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第62集 「平和」「安全」で戦争する国へ

国連・憲法問題研究会報告第62集発行
「平和」「安全」で戦争する国へ
 永山茂樹 塚田晋一郎


安倍政権は集団自衛権行使のための戦争法案=「安保法案」を5月14日閣議決定。日本を「戦争する国」にする戦争法案の危険な内容について、永山茂樹さん(東海大学法科大学院教授・憲法学)、塚田晋一郎さん(NPO法人ピースデポ事務局長代行、集団的自衛権問題研究会研究員)が講演。B5版52頁。
2015年8月発行

○安倍政権の戦争法案 「平和」「安全」で戦争する国へ 永山茂樹
戦争法案の本質/機雷掃海の事例/「多国籍軍」の目的と現実/「後方支援」の事例/「撤退すれば安全」なのか?/戦争法案による「軍事化」/日本でも帰還兵問題!/改憲の「第4の矢」は国家緊急権

○戦争する「普通の国」へ? 安保法制を徹底解剖する 塚田晋一郎
「安全保障環境」とは/安倍政権の安保政策/歯止めにならない「新三要件」/安保法制の多層的違憲性/集団的自衛権の問題性/日米ガイドライン再改定/四つの「事態」/「武力行使との一体化」は確実/殺し殺される状況が起きる

○質疑応答 ○資料

◎定価1冊 500円
◎5冊以上購入 1冊当たり400円

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【第32回 全国地域・寄せ場交流会】

【第32回 全国地域・寄せ場交流会】


2015年は、久しぶりに東京で開催します。

東京の霞が関では、多くの憲法学者が憲法違反と指摘する戦争法案が衆院で可決されました。
安倍晋三政権は自民党一強を武器に、“現実的対応”を根拠として法律違反を犯して可決しようとしています。


民意を無視してゴリ押しする政府の姿勢は、辺野古基地建設においても川内原発再稼働においても一貫しています。


思い起こせば2年前。政府は「生活が苦しくなる」という訴えを蔑ろ にして保護費を減らし、生活保護制度を改悪しました。
今年は、「困窮者自立支援法」が4月から施行され、7月からは住宅扶助が削減されました。
今後、福祉事務所から引越しを強要される問題が起きるのではないかと危惧されています。

今年5月に川崎のドヤで起きた火災は、助けを呼ぶ声が響く、衝撃的 な映像がテレビやネットで流れました。


日本の住宅政策の貧しさの表れともいえるドヤですが、寄せ場のコミュニティ形成の一端を担ってきたのもまた事実です。


曲がりなりにもコミュニティが存在する寄せ場に住み続けたいのに、高齢や健康面の問題を理由に離れざるを得ない人たちも少なくありません。


社会保障費切り下げの流れの中で、現場はどうなっているのか? 私たちは何ができるのか?
1日目の全体会で、みんなで考えていきましょう。


東京への一極集中はとどまるところを知らず、再開発の波は絶えず押し寄せてきます。
2020年の東京オリンピックに向けて、開発の流れはさらに加速していくでしょう。

今年の寄せ場交流会の会場がある渋谷区では、グローバル企業のナイキが公園を商売の道具として利用するため、自治体が先頭となって野宿者を追い出しました。


そればかりかその後、野宿できないように公園を夜間・連休に閉鎖する暴挙にでています。
これに対して、渋谷区を相手どった国会賠償請求訴訟や 直接的抗議活動などの反撃が取り組まれています。
2日目は、のじれん(渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合)などに報告して頂きます。

このほか、1日目の夜にはテーマ別の分科会を行い、2日目にその発表の時間を設定しています。
安倍政権は、「積極的平和主義」を掲げ、戦争法案を通そうとしています。


安倍首相の積極的平和主義とは、国際的な経済力を保ち続けつつ同盟国との関係を強化していくこと。
平和の帰結が、戦争なのか。否。


「積極的平和」という概念を生み出したガルトゥング氏によれば、直接的な暴力がないだけではなく、
貧困・差別・格差など社会・制度に組み込まれた暴力がない状態をさすということです。


だとするなら、私たちが貧困の中で仲間と共に考え、自分の暮らしをつくり、社会のありようを変えようとしていくことこそ、積極的平和と言えるでしょう。
寄せ場交流会で、みんなの知恵を出し合い、全国の仲間と交流ましょう!


2015年第32回全国地域・寄せ場交流会実行委員会


日時:9月12日 (土)13:00~13日(日)12:00

場所:国立オリンピック記念青少年総合センター棟4階セミナーホー ル
    小田急線・参宮橋駅下車 徒歩7分
    地下鉄千代田線・代々木公園駅下車(代々木公園方面4番出 口) 徒歩10分


参加費:2日間通し 6000円  (食事代は含まず)
     内訳<12日参加費 2000円  13日参加費1000円   宿泊費3000円  >
   野宿当事者・生活困窮者の方は無料となります。

申し込先:〒116-0014 東京都荒川区東日暮里1-36-10 あうん 気付
       第32回全国地域・寄せ場交流会実行委員会
e-mail: yoseba201509@gmail.com


【報告】ここが間違いだ「安倍談話」 歴史認識を問う

講演会
ここが間違いだ「安倍談話」 歴史認識を問う
山田朗(明治大学教授・近現代史)

8月16日、山田朗さん(明治大学教授)を講師に国連・憲法問題研究会講演会「ここが間違いだ『安倍談話』 歴史認識を問う」を開講。

山田さんは講演で
「安倍談話にどういう文言を入れるのかいろいろ報道されていた。安倍首相の手法では入れることは入れるが、変なことを付け足したりして台無しにする。
第1次安倍政権の時の慰安婦問題政府答弁書の例がある。河野談話のとおりですと言っているだけなのに、余計なことを付けて、歴史修正主義に弾みをつけた。

安倍談話で『侵略』は1ヶ所しか出てこない。『事変、侵略、戦争』という言葉の並べ方は不思議。誰の侵略なのか。間接的な表現でしか出てこない。『侵略』『植民地支配』が一般論になっている。

談話で日露戦争がアジア・アフリカを勇気づけたとしている。
日露戦争の後に起こったことは、対外膨張の韓国併合と思想弾圧の大逆事件。一部だけを切り取って、アジア・アフリカを勇気づけたなどという評価は許されない。

日露戦争が起きたのは日英同盟があったから。
『悲惨な戦争』を招いた政策とは一体何か。膨張主義や軍事同盟。でも、軍事同盟には触れない。
日英同盟が日露戦争へ、三国同盟が太平洋戦争へつながった歴史から学ぶべき教訓は、軍事同盟の危険性。

安倍談話が歴史に関して直接述べているのは最初だけ。談話は戦後処理問題にほとんど触れてない。
若い人たちに『謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。』と言うが、謝罪だけが関わり方ではない。戦争に参加しなかった人も加わって、正常な形で戦争の後始末をしていくということが重要。

戦後処理は終わっていない。歴史についてアジアと話し合うのは楽ではないが。
次世代だから関係ないといってしまうのはだめ。歴史の教訓の対置を」

続いて、質疑応答が行われ、談話は、安保法案やTPPなど現在の政策遂行のために出された。談話はいろんなこと書いて正解ではないが部分点を狙う学生の試験解答のようだ。
談話はどうにでも読めるが、公式談話になった以上、今後さまざまな形で使われる。悪影響がないとは言えないとも。

講演要旨を新聞テオリア36号=2015年9月10日に掲載。
報告集も発行予定