不安も感染する | 家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。

なれない環境でまさにパプアニューギニアに来ている感じです。
他のページで小説書いてます。
よかったら遊びに来てください。

https://ameblo.jp/yuki-matuda

皆さん、自宅で何を考えていることでしょう。
自粛で不安な毎日かともいます。
私の家もご多分に漏れず同様です。

妻は時よりテレビを見てヒステリーを起こしています。
「なんでみんな買い占めするのかしら?」
私は独り言と思い、黙って聞き逃すと
鷹より鋭い視線を向けられてた。
「旦那さん、何黙っているのよ!!」
そうは言ってもなんて話せば良いのやら・・・。
「それはみんな助かりたいからでしょうか・・・」
「自分さえ良ければ良いの?」
「個人だけでなく、その背後には家族がいるからでしょうね」
「ん~~~~」
ようやく妻は黙った。
「それにあなただってスーパー行って買い物しようと出かけたんでしょう。同じ気持ちですよ。
みんな不安なんですよ。その行動です。」
「私も何か買わなきゃと思っていったけど・・・」
「結局気後れしてまた水だけ買ってきたんでしょう」
「うん・・・・。だっけ周りの人目がおっかなかったのよ。カップラーメンも売ってなかったし・・・」
「まあ、でも水だけで十分ですよ。出来ればその時ビールも買って頂ければ嬉しいですけどね」
私は笑ったが妻は笑わなかった。
「本当はね。トイレットペーパーなくなりそうなので買いにいったけどなかったのよ」
「それは残念でしたね」
「なんでそんなにトイレットペーパー買い占める必要があるの?」
「なくなると思ったからじゃないですか?」
「そんなにみんなうんこするの?みんなそんなに貯まっているの?」
「貯まっているのはストレス」
「じゃあなんで?」
しばらく、私は考えて答えた。
「大家族がおおいからでしょうか?」
「嘘!!!今少子化の時代なのに?」
「じゃあ、大食いが多いから」
「トイレばっかりいく?」
「そうですね・・・。」
「だいたいトイレットペーパーなんてなくたって生きていけるわよ」
キレイ好きな妻らしからぬ言葉に少々驚いた。
「あなた家のが切れたらどうするんですか?」
「旦那さん、トイレットペーパーがなかった時代はどうしていたの?」
「そうですね。私が知るところでは縄ですかね」
「縄?」
「そう縄でこすっていたようですよ」
「痛いじゃない。痔になったらどうするの?それに使った縄はどうするの?」
「洗って再利用じゃないですか?」
「ええ!!また使うの?切って捨てるんじゃないの?」
「たぶん再利用でしょうね」
「それで縄文時代っていうのね。SMなんかもそこからきたのかしら」
妻よ全てが間違っているぞ。
しかしめんどくさいので私は黙っていた。
そして妻は席を立ち、例底を開けグラス2つにお茶を注いだ。
「縄の前は何を使っていたのかしら?はい。」
そう言いながら私の前にグラスを置いた。
「その前ですと葉っぱとかですかね」
「葉っぱって植物の葉っぱ?」
「そうですよ。」
「葉っぱは良いわね。近くの公園で調達出来るし、エコだし」
「そうですか?」
「でも旦那さん、トイレに流しちゃダメですよ。詰まって修理代高くつくから」
妻よ、まさかこの機会にトイレットペーパーから公園の葉っぱに変えようと考えておるまいな。
「葉っぱは使いませんよ」私が笑うと妻は真顔で話を続けた。
「本当に詰まるから流さないでね」
流すか!!というか使うか!!


そして翌日、トイレに入ると大きなバケツが置かれていた。