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花畑団地見学交流会(2月11日)

花畑団地見学交流会


花畑団地見学交流会が2月1日に行われ、それに参加しました。
 今日、多くの日雇い派遣や期間従業員、外国人労働者が違法・無法な解雇や雇い止めにより職を失い、同時に住まいも失うという事態がマスコミにより大きく報道されています。
 厚生労働省は昨年12月、非正規従業員の雇い止めによる失業者が約8万5千人に上ると発表しましたが、「景気悪化」に歯止めがかからないことから、今年の3月には12万人にも及ぶのでは・・・と囁かれています。そのうち、住居喪失者は2000人あまりと云われていますが、実数はさらに多くの方が住む場所を失うことが予想されます。
 戦後からの日本における無策な住宅政策のつけがまわってきました。「持ち家」奨励・公共住宅の削減、障害者・高齢者。外国人、低所得者向けの住宅が圧倒的に少なく民間の高い家賃、制限の多い契約内容等の中でこれまでなんとか生活をして来ましたが、今や破綻をきたしています。
 派遣、日雇い、外国人労働者の解雇等により、多くの人が路上に放り出される事態が発生し、国土交通省は昨年12月に離職者の居住安定確保に向けた対策で都市再生機構(UR)賃貸住宅の空き家の活用を発表しました。しかし、対象物件は、都内では東久留米市のひばりが丘団地のみでそれもわずか9戸、神奈川県と埼玉県を合わせても合計45戸に過ぎません。これでは住まいを失う人への住宅確保(UR住宅の活用によるもの)には到底程遠いと言わざるを得ません。
  一方、東京都足立区には都市再生機構(UR)(旧公団住宅)が管理・運営する花畑団地という住宅団地があります。この花畑団地は東武伊勢崎線竹ノ塚駅からバスで約15分ほどの場所にあり、全部で80棟、約2700戸ある巨大団地です。ここはURにより10年前から建替え対象団地に指定され、以来新規入居者の募集が停止され、現在1000戸以上が空室で入居中の住宅も高齢者が圧倒的に多い状態です。いわば都会のなかの「限界集落」が生み出されています。計画では1千戸以上の住宅を壊し商業施設の誘致や民間への転売を計画しています。
 空き家の多いこの団地は、離職者の緊急使用住宅の対象外です。緊急で貸出すつもりはもうとう無いようです。しかし、これらの空室は、少し清掃さえすればすぐにでも住める部屋なのです。
 夜を寒空の下で過ごすことを余儀なくされる仲間が多くいる一方で、すぐそばにはすぐにでも入居可能な部屋が数多く残され、さらには十分使えるこの住宅を壊そうとしている。こうした無策・無謀による社会資本の不活用が許されていいわけがありません。人の生存がかかっている情勢において、こうした計画を全面的に見直し、空室に緊急一時的に入居させ、住まいの確保を行うことがが、なによりも優先されるべきです。
世帯主が70歳以上である世帯が半分以上という高齢者の多い花畑団地。この団地の地域コミュニティにとっても、若年層、若年世帯が多数入居することによりソーシャルミックスが達成され、コミュニティの活性化にもつながります。そして団地内の高齢者世帯を対象とした介護などの仕事の掘り起こしについても期待できます。<


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 そこでこの花畑団地の見学会と、住民の方たちとの交流会が2月1日に行われました。
 集会には100名以上の方が集まり、居住者の抱える問題と住まいの無い人たちとの共通の要求が合致する集会となりました。高齢化していく住民の方々の発言で「地域が寂れていく事の歯止めとして、空いている部屋に住んでもらいたい」という要望と、ネットカフェで寝泊りする若者や、シングルマザーの方の発言で「安定した住居を確保したい」という問題が一挙に解決すると思います。
 団地の公園に子供たちの声が聞かれるよう、地域の商店街がシャッターを開けて活気づくよう、空き部屋だらけで不安をもつ高齢者の世帯も、隣に住人が住むことにより助けあう機会がうまれ、地域社会がどんなに元気に再生できるか簡単にわかる事だとおもいます。
 しかしURや国土交通省は、この集会の妨害に終始する有様です。
いま、住まいの公的なセフティーネットが少なくて大きな社会問題となっている時に、このような、住まいの権利への侵害に対し反対する決議を行い集会は成功のうちに終了しまた。


世田谷の現場で近藤繁さんを悼む会(2月1日)

世田谷の現場で近藤繁さんを悼む会(2月1日)


