総理「信頼」「信頼」「信頼」、野党「裏金」「裏金」「裏金」
岸田総理が、施政方針演説で繰り返し唱えた言葉…
岸田総理
「“信頼”回復の第一歩として…」
「“信頼”回復に向けて…」
「“信頼”回復を果たして…」
「国民の“信頼”なくして政治の安定はありません」
「その“信頼”が揺らいでいる。自民党の政策集団の政治資金の問題で」
岸田総理は演説で、▼派閥は、お金と人事から完全に決別することや、▼政治資金規正法改正などの法整備を実施することで、「政治の信頼回復に向けて、私自身が先頭に立って、これから必ず実行してまいります」と訴えました。
しかし、野党からは激しい“ヤジ”が…
岸田総理
「(去年の)所信表明で、『経済、経済、経済』と申し上げました…」
野党のヤジ
「裏金!裏金!裏金!」
岸田総理
「今年、物価高を上回る所得を実現していきます。実現しなければなりません」
1年で使い切れなかった政策活動費は、課税対象になるが…
こうした中、野党4党は、裏金に関わった議員のリストを、国会に提出することを求めました。
一方、自民党の二階元幹事長や幹部を巡っては、“政策活動費”の多額の使い道が指摘されています。
政策活動費とは、政党から、政治家個人に直接渡される寄付金のことで、議員側は、使い道を、政治収支報告書に記載する必要はありません。
立憲民主党 階猛 衆院議員
「2022年の1年間だけで、自民党では党幹部15人に対し、14億円以上が支払われています。二階俊博 衆議院議員には、なんと(5年間で)50億円を超える政策活動費が渡されていた。使い道を全く明らかにしなくていいってのは、常識外れですよ」
立憲民主党 安住淳 国対委員長
「二階元幹事長への政策活動費が、約50億円ですから、1年で使い切りでない場合は、残った額は課税対象になりますから、そういうお金があったんではないかと疑いたくなる額なんで」
野党は、安倍派幹部や、二階氏の、政治倫理審査会の出席を求めました。
立憲民主党 安住淳 国対委員長
「最後は証人喚問まで、徹底してやらせていただきたいと思っております」
そして、自民党の政治資金パーティーを巡る裏金事件では、政治資金規正法違反の罪で略式起訴された谷川弥一 前衆議院議員に対して、罰金100万円、公民権停止3年の略式命令が出されました。
受け取った党幹部がどう使ったかはブラックボックス
news23ジャーナリスト 宮本晴代 記者:
政策活動費は、政党から議員、主に党幹部に渡される寄付のこと。
誰に渡したかについては、政党は、収支報告書に記載する義務があります。
しかし、それを受け取った党幹部が、誰に渡したか、あるいは何に使ったかということは記載する必要がない。表に使い道が出てこないお金になっています。
小説家 青山仁 氏:
この活動費には、税金も入っているんですか?
宮本 記者:
原資のひとつは、党の政治資金パーティー。あるいは、企業や団体からの献金。また、党員たちからの寄付であったり、会費のような形で集めたりということで、いろいろなお金が入っています。全部が税金というわけではないが、お金には色がないので、そのお金が、本当はどこから来たものなのかは、わからない。不透明な部分が非常に大きい。
小説家 青山仁 氏:
税金が入っている可能性があるってことですね。
藤森祥平キャスター:
今回の裏金問題で、派閥からキックバックを受けた議員たちの主な発言内容を見ていきます。
池田佳隆 被告(約4800万円不記載で起訴)
「党から派閥を経て支払われる政策活動費と認識」
萩生田光一 前政調会長(2728万円不記載)
「ノルマ超過分は、(政策)活動費として戻すとの話があった」
橋本聖子 元五輪担当相(2057万円不記載)
「派閥から、政策活動費としてもらっていた」
この政策活動費が、キックバックの隠れ蓑、あるいは裏金の温床になっていると指摘され続けています。
使い道は “選挙応援” “子分に分配” “他党の議員と会食”など
藤森キャスター:
以下は、収支報告書に記載されていることでわかったものです。
自民党の主な政策活動費(2022年)
▼茂木 幹事長 9億7150万円
▼渡辺 前経理局長 1億3250万円
▼遠藤 前総務会長 7100万円
▼麻生 副総裁 6000万円
総額14億円超
野党にも同じように政策活動費があります。
立憲民主党の主な政策活動費(2022年)
▼泉 代表 5000万円
▼西村 代表代行 5000万円
日本維新の会の主な政策活動費(2022年)
▼藤田 幹事長 5057万円
国民民主党の主な政策活動費(2022年)
▼榛葉 幹事長 6600万円
これらについて、使い道を公開する義務がない。しかも原則非課税。
宮本 記者:
使い道は自由で、誰も統計を取っていないので、何に使ってるのか、本当にブラックボックスになっている。
議員、秘書、永田町の関係者などに聞くと、主に、以下の使い道があると言われています。
▼選挙応援
選挙では、自分の秘書を、お手伝いとして派遣することがある。車を出すにも、ガソリン代などお金がかかる。
▼“子分”に分配
受け取っているのは、主に党幹部。党幹部は、自分の派閥を持っているわけで、その派閥に所属する議員、つまり“子分”に分配する。お金をもらった議員は、ありがとうございます、親分に一生ついて行きます…ではないですけど、そういった形で、自分の権力を拡大するためにも使えます。