ITCトレンダー・カワピーの気になるブログ‐ゲーム、PC、デジタル機器情報

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デザインなどクリエイティブな話題も多いですよ。

皆さん! メリークリスマス!



例年、これからクリスマス・イヴにかけて、街中によく流れるBGMにワムの「Last Christmas」があります。


人気の名曲ですから、多くのアーティストもカバーしています。


幾つかピックアップしてみました。


まず、Whamオリジナル




HIKAKINさん、SEIKINさんが参加























デイリー新潮の記事を紹介します。

この年末年始、欧米に海外旅行される日本人は痛感するでしょう。(日本は貧しい国になってしまったと)



円の下落で物価はさらに上がる

 最近は海外に行くたびに、自分は最貧国からやってきたと思わされる。


日本国内では円安といえば、円とドルのルートばかりが語られる。実際、1ドル157円(12月22日16時30分現在)とは、恐るべき円安ドル高だが、そもそもドル自体が現在下落基調で、2025年7月には、主要通貨に対するドルの総合的な強さを示すドル指数が、3年3カ月ぶりに安値をつけた。要は、そんな状況で円はドルに負けまくっているのである。


 円の弱さはユーロとの比較でさらに顕著で、現在、1ユーロは184円を超え、史上最高値を更新し続けている。筆者はヨーロッパ(とくにイタリア)との間を行き来しているが、自動販売機で500ミリリットルの水を買うと、1.2~1.6ユーロ程度する。ということは、1ユーロが100円程度で適正だと思うが、いまのレートでは、水1本220円から290円程度になってしまう。


水はまだマシかもしれない。ミラノの地下鉄の料金は2.20ユーロなので400円を超える。7.5ユーロのサンドイッチは1380円で、チェーンの和食屋で食べた鴨南蛮うどんは15.5ユーロだから2850円である。カジュアルな店で割安な15ユーロのパスタを食べても2800円近く、庶民的な人気店の定番のパスタは22ユーロで、4000円を超える。2~3キロ先までタクシーで移動して15ユーロ支払えば2800円近い。


 いま日本人が海外に行けば、こうして日本の比ではない強烈な物価高に直面するが、裏を返せば、海外から日本を訪れている観光客は、全方位的に激安の恩恵を受けていることになる。多くの外国人観光客は、この安さが魅力で日本を訪れていると思われ、日本の魅力が増したなどと勘違いしてはいけない。

 さて、円がこれほど安い状況で海外から物資を輸入することは、上に記したイタリアでの例のように、日本から見てべらぼうに高いものを買うということである。輸入せずに済めばいい。だが、日本は食料品の62%(カロリーベース)、エネルギー資源の90%を輸入に頼る、世界でも輸入依存度がきわめて高い国なので、国民の生活や国内の産業基盤を支える物資を、海外から買い続けざるをえない。


それなのに、10月4日の自民党総裁選で高市早苗氏が選ばれて以降、円はドルに対して10円、ユーロに対して13円も下落した。高市総理は12月17日の記者会見で、「内閣総理大臣に就任してからこれまで、国民の皆様が直面している物価高への対応を最優先に、果敢に働いてまいりました」と成果を強調した。しかし、自身が円安を招き、それを放置している以上、今後のさらなる物価高騰のタネをつくっていることにほかならない。

物価高の原因をつくっている高市政権

 輸入に依存するしかない日本では、物価高の要因の過半は円安にある。2022年以降、新型コロナに加え、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で、資源や農産物の価格が世界的に上昇したこともあるが、こうした条件は他国も変わらない。諸外国にくらべて日本が相対的に貧しくなっている原因は、ひとえに円安にある。

 現在の円安の起源は、2013年4月、第2次安倍晋三内閣がアベノミクスの柱としてはじめた大規模な金融緩和(異次元緩和)にある。これにより、そのころ1ドル80円前後だった円相場が急降下したが、いまに続く異常な水準は、2022年の春以降に訪れた。


コロナ禍後のインフレに対処するため、FRB(米連邦準備制度理事会)が急速に金利を引き上げ、その後も上げ続けた。主要国の中央銀行もFRBに呼応したが、日本だけはかたくなに金融緩和に固執し、金利を抑え込んだ。結果として、日米および日欧の金利差は急拡大し、世界の主要通貨のなかで円は独歩安の状態になった。


 円安の要因は1つではなく、複雑な事情がからみ合っているが、円金利がドルなどに対して低いほど、市場はより高い利回りの通貨を求めるので、円は売られやすい。日本銀行は2024年3月、11年続いた異次元緩和を終え、長短金利操作(YCC)などもやめて、「金利がある世界」へ戻した。とはいっても、日銀の利上げへの姿勢は慎重で、日米や日欧の金利差は事実上、ほとんど縮まっていない。 

