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黒歴史の廃棄処理場

かつて、一人の男が作り続けていた黒歴史の墓場。

一部15禁程度の描写があるので、(整理はしたが)閲覧注意。
そうでなくても、公開しているのは黒歴史。帰るなら左上。

それでも、と言う方はごゆっくりどうぞ。

リプレイ小説の方の筆が進まないので、勢いで書いた。

エンドブレイカー!の創作です。一応。



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水神祭都アクエリオ。
巨大な水瓶のオブジェを中心に、水路が張り巡らされた階層都市。
石造りの家々、運河を流れる観光客向けのボートなど趣ある景観は、見る者の心に感動をもたらすこと受けあいだ。


下層の村の小さな家に、とある少年が居た。
母親譲りの白髪が美しい少年だったが、彼は人々のみならず両親からも忌み嫌われていた。
生まれつき、特異な性質を持っていたからだ。
少年は、デモンの姿を捉えられ、またデモンと会話をすることが出来た。
デモンの力の凶悪さから、こう言った者たちは概して他人の理解を得られないことが多い。
殊に、ソーンの脅威から解放されたとされるアクエリオでは、忌まわしきものとされたのかもしれない。
また生まれた時からなのか、或いは心の傷が力を与えたのか、少年は他者の理不尽な終焉を観ることが出来た。
所謂、エンドブレイカーと呼ばれる者たちの力である。
そのことすら不吉とされ、悪魔の子とすら呼ばれた少年は、やがて棄てられることとなった。


生きる術を探す少年に道を与えたのは、衰弱したデモンだった。
デモンにとってアクエリオの空気は毒素そのものであり、食物もない場所だった。
飢餓状態にあったデモンは、自らも生きるために少年を唆す。
契約を結び、自らの力を少年に貸し与え、行動を共にする。
とにもかくにも、デモンはアクエリオを出る必要があった。
しかし、衰弱しきった身体では自由に動く事もままならず、誰かの手を借りる必要があったのだ。
エンドブレイカーの力を用い、デモニスタとして終焉を終焉させるため、との大義名分の下、アクエリオを背に旅に出た。
アクエリオを後にすると、デモンは空腹でこそあったものの、すぐに調子を取り戻す。
体調を回復させたデモンは、空っぽの器に対して、時には生き延びるための助言を与えた。
また、ある時には敵を打ち砕くための力を与えた。
そして、人々から忌避される孤独を与えた。
少年は、デモンを恨むことはなかった。人々を妬むこともなかった。


アクエリオを出た少年は、旅を続けている。
安住の地に根を張ることをなく、浮浪し続けている。
少年は故郷を出て以来、帰郷することはなかった。
少年の出会ったデモンは、ソーンを喰らうと言う特異な性質を持っていた。
そのため、少年はデモニスタの中でも、ソーンイーターと呼ばれる異質な存在だった。
ソーンに侵されぬ清浄なアクエリオの空気は、デモンにとっては瘴気にも等しい物だった。
アクエリオに近づくだけでも苦しみ始めるデモン。ソーンをも操る力から、都市を守る衛兵に入国を拒まれる。
それ故に、少年が故郷に帰ることはなかった。
特定の場所に留まる事が出来ない彼を、多くの者は記憶に止めなかった。
誰かと関われば、その分だけ誰かに嫌われる。
誰かに優しくされれば、裏切られたときの傷が深くなる。
影から影へ渡るように生きた少年は、やがて光を避けるようになった。
人を信じるということを恐れて。


デモンと通ずる少年だが、ランスブルグでは比較的理解を得られているのか、有名氏族の下、仕事をすることがある。
浮浪者と言う身軽さ、その力の凶悪さから、離反者(多くはマスカレイド)の始末などを依頼されることが多々あった。
国王軍直轄の天槍騎士団や、領主に雇われる城塞騎士団では対処できない場合の“始末”が主な仕事だ。
ランスブルグでは珍しい“紋章”を持たぬ無名の騎士として、公の場に出ることもあった。
尤も、仕事の内容自体は正規軍に任せられないような代物だが。


そして現在、少年は花屋へと足を運んでいた。
店内に飾られていた白い薔薇の花を指差し、花束にしてくれるよう店員に依頼する。
白い薔薇のブーケを受け取ると、少年は街中の小さな花屋を後にする。
人気の無い路地裏へ入り、少年はデモンを喚び出すと、ぶっきらぼうに花束を差し出した。


「日頃の感謝ってヤツだ、黙って受け取れ。」


彼の振るう力は、彼自身の力ではなく、デモンとの契約によって与えられた力だ。
それにきっと、デモンに出会わなければ、ロクでもない人生だった。


「・・・俺の人生くらい、テメェにくれてやる。」