ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 

初期digital録音LP盤 1982年Live recording

pf. M.ポリーニ 指揮.E. ヨッフム ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

ポリーニにとっての初めての Live digital recording⁉︎

日本での演奏では とかく冷徹というか感情よりは完全 完璧なテクニックと抜群のバランス感覚で聴かせる。

ウィーン ムジークファライン ゴールデン ザール

ポリーニが 珍しく情熱的にベートーヴェンの1番を

(作曲は2番の方が先なので、本来ならば2番になった1番) を弾いています。

 

ピアノ協奏曲第一番第一楽章

 第一楽章のカデンツァ(ベートーヴェンの自作譜)〜終結部

(カデンツァの入りでは 彼の唸り声も⁉︎ 初期のdigital 録音では マイクが拾っている)

  ポリーニはハンブルク スタインウェイのアーチストです。しかし、ウィーンだからか? このムジークフェライン ゴールデンザールのピアノは ベーゼンドルファーの様な響きをも有しています。(ウィーンという事で ベーゼンドルファーを使ったかどうかについては記載は無いので分かりません) 指揮者でも有ったバーンスタインはボールドウィンのアーチストで(米国以外では当時はベヒシュタインを使う契約)でしたが、ウィーンフィルでの弾き振りの時は旧型のベーゼンドルファー インペリアルを使用して演奏し、1980年代のベーゼンドルファーの販売促進用VTRにもその演奏の模様が写っていました。(同じ第1番Pコン)当時 新設計のベーゼンドルファーはスタインウェイ寄りになったとも言われていましたので(アクションもスタインウェイと同じくV型スプリングに) その新ベーゼンを使った可能性も有るかも知れません。

1982年Liveという事はベーゼンドルファーは新型(今より1つ前の設計)のインペリアルが出ていました。スタインウェイはNY STEINWAY でのdigital対応した現設計(やはり1つ前の)の開発が遅れていましたので、スタインウェイ使用なら新設計では無い旧鉄骨のハンブルク スタインウェイの筈です。

 

同 第二楽章

 

 

ホワイトレーベルなのは例によって見本盤だからです(大手レコード店での販売促進用に…本来なら市場に出てはいけない物なのですが、行きつけの都内の中古販売店では 高値⁉︎で売られるのですが、継子扱いのdigital LP盤は21世紀になっての(前の)レコードブームの時は人気が無く、最安値⁉︎だったので 漁って買い求めました 特に音が良い筈のホワイトレーベル物は…)

 

 

同 第三楽章

 2つの主題を持つロンド形式(繰り返される)長調と短調の主題の交錯が とても華やかなフィナーレに感じられます。(ベートーヴェンのPコンの終楽章では一番好きです!)

 

当方のAir録音はIphone7による録音をYouTubeにupしています。Iphone8以降は音がdigital的に綺麗過ぎて現実離れたした響きに感じられるので、実際聴いている音に近くYouTubeにupできる、古い⁉︎Iphone7を選んでいます。

 

 

YouTubeにも全曲upが有りました(Air録音かどうか分かりませんが、LP盤からのupの比較鑑賞用に…) 見本盤(試し第一版)と 一般発売盤との違いか、再生装置、マイク?(最近のUSBでパソコンに繋げられるプレーヤーからなのか⁉︎)分かりませんが、オケとのバランスを比較するとピアノの音が大きく聴こえる様な…。

趣味のオーディオの世界ですから、どちらが良い悪いではなく、好きか嫌いかで…好きな方を選べば良い。

私の装置は原音忠実再生装置では有りません。色付けスプレー増し増しのマッキンのアンプに、女声ヴォーカルを艶やかに歌い上げる伝統のある VICTOR(RCA系の色付け有り)の (弦や木管楽器を美しく繊細さを感じさせる音創りのある) 国産和紙製のスピーカーの成せる技です!

 

 YouTubeから

 ↑一言で言うと、こちらの録音の方が日本で聴くドイツ グラモフォン(ポリドール製作)の響きがしています!ポリーニのピアノの響きも(多分 ハンブルク スタインウェイと分かるポリーニの弾くピアノの音がします) オーケストラもピアノも、音が澄んでいる分、若干 体感温度が低く感じられるので(ポリーニの熱演には⁇)…、この違いって面白いですね!(曲の印象も微妙に違って来て!) Liveなので、ポリーニが少し音を掠っている(隣りの鍵盤を指が触ってしまい、ハンマーが動いて弦に触れてしまうpppな音の濁りも 音がクリアーなdigital録音なので分かってしまいます。

