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金融政策決定会合についての考察
編集長X著
日銀は21日の金融政策決定会合で、「緩やかに回復している」との景気判断を維持し、4月に導入した大規模な金融緩和の継続を全員一致で決めた。金融政策決定会合後に記者会見に臨んだ黒田東彦総裁は、「海外経済の見通しを(10月に比べ)半歩程度進めた」と述べ、米欧を中心とする海外経済の回復が、輸出増加などを通じ国内経済に好影響を与えるとの考えを強調。さらに、「内需を中心とした経済成長が持続し、消費者物価上昇率も次第に上昇し、2%の物価安定目標を達成できる。現時点では日本経済は予想された経路をたどっている」と自信を示した。
相変わらずこの御仁は強気である。いわゆる「2年で2%」の物価目標達成はできると断言しているわけだが、それが難しいということは誰もがわかっている。確かに欧米の景気は回復基調にあるが、劇的というわけではない。黒田総裁は海外経済の見通しについて「全体として緩やかに持ち直している」と述べ、前回10月の「徐々に持ち直しに向かっている」から表現を上方修正したが、果たしてそれが適切かというと疑問を感じざるを得ない。また、アベノミクスによって、円安、株高がもたらされてはいるが、今後は必ず輸入物価上昇が一服する時期が訪れる。来年4月の消費増税が景気へ悪影響を及ぼす可能性も高く、目標の「2%」が夢物語であり絵空事であるという事実が、近いうちに否応なく突きつけられることになる。さすがの黒田総裁も、そうなれば強気一辺倒を貫けなくなるだろう。
いちおう、今回の会見でもエクスキューズは挟んできた。目標達成が困難な状況になったときのことを見据え、「政策の余地はある。やり方はいろいろあるが具体的な対応を話すのは時期尚早」と、追加の金融緩和に踏み切る準備があることを示唆したのだ。アベノミクスの「第3の矢」である成長戦略の重要性を訴え、安倍政権に対して苦言と叱咤を同時に投げかけた黒田総裁であるが、思惑通りにいかない可能性は高いだろう。このコメントからは、胸の内で「ヤバいかも」とつぶやいている黒田総裁の本心が見え隠れする。
国債を大量に買い入れる日銀の金融緩和策は、政府の借金を穴埋めする「財政ファイナンス」にあたるとの懸念を抱えているので、簡単には追加緩和に踏み切れない。しかし、事情が事情ゆえに、そうも言ってはいられない状況に迫られたら、決断を下すしかない。
追加緩和策を打ち出すのはいつか?
まさに焦点はそこだろう。消費増税に加え、日銀が2014~16年度の経済・物価の見通しを示す時期でもある来年4月なのか? そのタイミングを待たずして早急に踏み切るのか? それとも、消費増税後もグダグダとこのまま引っ張るのか? 今度の動向をしっかり注視していきたい。
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