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GTRを整備しまくる日記

BNR32・BCNR33・BNR34の整備を中心とした
日記です。

年間に数台見る事もあります。

症状としては、
・冷却水が減る速度が速い
・冷却水にオイルが混ざっている
等です。

冷却水リザーバータンク内がオイルで黒ずんでいるので
ご自分で確かめる事は可能です。


まずエンジンを下ろします。


ヘッドとブロックを分解
※とりあえずは確認をするだけなので、タービンやサージタンクは付いたままで
分離します。


ヘッドガスケットを剥がします


そして点検

赤丸内にクラックが入っています
ここが水とオイルが混ざる原因です。


こうなってしまうと、シリンダーブロックは使用できないので
ブロック交換になってしまいます。


出力の出しすぎや、水温管理が悪い場合にクラックが入りやすいですが、
稀にスポーツ走行はまるでやらないノーマルに近い車両でも見ることがあるので
運もあるかと思います。

ボルトやナットが錆びて外れない、焼きついて外れない。
酷いときは錆で形が変形してしまっている。

車両の年数が経って来ると良くある事ですが
作業時に出くわすと非常に困ります。

一度も取り外しされていない触媒の取り付けボルト、ナットは
高確率でこの状態になっています。
只のマフラー交換が大作業になる事も・・・

力任せに緩めると高確率で折れてしまいます、
折った後にドリルで穴を開け、ネジ山を作り直して止める方法。
穴を開けた後、ボルトナットで止める方法。
色々ありますが、出来るだけ折らないで外したいのが心情です。

なので色々と技を使います
※今回は触媒のナットを外します。

まずは錆びや焼き付きで硬くなって緩まない場合です

・最初にラスペネ等の潤滑スプレーを噴いて緩めてみます。
浸透するまでしばらく待ってからの方が良いです。


・駄目な場合は熱を加えます。
バーナー等で直接熱を加えてボルトナット自体を軟らかくして緩みやすくします、
この場合、温度が高いので普通の潤滑スプレーだと吹いた直後に燃えてしまうので
余り意味がありません。
なので、潤滑スプレーより熱に強いエンジンオイルを注してあげます。
低温の場合はエンジンオイルが硬いので、ネジに浸透しにくいですが
温度が高いと良く浸透してくれます。

私は携帯型のIHヒーターを持っているのでこれを使って加熱しています。
バーナーと違って、コイル内の物だけを加熱出来るので便利です。




緩めるときはインパクトレンチ等などで急激な力を掛けると、軟らかくなっているボルトが折れる可能性があるので、ハンドツールを使った方が良いです。
緩み始めたら緩めて、少し締めてを繰り返し様子を見ながら徐々に外していくと良いでしょう。
(内部で錆び等が食ってしまうとそれが元でロックしてしまいます、緩めて締めてを繰り返して異物をすり潰す感じです。)

 


・ここまでしても緩まない場合はナットの場合ナット自体を削って割る方法をとりますが
場所によっては折ってドリルで穴を開けてネジ山を作り直したほうが早かったりします。


今回は加熱+エンジンオイル浸透で外す事が出来ました。






せっかくなので、外したフィルターを分解して中身を確認してみました。

取り外したフィルターは約4万キロほど使用しています、
ちょっと早めの交換でした。










けっこう汚いですね。