 府中市是政で殺された野宿者「福岡正二さん」の追悼集会を行ったのは、昨年の7月でした。それから7ヶ月。今年の2月1日にまた野宿者の追悼集会を行うなんて、誰が思っていたでしょうか。正月2日世田谷区喜多見3丁目の東名高速道路高架下のフェンスに囲まれた中で寝ていた「近藤繁さん」が、暴行を受け殺されました。
 報道によると被疑者として捕まった人は、昨年6月国立市谷保の石田大橋下の多摩川河川敷にいた野宿者を襲撃した容疑としてずっと行動を見張られていたらしく、この1月2日も車と自転車で警察は行動を監視していた中で15分間見失った時に起きてしまったらしい。その時間は午後5時半ころ。ところが、別の報道では「同庁は当初、2日午後5時半過ぎの犯行とみていたが、…供述から2日午前1時前後に近藤さんを殺害し…」となっており、不明の点が多い中で捜査が行われている。(遺体発見は、110番通報で…という報道もあればこの見失った15分後に発見した…というものもある)被疑者はグループホームで生活している人で、軽度の「知的」障害を持っている。見失った15分について警察は謝罪を行っているが、捜査が冤罪にならないように注目をして行かなければならないと思う。
 世田谷区によると、区内にいる野宿者は80数名うち多摩川河川敷にいる野宿者は43名との調査報告がある。また毎月1回、巡回相談を行っているときく。しかし区側は近藤さんについては把握していなかったという。
 「近藤繁さんを悼む会」集会は北風の吹く中、山谷の仲間・渋谷・池袋の仲間・川崎の仲間など60名が参加して殺された現場で行われた。
 当日、犬を連れ追悼に参加された近所の方からは「近藤さんは、半年前から缶を集めてここの場所で生活をしていた。犬好きの人で散歩をして出会うと、よく声をかけてくれた。近くにもう一人野宿の方が暮らしていた。」という話しが聞けた。
 社会から排除され、隅に追いやられたものどうしが本当の意味で出会うことが出来ない。それどころか対決しあうような形でしか、残念ながら関係を持てない、歪んだ今日の社会構造は変えなければならない。誰もが生きていく権利があるはずなのに、国も社会も責任を負おうとはしない。野宿者は公共空間からどんどん追い出され、孤立化され分散化されている。
 今回の事件を受け「悼む会」として区に対し申し入れを準備していると聞く。また多摩川、東名高速、中央高速にそって多くの野宿者が生活しているはずだし、その仲間と出会っていくことが大きな課題として残されています。 世田谷――府中をつらぬく野宿者への支援活動に、関心のある方はご連絡をしてくだされば幸いです。

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近藤繁さん。あなたは正月早々1月2日に殺された。報道によれば、死因は頭蓋骨骨折などによる失血死という。頭に十数カ所の傷があり後頭部が陥没していた。うつぶせ状態で発見され着衣に乱れはなかった。橋げたの横にダンボールを敷いて寝袋に入っていたそうだ。司法解剖では両手には抵抗したような傷があったという。この両手の傷は、死ぬまいと、生きようとした証である。寝込みを襲われて、凍てつく寒さをしのぐ寝袋の中から腕を出し最後まで抵抗しようとしたのだろう。から、ほぼ真上から振り下ろされる鈍器に、地面10cm対峙したのだろう。なんという壮絶な最期か。

この殺害現場には、そろえた靴やポリ袋、ナップサックもあったそうだ。ここで野宿していたのだ。1.5mほどの高いフェンスで囲われている。簡単には入れない。だから近くに野宿者はいない。昨年から、道路の高架下で連続して高齢の野宿者が襲われ殺されてきた。今回も、襲撃の途中、誰も気づかず、誰も近くを通らなかったかもしれない。なぜ高架下に野宿者はいるのか――。
 この数年、野宿者の寝場所は大きく変わってきた。河川敷や都市公園など地域住民の目につく場所では撤去が繰り返されている。商店街の天井は冬季に開けられる。ベンチの屋根は取り払われる。こうして、わずかな場所を奪われた野宿者が姿を見せるのは、より深夜の時間帯になり、寝ないで夜通しさまよう人も多くなった。孤立した寝場所か、深夜もさまようか・・・非常に限られた選択肢から選ばざるを得ないのだ。
高架下に野宿する理由はいくつかある。1)雨をしのげる。2)他の野宿者があまりおらず、いても距離が離れる。3)地域住民が近づいてこない。しかし高架下の多くは、排気ガスによって空気が悪い場所であり、孤立している場所である。周囲の野宿者からも地域住民からも孤立している場所に、高齢の野宿者がたどり着き、定住する間もなく殺害されたのだ。

 近藤繁さん。あなたの人生が見えない。公表されているのは名前と年齢71歳だけだ。ご飯はどこで手に入れていたの?期限切れの弁当?アルミ缶集め?誰かにもらっていたの? どの町で生まれたの。どんな仕事をしてきたの。最後に暮らした町はどこ?この近く? いつ頃まで家にいたの。路上にでてきて10年?それとも間もない? 何に追われたの。借金の取り立て?家族との軋轢?・・・。