(日本ではミスタッチと言いますが違います‼︎) 自分の再生装置では分からなかった事です。

←1980年代の初め迄の旧設計のスタインウェイはダンパーフェルトが硬めなので(右ペダル操作でも動きますが)鍵盤が動くと連動してダンパーも上下します。その時にダンパーフェルトが弦を擦ってしまうので囁く様に鳴ってしまいます。鍵盤の動きが3mm以内だとダンパーフェルトは上がらないのですが、力の掛かり方によって弦を打つハンマーが、リバウンドする様に跳ね上がってしまいます。(力というよりは木製アクションの動作タイミングの問題で、鹿革製のキャッチに木のハンマーの芯キャッチミスになるとハンマーを突き上げてしまいます…革製のボールに木のバットの様に…リバウンド)最初は柔らかめだった鹿革も弾かれる毎に摩擦で硬さや変形が起こる為に設計通りに働かなくなる場合が たまに起こります(その点はYAMAHAよりも確率は高い、この当時でも既にYAMAHAのアクションは世界一の精度を誇っていました。音という形而上学的な認識でYAMAHAは未だ認められていませんでした)

 

 

ポリーニはペダルの操作も絶妙なタイミングで(ON と Offだけでは無い) ハーフとかクォーターその間とか踏み分けて音色、音の濁りを皆無にするという打鍵だけで無い、凄いテクニックの持ち主なので、あれっ⁇ って思う響きの乱れが(それらもLiveさながらの臨場感でもあるのですが)珍しく有りました。それらの点も含めて、スタインウェイはdigital録音対応への設計変更に他社よりも時間を要しました。

ハーモニーする雑音成分も積極的に取り込み音量増幅の一助とする(打鍵時に起こるアクションノイズさえも音量増幅になる様な鉄骨共鳴装置等、アナログ録音では、それらはスパイスの役割で目立たなかったものがdigital化によってはノイズとして記録されてしまう、又は音を濁らせる原因として録音されてしまう)を消す設計変更へ、

変化の起こり易い鹿革は合成皮革に、他社では使えなかった最高級のカシミアフェルトもその硬さ密度等変更する。(それらは19世紀の末にこの旧設計のスタインウェイを親子4人で作り上げた←その為に長男のテオドール以外の3人は比較的早死にしています。スタインウェイ一家が命掛けで創りあげたピアノの名器なのです…木材、皮材、フェルト材、鉄骨材、弦の材質と

実験と吟味により、ヨーロッパの長い経験に基づくの製造(←古臭い)では無く、音響物理学等の当時の最新の科学技術も取り入れながら、設計された、その意味では とてもアメリカらしいピアノなのです)

 

その為digital対応化した今のスタインウェイの方が鳴らずに音も割れがちになってしまったのも事実です。特に重低音と最高音域は、かつての様に太く朗らかには鳴りません。

(YAMAHAは元々ダンパーフェルト等が柔らかいのでノイズ発生の原因になる事は少ないのですが、数年でダンパーフェルトがヘタってしまって硬くなり厚さがバラつくので、きちんと整備されたコンサートグランドピアノではOH部品交換を余儀なくされました←YAMAHAは製造部品の精度も世界一なので、交換すれば済む点は楽!)

 

ポリーニの好んだハンブルク工場でコンサートの為に選定するピアノは、そのノイズ成分も多めで(丸い響きのピアノでは無く) それらも音量の増幅となる輝かしい響きのする旧型ハンブルク スタインウェイ…STEINWAYの長男(& SONS)で音響物理学者でもあり、ピアニストでも有ったテオドール スタインウェイの設計した

(その中でも いつも新しめのものを)選んだそうです。←日本の誇ったピアノ調律師杵淵さんの勤めていたハンブルク スタインウェイのコンサートグランドピアノの展示室での話です。(ルービンシュタインとポリーニでは好むスタインウェイが違うとの話) 

 

このベートーヴェンピアノ協奏曲第一番は録音が1982年と言うことで、ギリギリ

STEINWAY & SONS スタインウェイ親子4人の創った設計のままの楽器での録音かと思われます。(YouTubeにUPされた音から判断するとハンブルク スタインウェイの様なので…) digital対応化された新設計のスタインウェイの響きとは少し違うので…。(旧設計のスタインウェイはアナログ録音が最高と思って聴いていましたので、digital録音の音に 戸惑いが有り…)

 

 

 

 

当方のupに使った再生装置(原音忠実再生では無い 聴いて愉しむ為だけの!)です。

カートリッジはaudio technica VM型-10G にTrio OEM仕様の0.3×0.7mm楕円針を使用。

McIntosh MAC1900 ゲルマニウムトランジスターのプリ部(C26 とほぼ同じ内容)とパワートランジスターはメタキャントランジスター使用のレシーバーアンプ