 こうして日銀が後手に回っているうちに、日本の貿易収支が悪化したり、いわゆる「デジタル赤字」が膨らんだりして、円が売られやすい状況は拡大してしまった。


デジタル赤字とは、民間企業がデジタル化を進めたり、個人がユーチューブ、ネットフリックスなどのデジタルサービスを利用したりすると、それらの価格決定権も握るGAFAMなど海外企業への支払いが増え、赤字が膨らむという話である。デジタル関連収支の赤字は2024年に約6.7兆円に達し、今後も拡大の一途をたどるとみられている。新NISAによる海外資産投資なども、円安の要因のひとつとして指摘されている。


 そんな状況だから、日銀が2025年12月19日、政策金利を0.5%から0.75%に引き上げても、市場からは、むしろ利上げのペースが緩慢だと判断され、円安はさらに進んだ。もともと10月には0.75%になると見られていたが、日銀が金融緩和を指向する高市政権に配慮した結果、いったん据え置かれたようだ。実際、高市氏は自民党総裁に選出された直後の会見で、「金融政策の責任をもつのは政府だ」と発言した。こうした言葉も円安を招き、ひいては物価高の原因になっている。

円が反転しない理由

 円安が解消されないのは、高市総理がアベノミクス路線を継承する方針であることと切り離せない。そこで、アベノミクスの異次元緩和とは何だったのか考えてみたい。アベノミクスでは2%の物価上昇を目標に据え、それを上回る賃金上昇を目指すとされた。だが、一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏は『日銀の責任』(PHP新書)で、「私は、異次元緩和が本当に行おうとしたのは、以下のようなことではないかと考えている」とし、こう記す。


「1.国債の大量購入によって金利を引き下げる/2.金利引き下げによって、財政資金の調達を容易にする。さらに、外国との金利差を拡大し、円安を実現する/3.円安によって大企業の利益を増大させる/4.それによって株価を引き上げる」

 失敗と評価する向きが多いアベノミクスと異次元緩和だが、本来の目的がこれであったなら、おおむね達成されたことになる。また、アベノミクスの継承者を自認する高市氏も同じ方向をめざしているなら、2024年の総裁選期間中に「金利をいま上げるのはアホやと思う」と日銀を牽制した理由がわかる。総理として「責任ある積極財政」を標榜し、財政出動路線に舵を切った背景も理解できる。


 高市氏が自民党総裁に選出されると株価は急上昇する一方、円相場は急降下した。高市氏にすればねらい通りだろうが、繰り返すが、円安は高市総理が「最優先」に対応するという物価高に直結する。また、市場は高市氏の金融緩和と積極財政の指向を知っているから、黙っていても円は売られてしまう。


アベノミクスによって金利がなくなり、財政資金の調達が容易になると、国の借金は激増した。第2次安倍内閣が発足した2012年末に997兆円だったのが、2024年末時点で1323兆円にまで増えた。こうなると、金利が上がれば国債の償還費も増えるので、利上げがしにくい。そこで開き直って金融緩和を続け、ばらまきを続けて大企業の利益を増大させ、結果として賃金が上昇すれば景気は上向く、というのが高市政権の経済政策だと思われる。

 だが、それではいつまでたっても円安は解消しない。大企業は潤っても消費者は報われない。アメリカのベッセント財務長官にまで、日銀の低すぎる金利が円安の主因だと批判され、今回は日銀の利上げを許容した高市政権だが、姿勢は消極的だと思われる。それが市場に読まれているから、円は反転しない。

円高をめざすほかに道はないはず

 こうして円安が続くかぎり、日本経済は強くなれない。コロナ禍が終わると、それまでお金を使わずにいた人が、憂さを晴らすように消費する傾向が世界中で生じた。この「リベンジ消費」は当然、日本でも起きると思われたが、起きなかった。前述のように、主要国がみなインフレに対処すべく金利を大幅に上げたのに、日本だけは抑え込んだからである。その結果、円安が急激に進んで物価が高騰し、消費者は財布のひもを締めた。


その後、円安はいまなお進み、物価は上がり続けている。この状況が放置される間は、消費マインドが上向くことなどありえない。ひいては個人消費が増加して経済を牽引する状況など、生じようがない。

 しかも、金利が上がったといっても、物価上昇率には到底追いつかないから、私たちの預金は日々目減りしている。仮に現在、金利が1%としても、物価上昇率は3%に達しているので、その差のマイナス2%が実質金利ということになる。そこで株式や不動産への投機は盛んになるが、実体経済を反映しない不健全な投機といえる。

 それにしても、この状況を野党もマスメディアもほとんど批判しないのは、なぜなのか。日本の金利が低すぎたせいで円安が進んだことも、日本がこれ以上借金をすれば、円がもっと売られかねないことも、問題にされない。野党は財源不明の減税策で競い合い、メディアは金利が上がるといえば、住宅ローン金利が上昇する話に終始する。だれも本質を考えようとしないまま、日本は沈没しようとしている。


円安に誘導する経済政策によって、日本はここまでおかしくなった。為替のコントロールは簡単ではないが、経済政策によって一定程度は変えられる。いまは円高をめざす。それ以外に私たち消費者が救われ、日本が再生する道はないのではないだろうか。