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GTRを整備しまくる日記

BNR32・BCNR33・BNR34の整備を中心とした
日記です。

珍しいと思いますが、ご参考までに。

フロントのハブガタが大きいBNR32
作業的にはハブベアリング交換だけで終了なのですが
ハブをばらしていく過程でとんでもない物を発見しました。





ハブ本体(センター軸部)が割れています、  
過去500台以上はGTRに触れてきましたが
事故以外でハブが割れているのは初めて見ました。

この車両は大きいブレーキが入っていて、Sタイヤを履かせています。
通常よりハブに負荷が掛かるのは解りますが600馬力以上出ている車両でFSWを1000ラップしても割れたことがありません。

タイヤが外れなくて良かったと一安心です。



ハブは新品に交換です


今後の作業に生かしたいと思いました。


32のエアコンコンプレッサーは良く壊れます。

リビルトに交換して2年で電磁クラッチが壊れた、とかコンプレッサー本体からガス漏れしてるとか
本体がブローしたとか、色々です。


バブルの頃の車なので、余計な機能を付けた為
コンプレッサー本体の内部構造が33や34とは違います。

単純な構造の33、34コンプレッサーの方が壊れにくいですね。
しかも大きさが小さいので、少し軽量化できます。

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某所から32用の134a変換KITが出ていますが、
欲しいけど値段がちょっと高いので手が出せない・・・と言う方は多いかと
思います。

今回作業の32はコンプレッサーだけBCNR33用を使って134aにします。
この方法で半額以下で134a化することが出来ます。

※あちらはエアコンシステムをほぼ全部交換するので、
場合によって(フルでリフレッシュする場合)は良いかと思います。



必要部品は

・コンプレッサーはコアの返却が出来ないので、新品前期の33用コンプレッサー
・33前期用コンプレッサー配管2本
・コンプレッサープーリー径が違うので10mm短いエアコンベルト
・エアコンガス

コンプレッサーと配管取り外しの作業手順はちょっと省きます。

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32と33のコンプレッサーとでは、コンプレッサーに入る口の径が違うので
33用の配管が必要です。
何故、前期を使うかと言いますと、万が一壊れた場合リビルトの設定があります。
後期は何故かリビルト設定がありません。。。



作業ですが

①まずコンプレサーを交換
※ブラケットはそのまま使えます。

②低圧側(車両後ろ側に行く)配管は33用がそのまま取り付けできます。
 
高圧側(車両前側に行く)配管ですが、形が全然違うので、2個1に加工します。
私は32と33の配管を切って溶接して繋げる方法を取っています。
エアコンガス注入口の形が高圧、低圧で違ってしまうので、もし使用するゲージマニホールドがR12,134a兼用で無い場合はレトロフィット等を使って対応します。

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③配管を組んで、ベルトを取り付けてエアコンガスを入れて終了です。


これで最低限の作業で134a化することができます。

細かい事を言うとR12と134aでは圧力が違うので、制御的に少し問題があるのですが
これまでに何台も作業しましたが、問題が発生したことは無いので大丈夫だと思っています。

前回の続きです。


ハブ付きのナックルが外れたので、ナックルのみにします。
※裏側19mmのボルト4本とナット1個を外すとナックルのみ外れるので、ライニングなどはバラさなくて大丈夫です。
ハイキャスロッド取り付け部のボールジョイント裏側キャップも取り外します。
(この車両はブレーキ変わっているので、ブラケットも外しました)


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この先はプレスを使っての作業になります

・ボールジョイント取り外し

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・サスペンション取り付け部ブッシュ
ブッシュの取り付け方向があるので、取り外し前にマーキングしておいたほうが良いです。

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・アッパーアームフロント側

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・アッパーアームリヤ側

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全部抜けたので、新しいブッシュと並べて写真撮りました。

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この後は、同じくプレスで各ブッシュ、ボールジョイントを入れていきます。



圧入終わったら、逆の手順で組んでいって作業終了
アームとサスペンションは1G状態で締め付け
ハブのセンター(ドライブシャフトが入る穴)には次回外す事を考えて、焼き付き防止のためスレッドコンパウンドを塗っておきましょう。


※ちなみに、ハイキャスロッドエンドは右側のみカバーがしてあるのですが・・・
これは事故した時に、ボールジョイントが燃料タンクに刺さらないように付いているみたいですよ。