 YAMAHA製のチーフな箱ですが…、

YAMAHA製の樹脂ドームツィーターに(元々付いていた) +国産和紙を使用した Victor EG40005 がメインSP

リアバスレフの箱に収めています。Victor製の10cmフルレンジ(使用)と特に相性の良かったのが(スピーカーのデザインが似ているからでしょうか⁉︎重低音補強に

+ BOSE ウルトラベースシステム

いつもの様に右chのみの入力で左ch用ユニットはドロンコーン(パッシブラジエーター)の役割に…。上向き設置にしていますので、スピーカーは床の方に下に向いて音を出して1度反射させて(内部を全て分解はしていないので分かりませんが、奇数回反射させたバックロードの可能性も⁈)バスレフ穴を通して(位相反転して)上の開花部から音を出します。上向き設置の理由は(その方が音が良いからですが…、)何処に設置しても良い…がBOSEのコンセプトでしたので、いかにもBOSEな音は避ける為です‼︎(あくまでもサブ補強)上向き設置はBOSEとしても想定外だったかも⁈ 9cm×9cmのキューブ(内部は3インチの⁉︎)スピーカー2個のタワースピーカー又はBOSEのシリーズとの接続を想定しているので、アッテネーターを通さずにVictor.YAMAHAはMcInのアンプから直に繋いでいます。(トーンコントロール、グライコも基本Offです) 

公称17cmスピーカー(多分ロクハン 16.5cm2本にそれぞれ左右の低音域入力で本体の壁から跳ね返してバスレフ穴から音を出し(モノラル化して)開口部から音を出す…BOSEにしては至ってシンプルな(コロンブスの卵的な)アイディアの重低音補強システムです。電源、専用のアンプも付いていない点が選ばれた理由。

 

 

追悼 マウリッツィオ ポリーニ

ポリーニのLPを最初に購入したのは中学生の時、友人の家の近くの忠実屋の中の新星堂レコード店で、デモで駆けられた ショパンのエチュードの作品10-1〜

を聴いて、其れ迄のレコード店の雰囲気を変える様な緊張とは美しい響き(初めてハンブル スタインウェイの存在を知った…それまではアメリカ音楽、映画音楽ならハリウッドはBaldwin が契約、CBS SONY盤は

米レコーディングが主で、当時 NY STEINWAYはCBSの楽器販売部門に属していたので ニューヨーク スタインウェイ←少しくぐもった音色のする)による録音が常だった)  国産でもYAMAHA  KAWAI にDiapason 東京では神田にあった Fukuyama Piano社が結構大きくて有名だったくらいでした。さいたま市(当時は浦和市)の埼玉会館で初めて ハープのマークのピアノ(STEINWAY)を見た。他は大概YAMAHAで、所沢のみKAWAIのKG10.フルコンだった。

 

凄いテクニックと正確無比な演奏…、友人は興味無かったみたいだったが、(店員さんに頼んで、次来る時に買いたいので(もし売れてしまったら)注文しておいて下さいとお願いし(…誰も買わなかったのでその現物を後日購入) その後で ショパンのポロネーズ集、そして18歳ショパンコンクール優勝時のピアノ協奏曲第1番ホ短調の3枚は レコードが傷だらけになる迄聴いた。

その後、シューベルトの さすらい人幻想曲。 生のコンサートは聞かず仕舞いだった。(当時は赤木屋かチェットビューローのプレイガイドに朝から並ばないとチェットが取れなかった(電話は会員) ホロビッツの初と2度の来日のチケットも新宿駅東口のチェットビューローに並んで手にいれた。 ポリーニは無理だった。アルゲリッチやアシュケナージはオケとの共演のチケットはプレイガイドで買えた。アルゲリッチ& 小澤征爾 新日本フィルも何回か聴いていたはず。アシュケナージは招聘元の会員になったので、チェットが取れて、一番聴いたと思う。

 

と言う事で ポリーニは レコードとFM放送、そして多分、YouTubeからが一番聴いていたと思う。

 

そんな中で、ポリーニも こんな情熱的な演奏も

ウィーンフィルとのベートーヴェンのLiveではするのだと感慨深く聴いたのがこの協奏曲でした。

 

youtubeから・・・、

 ポリーニと言えば…ファブリーニ調整のピアノ

 ハンブルク スタインウェイをイタリアのファブリーニの工房でカスタム調整されたものイタリアのコロッセオ(ホール)での演奏の様です。大理石の柱が印象的。

 

 ベートーヴェン ピアノソナタ24番 テレーゼ

 ムジークファラインでのソロ演奏です。ウィーン迄ファブリーニを持って行ったのでしょうか?

 

 日本公演でのポリーニ

 ベートーヴェンの後期3大ソナタの演奏会から、

この頃はファブリーニのピアノを持ち込みでは無かった様で、ホール備え付けのハンブルク スタインウェイから選んだのでしょうか? 日本のスタインウェイの響きが…します。

 

ポリーニ&アバドの 皇帝 YouTubeから

ローマのTV録画(白黒)でモノラル録音になりますが、若きポリーニとアバドの共演。テオドール スタインウェイ設計の旧型ハンブルク スタインウェイの比類無き音、他の追従を許さなかった、当時世界一のピアノと言われた その響きが記録されています!

 

 

 

 ポリーニ & アバド (こちはも若き日の)

若い音楽家等の為のコンサートで共演

ベートーベン  ピアノ協奏曲第四番

 映像、音に乱れも有りますが…、