父の中で私は小学生のままだった。
妹についてもまた、幼稚園児のままだった。
私のことが眩しくてしょうがないといった表情だった。
父のさみしかった気持ちに触れた。
話した言葉はあまり多くなかった。
お互い、あまりにも気持ちがいっぱいになっていたから。
子供は親からの情報が全てだから
私達姉妹は母親から聞かされていたことで
父親のことを酷い人だとして生きてきた。
そうではないことがわかった。
父の気持ちに気付くまで、30年もかかってしまったけれど。
ずいぶんとおじいさんになってしまっていたけれど。
今までに大きな病気を2度していたらしい。
10年前には脳腫瘍が見つかり、
去年の9月頃には大量の血を吐いたと言っていた。
でも、私が会ってみたいと思ったこのタイミングで
ピンピンしていてくれた。
きっと、やっぱり、全てのことはつながっているのだ。
私はだんなさんに「離婚したい」と言われてしまったことがきっかけで
自分と向き合うことになったけれど、
そのおかげでずいぶんと悲しい思いをしてきたけれど、
だからこそ父の気持ちを理解でき、
会うことができた。
今まで父との関係は
「ないものとしてきたけど、実はすごく引っかかっていたこと」
だったのだ。
それがボロッと外れた気がする。
私達姉妹は父にずっと愛されていた。
自分の間違った思い込みを疑うことができた。
勇気を出して一歩を踏み出せた。
勘違いだったことがわかった。
いつか父と妹と私で会ってみたい。
かわいい姪と甥を父に見せてあげたい。
私は、
だんなさんとの関係も、何か変わっていくのだろうか。