「初対面で失礼します～怪しく特別な同居の始まり！」。
●「家族」テーマにした一つの御伽噺として
昨年、紹介できなかった映画が多いのですが、とりあえず新年にふさわしい正月映画風の心温まる家族愛感動作『まんまと引っかけた彼女（감쪽같은 그녀）』（ホ・インム監督）をご紹介します！ヾ(≧∇≦)〃♪
「감쪽같은」というのは、疑いをいっさい持たずに「まんまと引っかかった」という時に使う言葉で、これは主人公のハルモニ「マルスン」と女の子「コンジュ」がやる遊びから由来します。二人で交互に自分が隠していた秘密を暴露して、「まんまと引っかかったでしょ」といい、でも相手がそれにすでに気づいていたら負けというゲームです。
物語の出発は、一人で暮らしていたハルモニのもとに、その昔、歌手になる夢を追いかけて一人家を出たまま帰らなくなっていた娘のその娘が訪ねてきます。まだ小学生の孫娘はまだ赤ん坊の妹を背負い、しかも手には母親の骨壷を抱えていました。孫娘の名前は「コンジュ（姫）」、妹の名前は「チンジュ（真珠）」。そうして、ハルモニと孫二人の新しい生活が始まります。
このシチュエーションを見ても分かるように、この話は涙腺刺激のための総合贈答セットのお涙頂戴ドラマだということです。まずこの冒頭の状況だけで、早めにそれを悟って、こちらも「まんまと」その涙のストーリーに騙されていく（？）ことを決めなければ、せっかくの感動が嘘くさいものになってしまいます。
間もなくその妹は白血病に掛かり、さらにはハルモニが認知症にかかります。ハルモニも孫娘も、互いに相手を思いやる心は、それはそれは胸が痛くなるほどです。しかし、認知症によってハルモニの性格は豹変し、貧しくても楽しかった暮らしは地獄のような日々に変わります。「チンジュ」は米国の専門病院で治療すれば助かる可能性も高いのですが、お金がありません。病院の医師夫婦は子供を亡くしていて、その子供と「チンジュ」が似ているということで、養女にして治療をさせてあげたいと願い出ます。
このようにして、話はまさに『小公女』のように悲劇の材料に満ち溢れ、『シンデレラ』のように御伽噺的展開に満ちています。「コンジュ」が学校で「家族」をテーマに、ある御伽噺を作って発表する場面があるのですが、まさにその寓話のように話全体が展開していくわけです。
●『新感染』のスアンちゃんの演技がすごい！
しかし、それにもかかわらず、その場面場面が本当に感動なのです。そこには何よりも「マルスン」役のナ・ムニさんの演技力と、「コンジュ」役のキム・スアンちゃんの演技力があります。ナ・ムニさんの演技力はすでに知られているものですが、このスアンちゃんの演技力は年々成長に従ってどんどん真価が表れている最中であり、今回も度肝を抜かれました。2016年の『新感染 ファイナル・エクスプレス』のあの女の子ですよね。2017年の『神と共に』の1に出てきた、あのコミカルでわがままな神様です。
それらの話が全編バリバリの釜山方言でなされるのですが、ちょっと訛り方の程度がやりすぎの感もありながらも、それ自体がまさに寓話的な話の色をますます輝かせていたということで、本当に味わい深くてよかったと思います。個人的にスアンちゃんのファンにならざるを得なかったし、「コンジュ」の心を思うだけで胸が痛くならざるを得ないです。さらに、彼女がラストで成長した大人になった時に「少女時代」のスヨンちゃんになったことまで含めて、『シンデレラ』の御伽噺のようでした。(*´ヮ`)/
とにかく最初に、これがお涙総合贈答セットなのだと知って、受け取りの判子を押してから見始めることです。そうしたら、それこそ「まんまと騙されて」、もはやこれ以上の家族愛感動作もないだろうと思います。特に認知症になって、最もいってはいけない一番ひどいことを孫娘に浴びせかけるシーン、孫娘の腕に噛み付くシーン、炊飯釜のご飯をむさぼり食べ尽くすシーン、そのような絵に描いたようなすべての不幸に耐えて、しかしもっと大きな決断をする「コンジュ」。最後はすべてが愛であったという、まさに愛の御伽噺であり、昨年最も温かい涙を流した映画としておススメです！♪ヽ(´▽｀)/
【あらすじ】 満71歳で一人暮らしを楽しんでいたマルスンのところに、まったく見たことも聞いたこともない、マルスンの孫だと名乗る満12歳の少女コンジュと、その妹の生まれたばかりの赤ちゃんチンジュが現れるのだが…。
映画『まんまと引っかけた彼女（감쪽같은 그녀）』（ホ・インム監督）予告編。
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