バスクラリネット協奏曲 / Karel Reiner (カール・ライナー) | 国田健 -クラリネット・バスクラリネット覚え書き-

国田健 -クラリネット・バスクラリネット覚え書き-

オランダ在住のバスクラリネット奏者です。

ヒンデミットに続いてメシアンも「世の終わりのための四重奏曲」の中の「鳥たちの深淵」をホラーク氏に宛ててバスクラ用の改編を行っています。本来はそのことについて書こうと思っていたのですがホラーク氏の書き込みが入った楽譜が本棚に見当たらなかったので別の曲について書こうと思います。

(間違って捨ててないと良いのですが。。。。)

 

ということで今日はカール・ライナーのバスクラリネット協奏曲について書くことにしました。

これも例のごとくホラーク氏に捧げられた曲です。Wikipediaのカール・ライナーの記事には1965年に作曲されたとありますが、自分が持っている楽譜には1966年と記載があり、1966年が正しい、あるいは出版が1966年だったと推測できます。

 

 

あまり録音は残っていませんが、Youtubeに上がっているのを紹介します。

(第1楽章。6年ほど前に友人がロッテルダム音楽院のオーケストラと共演したときの録音です。)

 

ライナーは当時としてはかなり前衛的なスタイルで曲を書いていたようで、バリトンサックスの為の曲なども残しています。こちらも前々回触れたエレナ・ペトロヴァのように曲に当時の政治体制が反映されていて、分かりやすいメロディーや和音が多用されているわけではないですが、恐らくバスクラリネットの歴史上、かなり早い時代に書かれた協奏曲の1つという点で価値があるかと思います。(現在はバスクラリネット協奏曲もそこまで珍しくなくなってきていて嬉しい限りです)。またやはりホラーク氏の為に書かれたとあって高音域が多用されているのも見どころ・聴きどころの1つでしょうか。。

 

ちなみに楽譜を出版しているMusica Mundana社 / https://musica-mundana.com/は今もあるので問い合わせれば恐らく楽譜を入手できるかと思います。