花は桜木人は武士 | 家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。

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なれない環境でまさにパプアニューギニアに来ている感じです。
他のページで小説書いてます。
よかったら遊びに来てください。

https://ameblo.jp/yuki-matuda

みなさん、引きこもっていますか?

 

この先不安だらけで東京はまるで絶滅都市のようですね。

 

「なんかゲームみたい」妻はテレビを見ながら言った。

「どこがですか?」

「だって東京から出れないんでしょう?隣の神奈川とか千葉に行くにはどうしたらいいのかなって」

埼玉も名前挙げてやってください。

「電車に乗ればいけますよ。ロックダウンじゃないので」

「ええ?そうなの道路とか橋とか封鎖されてるんじゃないの?」

「いえ、まったく」

「百合子ちゃん何やってるのよ」

「だからテレビで散々言っているでしょう。日本はできないって・・・」

妻は毎日テレビを見てそれをすぐ実践しているくせに何を見ているのだろうか。

「知恵さん、手を1分以上洗えとか、マスクは内に畳んで捨てろとか詳しいのに

そういうのは気にしないんですか?」

「ちゃんと聞いているわよ。家に出るなっていうから出てないし、買い物も宅配だし・・・」うちの妻は結構な模範的国民である。

「旦那さん、東京を脱出するときは道路にバリケードとかあってそれをよじ登ったりしないと神奈川とかいけないのかなって思っていたのよ。」

「それ、ゾンビ映画の見すぎですね」

そんな会話をしながら二人で食事をしながらテレビを見ていると

沖縄には来るなとかゴルフの打ちっぱなしとかパチンコとかのニュースが流れてきた。

「ああ~何してるのこの人たち。ダメんなじゃないの?」

箸でテレビを指すんじゃない。

「まあ、行くところがないからでしょうかね。」

「大和くんなんて生まれた時から自粛してるもんね。大和君先取りだよ。かっこいい!!」この人は何をいっているのでしょうか。

「それと旦那さん!!」

語尾を強めた妻の声に思わずハイと咄嗟に返事をした。

「絶対行っちゃダメだからね」

「私ですか?行きませんよ。ゴルフも釣りもパチンコもやりませんから」

「それと旦那さん、絶対感染したらだめだからね。」

「・・・もちろん気をつけていますよ」みんなそうなんですけどね。

「コロナって猫にも感染るんだからね」

「そうなんですか?」

「そうなのよ。なぜか犬は感染らないらしいのよ」

「それ本当ですか?」

私は妻に疑いの眼差しを向けた。

「本当よ。ニュースで言っていたもん。」

妻の情報は全てテレビである。

「ね、大和君。大和君はちゃんと自粛しているのにうつされたら嫌よね~。」

外出する気持ち少し気持ちはわかります。あまりにも退屈なのでしょうね。

テレビは再放送ばかりだし、家にいても不安でしょうし、

ネットは政府に対して罵詈雑言の嵐。

「何か最近日本は口を開けば批判ばかりですね」

そう言いながら私はグラスをおいた。

「この先日本はどうなっちゃうんのかな」

妻にそう言われると私にも不安が押し寄せてくる。

 

「知恵さん、この先本当にどうなるかわかりませんがついてきてくれますか?」

何を急に私は不安に駆られているのだ?そんな気持ちも体の中には残っているのに口から発してしまった。

 

すると妻は大和と小町が寄り添って座っているところに行き、

二人を撫でながら私の方を向いた。

「そうね・・・今の私の前には道はひとつしかないからしかたないんじゃないの。

一緒に歩くしかないわね」そう言いながら大和と小町を撫で続けた。

みんなでくっついて歩こうね。大和と小町に言い聞かせているようだ。

 

男はダメですね。やはり女性は肝が座っている。

 

医療従事者の方本当に頑張ってください。

我々にできることは少しのことで騒がない、むやみに電話などをかけないことでしょうか。私には一体何ができるのでしょうか。日本人らしさを見つめ直しましょう。

とりあえず批判は後にしませんか?