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休園急増に保育士・保護者ら 保育園 悲鳴

園児ストレス 検査少ない 国は無策

2022年1月30日【社会】

 新型コロナウイルス感染症の急拡大で、全国で保育園などの休園が相次いでいます。厚生労働省によると全面休園している保育園や認定こども園は20日時点で327カ所。対応を迫られる保育士や、子どもを見なくてはならない保護者からは悲鳴が上がっています。

 (新井水和)

 「2歳と4歳の子を見ながら働くのは無理です」。疲れた声で話すのはIT関係で働く東京都内在住の30代の女性。19日に子どもが通うクラスで陽性者が出ました。

 その日、「できるだけ早く迎えに来て」と保育園から連絡が。翌日からクラスは休園になり、テレワークに切り替えました。

 有給休暇をとることもできますが、同じように休園で出勤できない社員がおり「みんな休むと会社が回らなくなってしまう」と女性。午前9時から午後4時半はパソコンに向かいます。

 「夫も母もいますが、仕事や用事でどうしても1人で見なくてはいけない時があります。とっても嫌ですが、ネットやテレビに頼るしかないです」

 子どもは習い事や、外遊びもできずストレスがたまったり、生活リズムが崩れたりしています。女性は「国は早く、何らかの対策をしないとどこも回らなくなります」と言います。

対応あやふや

 首都圏のある公立保育園では今月下旬に陽性者が判明。保健所が機能しておらず、市の保育課と同園が相談し、5日間の全面休園を決めました。濃厚接触者の特定や検査はできていません。

 「保護者にしたら『情報も少なく休園になった』、保育士からしたら『自分も濃厚接触者かもしれないのに検査してもらえない』といった感じ」と同園で働く保育士は言います。

 昨年夏に感染者が出た際は、保健所が濃厚接触者を追い、該当者が検査を受けられ3日間の休園ですみました。

 保育士は「今回は何もかもあやふや。公立は民間と違い、独自で抗原検査キットを買うのが難しい。検査をバンバンやってほしい」と訴えます。

 同園は休園の間にも陽性者が判明。誰が感染しているかわからず、さらに4日間の全面休園の措置をとるなど現場は混乱しています。

人手不足拍車

 休園の影響は、働く保育士にも。東海地方のある認可保育園では、子育て中の保育士が多く、この2週間で5人が出勤できませんでした。

 「ただでさえ人手不足の中、休みを振り替えたり、勤務時間を変更したりするなど、協力してなんとかやっている」と話すのは同園の主任(58)。

 夜間保育もする同園では、午前7時から翌午前1時まで開園。「シフトの穴を埋めるために、朝出勤した後、帰宅し、夜にまた働くこともある。とくに園長は働きづめで、自分たちがやりたい子どものための保育ができません」と憤ります。

濃厚接触の疑いがある職員がいた際、園長や職員が駆け回り、ようやく検査キットを手に入れたこともありました。

 「『第5波』から時間があったのに、国はなぜこんな状態になる前に、食い止められなかったのか」と怒ります。保護者からは、午後10時を過ぎて登園するかどうかの相談などがくることも。「『働く親を支えたい』という思いがあるが、開園も本当に大変。どこの現場も一生懸命やっており、国はそれに応えてほしい」