんなに軽々と着こなせないんだけど。」


レンの場合は、細かな関節を保護する防具や無駄な装飾、その他取り付けに不便なものは本人の意向で着けていなかった。

しかしながら、街の衛兵が装備した場合では、これほど軽々と体を動かせるものではない。少しでも生存性を求め、鎧の重さは相当のものとなっている。普通の人間には、あまり過度な運動が出来るようなものではない。

しかし、


「ひゃっほー!」

「ひゃっほう、ってなぁ・・・」


狭い魔法使いの住処を、所狭しとレンは動いて回る。腕を振り回し、飛び跳ね、挙句の果てには側転からバク宙まで披露する。

手足をぶつけ、燭台を壊したものの、ラフトの魔法があっと言う間に修復したため、さほど叱られはしなかった。


「ホント、あんた規格外だな。衛兵になれば、相当給料いいと思うんだがな。普通、そんなもん着てアクロバットするやついねぇよ。」

「ハッハッハ、ならば私がここを守ってやろう。」

「・・・しかしまぁ、よく譲ってくれたもんだ。」


鎧は、呉服屋で購入したものではなく、衛兵の所から貰ってきたものだった。

予備のものであるが、レンが目を輝かせていると“日頃の感謝”と言うことで貰ったのだった。

尤も衛兵曰く、ラフトが日頃もたらしてくれるものに比べれば大した価値は無いとのことだ。


「師匠!日頃の感謝って、普段師匠は何してるんだ?」

「見たいか?」


ラフトは笑う。サプライズプレゼントを用意する、仕掛け人のような表情だ。


「鎧を簡単にくれるくらい凄いことだろ?勿論、気になるぞ!」


レンの返事を確認し、ラフトは空中に紋を描くように何かを操作する。

突然本棚が動き、本棚のあった場所には地下へ続く階段があった。


「丁度いい機会だ。可愛い弟子に、魔法以外のものも少し触らせてやるか。」

「魔法じゃないのか!?ますます気になるぞ・・・!」


二人は、あまり広いとは言えない階段を下っていく。

金属鎧が振動で擦れる音が、妙に響いて騒々しい。


「・・・あんた、買ってきた服の方を着ろよ。」

「これが一番カッコイイだろ!」

「普段着にはならんだろ・・・」