■今年心に最も強く刻印されて忘れられない『罪深い少女』! | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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「お前がそのようにしたのだ」

 

 

年末を迎えてとても悩み深いのが、いったい私の「今年の映画」を何にするかということですね。一応メジャー作の『魔女(마녀)』(パク・フンジョン監督)が個人的に一番面白かった作品であるのは間違いがないのですが、10月に観たインディーズ作の『罪深い少女(죄 많은 소녀)』(キム・ウィソク監督)が、その圧倒的存在感とインパクトによって、今年一番の衝撃作だったためです。(((°`∇´°;)))

 

ということで、いちおう、メジャー作の「今年の映画」とインディーズ作の「今年の映画」ということにしようかと思いますが、その私を悩ませるインディーズ作の「今年の映画」、『罪深い少女』をご紹介します。第22回釜山国際映画祭ニューカレンツ賞受賞、第51回シッチェス映画祭招請など、国内外の映画祭を通じて認められ、主演のチョン・ヨビンさんはこの作品で、釜山国際映画祭の「今年の俳優」賞、ソウル独立映画祭の独立スター賞を受賞しています。

 

主人公のヨンヒは女子高の生徒ですが、級友の成績優秀なキョンミンが失踪した夜に、最後に一緒にいた生徒として、周囲から彼女がキョンミンに何かしたのではないかという疑いを受けます。友達、先生、キョンミンの母、警察…、誰もが見たいものだけを見て、見たくないものを見ない人々の中で、取り残されていくヨンヒの心があまりにも痛ましく、この罪深い世に生きていく子供たちの、死よりもつらい身もだえの生が衝撃的映像の連続の中で描き出されていきます。それはまさに誰もが心の底に抱えた思春期の古傷の生々しい鮮血のほとばしりのようでした。

 

何が起こったのかと目を見張らざるを得ないオープニングシーンから始まって、その主人公ヨンヒに襲い掛かる鋭い剃刀のような現実の痛みがリアルで、このどこが映画なのか、どこが演技なのか、分からなくなるほどです。こんな作品を、ベテラン俳優のソ・ヨンハさんはまだしも、高校生役のチョン・ヨビンさんが演じ抜いていることに震えるような衝撃を受けました。本当にすごい。どんなホラーよりも、現実の「世界」を生きる怖さとその底知れない闇を、すごみのある刺激的シーンの繰り返しの中に伝えてきます。

 

今作がキム・ウィソク監督の監督デビュー作だということですが、まさに恐ろしい表現力の恐ろしい監督です。さらにいうと、主役のチョン・ヨビンさんの戦慄の主演デビュー作なわけですが、彼女の演技は、まさに演技というよりも、神がかった真実の痛みそのままのようです。

 

これはおそらく、インディーズ映画からしか出てこないであろう10年に一度の名作であると思います。ちょうど10年前に制作され、2009年の初めに観た『息もできない(똥파리)』(ヤン・イクチュン監督)が思い出されます。今は観て2ヵ月にもなるのだけれど、何度思い出しても「すごかった」という言葉しか出てきません。最初から最後まで一瞬も揺らぐことがなく持続される緊張感によって、今年、心に最も強く刻印され、忘れたくても忘れられない作品となったということができます。

 

ということで、ずらずらと無駄な言葉を連ねましたが、本当に百聞は一見にしかずの作品としてお勧めです!(>_<)

 

 

【あらすじ】 友達が消え、皆が私を疑う。同じクラスの友達キョンミンの突然の失踪で最後まで共にいたヨンヒは加害者として目をつけられる。娘の失踪理由を知らなければならないキョンミンの母、事件の真実を明らかにしなければならない刑事、友の真実を隠さなければならないハンソル、状況を早く整理したい担任教師まで。周囲のすべての人々がヨンヒを疑う。罪深き少女となったヨンヒは潔白を証明しなければならないが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画『罪深き少女(죄 많은 소녀)』(キム・ウィソク監督)予告編。

 

 

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