写真は戦前のNY STEINWAYですが この頃のハンブルクはNYから鉄骨を輸入して造っていました。コロナ以降の現行品もその点は同じ。

右端最高音部の奥の鉄骨部と 中央奥の三穴の真ん中の左側に蒲鉾型の凸にスタインウェイのハープのエンブレムがあるのが〜1980年代初め迄の、STEINWAY親子(& SONS)の長男で、音響物理学者でピアニストでも有ったテオドール スタインウェイの設計による鉄骨。彼は生存中にピアノの製造に関する100を超える特許を得たが、戦後(戦勝国は60年延長特許)がスタインウェイ社150年を迎える21世紀の前後には殆ど切れたので、他社が採用(真似)しだしたので、大同小異スタインウェイコピーのピアノがピアノ市場に溢れている現状が在る。

 

 

現行品の鉄骨 1980年代のdigital化に対応すべく…

右側の細く曲がり上にゆく鉄骨の上部にSTEINWAYと旧型は有ったが、新設計は右端の上に太くSTEINWAYと有る。その対側の楕円形の凸部の中央にハープ形エンブレムと上側にSTEINWAY &SONS . 下側には NEW YORK   HAMBURG,

 

2020年〜コロナ下の中、ハンブルクでは鉄骨製造職人の退職が相次ぎ、現在は人が減り鋳造鉄骨が造れなくなり、鉄骨はNY工場製をハンブルクに運んでピアノを製造している。

1990年代迄はハンブルク製も低音の巻き線はNY製だったが、21世紀に入り〜現在は違う(全てスウェーデン鋼のレスローワイヤーになった) その為、ジーンと鳴り響いた重低音は出ない楽器になった。(YAMAHAチックになったと言う人もいるが…)

 

 

3月に亡くなったM.ポリーニの追悼の意味でもYouTubeにかなりの数のライブ演奏がUPされていますので、

今回はそれらも使って…、

 

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第五番 皇帝

若きポリーニとアバドが ローマで共演

テオドール スタインウェイ設計そのものの鉄骨が組入れられた旧型ハンブルク スタインウェイ(その製造は1980年代の初め頃迄 有ったはず)アクションノイズもハーモニーする雑音成分として鉄骨共鳴装置に取り入れて、比類なき音(イニミタブルトーン)を親子4人で19世紀の末迄にその設計を創り、今のコンサートグランドピアノの原型が完成しました。

 

モノラル TV録音ですが (ピアノ用のマイクもリボンマイクの様に見える) ピアノの中央で音が拾われていて、その素晴らしい響きがします。(リボンマイク🎙は双指向性で主にマイクの左右の音を拾いますので、ラジオの対談用にも便利でした。ピアノでは左右の音を拾い、それがモノラル音源として出力される点がワンポイントステレオマイクとの違いです。繊細で情緒面々とした美しい響きがします…楽器の出す雑音成分も積極的に取り込みピアノの響きとして活かす。そうして創られた響きをリボンマイクが一体化した響きとして良く拾っていると思います。)

 

 

 

1972年にウィーンフィル&カール ベーム指揮 …LP盤からUPされています。

 ポリーニはこの録音の為にハンブルクのスタインウェイ工場に旧鉄骨の当時の新しいスタインウェイを選定に行ったのではないかと…。(良く鳴り、スタインウェイ独特のハーモニーする雑音成分も音量を助ける…、いわゆる丸い音のする では無く、華麗な響きのするスタインウェイを選んだとの事です。(日本の誇る調律師だった杵淵さんがハンブルク工場に居た頃には、ルービンシュタインとポリーニは特別に選定が許されたそうで…当時、日本人で選定を許されるピアニストは居なかったそうです←ホール備え付けの世界中のスタインウェイを無償で使用する事が出来るSTEINWAY Artistは日本人でも数名は居たが)

 

 20年前が150周年の年でした

       1854年NYにて創業

 

 

 

新しいスタインウェイにはスタインウェイ一族は関わっていない

 

アバドとの再共演盤には digital録音 4D!と有りますが…、

4Dって何⁇ …この頃にはdigital録音には全く興味が無くなっていたので(LUXのアンプ〜真空管へ移行)とイギリス製のスピーカーに傾倒していました。多分このピアノは新鉄骨でdigital対応、低音の巻線はNY製を使っていた頃と思います。(最初の新設計の) イニミタブルトーンの中のハーモニーする雑音成分がdigital録音では記録されてしまい、音の濁りやノイズとして認識され、それらをコンピューター技術で消そうとすると、音の旨味成分、微妙なニュアンス迄が無くなってしまう(と思う)為、

スタインウェイ一族とは別に設計されたNEW STEINWAYです。アクションに使われていた天然素材の鹿革は経年で硬化する為、合成皮革に変えられ(ノイズも減る)他社では使用出来なかった(高価で)最高級のカシミアフェルトも密度、硬さが変えられた(軟化)

