黒歴史の廃棄処理場 -13ページ目

黒歴史の廃棄処理場

かつて、一人の男が作り続けていた黒歴史の墓場。

一部15禁程度の描写があるので、(整理はしたが)閲覧注意。
そうでなくても、公開しているのは黒歴史。帰るなら左上。

それでも、と言う方はごゆっくりどうぞ。

夜も更けてきた頃。

本来は人の訪ねて来る時間でもないのだが、ドアホンが鳴った。


「ん、こんな時間に誰だろうな。」

「さぁ?」


妹か、などと警戒しつつ逸見は玄関へ向かう。

扉を開けると、そこにいたのは自分と同じ年ぐらいの男性だった。


「悪いね、こんな時間に。仕事帰りでさ。」

「・・・誰だっけ?」

「ひでぇ。誰が、てめぇの所に・・・」


男が言い終わる前に、逸見の後を追ってきた綾織が言葉を割り込ませた。


「おお、お前か!」

「ほら、そっちは覚えてるらしいぞ。」

「ぐぬぬ・・・」


逸見は頭を捻る。どうやら彼は、他人の顔や名前を覚えるのが相当苦手なようだ。


「こいつが、お前のアドレス教えてくれたんだぞ!つまるところ、影の立役者、恋のキューピットだな!ホント、感謝してもしきれないぞ!」

「あー、あんたか。久しぶりだな。」

「その反応は、思い出してる反応だな。感心感心。」


男はうんうんと頷く。


「流石に、こいつが恋のキューピットとか、鼻で笑うわ。ハートのスナイパー(物理)みたいなヤツだぞ。笑顔で毒を吐くからな。」

「感謝して欲しいもんだがね。私ゃ、あんたがそいつに惚れてるの知ってたから、手伝ってやったと言うのに。」

「・・・そんなこと言ったか?」

「言ってない。が、あんたは私に似すぎててな。考えてることくらい、手に取るように分かる。お互い様だろ?」

「まぁ、言われてみればそうか。・・・立ち話もなんだ、上がれよ。」

「お、悪いねぇ!安心しろー、ちゃんと酒持って来たぞ。」


そう言って、男は手にしたビニール袋を持ち上げる。


「重いから、誰か持って~。」

「おう!力仕事なら任せろ!バリバリー」


綾織は袋を受け取る。

中を覗き込むと、素っ頓狂な声を出した。


「・・・あれ、お酒買ってないのか?オレンジジュースとか入ってるぞ。」


袋には烏龍茶、オレンジジュース、牛乳、挙句の果てには炭酸水なども入っていた。

綾織の素直すぎる反応に、男は満足げに反応する。

予想していたように反応してくれる人が居ると、準備した甲斐がある。そうして満足感を得る、と言うのは逸見と似通った性格ゆえか。


「ふっふっふ、昔取った杵柄よ。」


逸見が補足する。


「そいつ、昔、居酒屋でアルバイトしてたからな。カクテル作れるんだよ。」

「そうだったのか!?」

「えっへん。どやー。」