 襲撃・殺害に怒りと悲しみのない者の言葉が、他者に届くはずがない。私たちは怒りを隠さない。悲しみを吐露する。排除や襲撃は、人間を大切にしない社会と、生命をすり減らす冬の時代の象徴だ。世間から価値なき者として扱われ、居場所なく空間的に追われ、心理状態も含め若者や子どもと野宿者とが「近い」存在になっている。そしてささいなことで「やりあう関係」になってしまうことも、継続しエスカレートした襲撃が人を「死」に至らしめることもある。破壊されてきた人間相互の関係の復権を。その先に、若者、子ども、教育・福祉関係者、大人・・・1人1人が野宿者問題と向き合う時空が拓かれる。襲撃に対峙することは、ストレスの充満する子や若者と一緒にする“世直し”である。

記憶は武器である。そして記憶は執念となる。近藤繁さんを殺した状況よ、私たちはこのことを風化させない。胸に刻みつける。近藤繁さん、あなたを追悼するこの日から、私たちに何ができるかを考え、何かを生みだしたい。正解はない。ここに集まったすべての人が、地域や職場で悩みながら話すこと。その試行錯誤の時空を共有すること。うまく説明できなくてもいい、言葉にならなくてもいい、しかし決して目の前の「事件」から決して逃げない姿は、若者や子たちに何かを伝えるにちがいない。1人の生きてきた歴史と、痛ましく壮絶な死の記憶を、世の中を人間の体温の伝わる社会に変えてゆく一歩としたい。

          
          2009年2月1日
          「近藤繁さんを悼む会」実行委員会

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住まいの貧困

転載
なくそうハウジングプア! 安心できる住まいを!
住まいの貧困に取り組むネットワーク設立集会


「派 遣切り」、「ネットカフェ難民」、「ホームレス」・・・いま、暮らしの基盤である仕事と住まいを脅かされる人々が増え続けています。ワーキングプア(働く 貧困層)であるがゆえにハウジングプア(住まいの貧困)という問題に直面する。その背景には「官から民へ」の掛け声のもと、労働分野での規制緩和に加え、 住宅の分野でも公的な住宅が縮小され、人々の居住権を侵害する悪質な民間業者が野放しにされてきたことがあります。障害や高齢、外国籍であることなどによ る入居差別は跡を絶たず、少し家賃を滞納しただけで鍵を交換したり荷物を撤去したりする「追い出し屋」(「スマイルサービス」や家賃保証会社等)による被 害は拡大し続けています。

こうした「住まいの貧困」に対して、昨年秋以来、住宅問題や生活困窮者の支援に取り組む諸団体・個人が集まり、 準備会を重ねてきました。「派遣切り」の問題に対しても「雇用問題であると同時に住宅問題だ」という声をあげ続けています。そして、このたび「住まいの貧 困に取り組むネットワーク」として正式に発足することになりました。

集会では、「住まいの貧困」の全体像に迫り、住宅のセーフティネットを作り出すために何をすべきかを話し合います。「安心できる住まい」をすべての人の手に取り戻すための第一歩が、いま始まります!

ぜひ集会へのご参加、並びにご賛同をお願いいたします。

【日時】2009年3月14日(土)午後2時~5時30分(開場1時30分)

【場所】大久保地域センター4階 多目的ホール
PC: http://www.city.shinjuku.tokyo.jp/map/ookubo_toyama.htm
mobile:http://kosmile.lar.jp/blog5/2008/12/10/ookubo_toyama_b.gif
JR山手線「新大久保」駅下車、徒歩8分
地下鉄副都心線「東新宿」駅下車、徒歩5分
都営大江戸線「東新宿」駅下車、徒歩8分

【参加費】資料代カンパ500円(払える方のみ)

【第1部】「住まいの貧困」の現場から
「住まいの貧困」に直面している当事者の声:「派遣切り」被害者、「追い出し屋」被害者、シングルマザー、障害者、外国人、野宿者等の当事者発言を予定

【第2部】「住まいの貧困」にどう立ち向かうか
パネルディスカッション:徳武聡子(全国追い出し屋対策会議、司法書士)、小玉徹(大阪市立大学教授)、稲葉剛(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい)

全体質疑・討議

終了後、午後6時よりデモを予定しています!

【みなさまのご賛同をよろしくお願いします!!】
集会運営や今後の活動のためぜひご賛同をお願いいたします。個人1口、団体2口以上(1口:1000円)となります。
賛同費は当日の集会会場で受付か世話人へ直接お渡しください。
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【賛同申込】
お名前(個人・団体名):
肩書き(個人の場合):
賛同費:  口(口数をご記入ください。個人1口、団体2口以上(1口:1000円))
ご連絡先(非公開):
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主催:住まいの貧困に取り組むネットワーク
世話人:稲葉剛(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい)、坂庭国晴(国民の住まいを守る全国連絡会)、藤本龍介(スマイルサービス闘争を支援する会)