(1960年代に労働争議、ストにより経営が傾き、経営がスタインウェイ一族からCBS (CBSの時代にはハンブルクには基本手を付けなかった、NYの改革…アクションにカシミアブッシングの代わりにテフロン材の化学物質の採用なと…時短=コストダウンを進めた…NY製は度重なるストで製造が全く追いつかず、受注を受けてから2.3年待ち状態が70年代になる迄続いた)その後、ボストン資産家協会(セカンドブランドのBostonを日本のKAWAIに製造させてスタインウェイの1/3〜1/4の値段で販売…10年以内にスタインウェイを購入すれば、Boston購入時の価格で下取り保証付きとした) 再三に亘る身売り毎に(3rdブランドのEsex を中国で製造させ1/5の価格で販売…カワイ製も含めてDesigned by STEINWAYと刻印された全く別製造ピアノも販売)  そしてハンブルクに対しても コストダウン、さらなる利益追求化を求められた… アメリカの資産家にとってはハンブルク製は利益追求のためにユーラシア大陸(+日本 東南アジア)向けに作らせているという認識しか無い)現在はアメリカ最大の楽器会社となった Conn Selmer company の傘下に置かれ、NY工場長にはSTEINWAY家の甥っ子の血筋で、製造には全く関わりのなかった人のである テオドール(セオドア)スタインウェイ氏を置いて、製造に関しては全く口を出させない…名誉職として居るだけ)

身売りされたと言う点ではBosendolfer (日本のYAMAHA) C.BECHSTEIN(韓国→中国Samic) 3大名器と言われるピアノは全て同じである。

 

M.ポリーニ & C.アバドでdigital録音

新設計のNEW STEINWAY使用での。

第一楽章

 第二楽章

 第三楽章

  1994年(スタインウェイ社140周年)

 


そしてその20年後には、ポリーニ親子の共演 2014年と10年前なので、先に記しました、ハンブルク スタインウェイの低音の巻線がNY製から、全弦がレスローワイヤーに変更。

 変更毎に天屋根を突き上げる棒のデザインがハンブルク製は変わります。(新設計以降3代目の現行品とも)最近の新しいスタインウェイは他の(国内のupからでも…) 

ハンブルクでコロナ以降、鋳造鉄骨が造れなくなり、NY製の鉄骨となった、その為、アップライトピアノのZ113cm.V125cm とグランドピアノのA型(188cm)はNYでは製造されていないので製造中止になり、130cm K型アップライトもNYでも製造中止になるとか…(そうなるとプロフェッショナル仕様のグランドピアノ製造のみに特化される⁇)

 

 OLD STEINWAY とNEW STEINWAYの違いについては、同ポリーニのベートーヴェンピアノ協奏曲第一番の所にも書かせて頂いています。良かったらご覧下さい。

 

 

 

最新型の1つ前のスタインウェイの鉄骨

バックアリコートの金属三角枕と通称 銀色の チューリップ型のネジ留め(最初型の小型GPには このチューリップが無いものも…)



 最新型に近い?スタインウェイの日本での演奏

 みなとみらいホール(横浜)でのN響の定期公演です。

 2分過ぎ辺りから演奏が始まります。



 

この鉄骨はC.BECHSTEIN のD型ですが

 STEINWAYとの違いは中央の斜め右に後付けの鉄骨がC.BECHSTEIN D型では真っ直ぐ上に向かって。

かつてBECHSTEINのフルコンはE型かEN型で総アグラフのピアノでした。このベヒシュタインのD型はかつてハンブルク スタインウェイのコンサート調律のNo.2だった(アルブレヒトの退職後はNo.1に)ディーツがベヒシュタインに引き抜かれて設計したD型でスタインウェイ同様に中音域〜は弦のバックにアリコートがおかれ、次高音以上(第四第五セクション)の高音域は鉄骨が弦を抑えるプレッシャーバーによる鉄骨共鳴構造となり、この音域にベヒシュタインを特徴付けていた独特の形状のアグラフは無くなりました。(総アグラフの楽器では無くなり 悪く言うとスタインウェイコピーとなりました) YAMAHAの三叉鉄骨もほぼ同じくスタインウェイのコピー系と言えます。

 フルコンサートグランドピアノのサイズとしてはスタインウェイが一番小さく274cm. ベーゼンドルファーの92鍵が275cm、

YAMAHAのCFⅡ CFⅢ 275cm (多分KAWAI EXも)  ベヒシュタイは280cm. 新型のファチオリ、88鍵の新型ベーゼンドルファーも280cm .97鍵のベーゼンドルファー インペリアルが290cm.。

最大と言われたファチオリの4本ペダルのフルコンが308cm←現在も造られているかは⁇  ロシアでは個人的な工房で4mを超える5m⁇のグランドピアノも造られている(YouTubeにupされているが思った程の音量は出ていない。かつて英国で4mのピアノがギネス目指して造られたが、弦の張力に負けて楽器が歪んで壊れた)

1970年に倒産してしまったが、フランスのプレイエル(ショパンの使ったピアノとして有名)のフルコンサートグランドピアノは260cmと逆に小さかった。19世紀の設計のまま(他人の手に渡って経営)の為に、新設計がなされなかったのかと…。

かつてYAMAHAにはCS CSⅡと言う255cmの中小ホール用のコンサートグランドピアノが有った。C7 221cmが120万円の頃 CSⅡ 170万円 CFⅡ 280万円で

当時新宿に有ったYAMAHAのピアノシティーで弾いたが、CSⅡが良かった!(当時の立川の市民会館の小ホールにも有り、歌の伴奏で弾いた事が有る…CFⅡよりも好きだった) 福井の武生音楽祭の会場にはYAMAHA CS(初代)が1台有り 素晴らしい響きだそうです(ベヒシュタイン系の設計が 彼処に施されていたそうです)