■故ヨンウンちゃんの最期の言葉にみる「孝」の世界 | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。


韓国人の父、日本人の母を持つ故キム・ヨンウンちゃんの声を伝える昨日のニュースです。


もう旅客船沈没事故に関する報告は終わりにしようと思っていたのですが、昨日、入ってきた驚くべきニュースのために、やはりこれは紹介しておかなければという気になりました。JTBCが報じた昨日のニュースを、下に全文日本語訳してみました。


犠牲になった高校生の中で唯一、日本人のお母さんを持つキム・ヨンウンちゃんの最期の声が、友達の携帯に録音されていて、事故から40日が経った今、無事に父母のもとに届けられた、というニュースです。


特に、私たち日本人の感覚からは驚くことに、高校生のヨンウンちゃんの死を前にした最期の言葉は、自らの親に繰り返し「ごめんなさい」と謝り、そして「愛してる」と伝えるものでした。


「ごめんなさい」という言葉が本当にこらえ切れずに起こって、それを伝えずにはいられずに録音する子供の心情の背後には、まさに韓国的な「孝」の世界を感じざるを得ません。


すなわち、自分自身が死ぬ恐怖や悲しみ以上に、自分が先に逝ってしまうことによるお父さん、お母さんの悲しみのほうを心配して、「もっと親孝行したかったのに」と訴える言葉です。


あまりにもつらい言葉ですが、まさにこれは韓国の「孝道」という世界が、ヨンウンちゃんの中に生きていることを表しています。韓国人の多くの人生は、親への孝行を目的とするといっても過言ではないですが、そのような健気な世界と共に、また、その後の「祈祷しよう、祈祷しよう」という友達の声にも、韓国に根付いたキリスト教の真摯な世界を感じさせます。


もちろん、そのような、ただひとすじの少女の心に対して、私たち大人は皆、胸が張り裂けそうになり、「何がすまないなのか、悪いのは大人たちであり、あなたではなかったのに」という無念の思いが、今や届けることかなわぬ無限の言葉として、あとからあとからわき上がってこざるを得ません。しかし、それと同時に同じ日本人の親の一人として、彼女の言葉から私は深い感動を受けざるを得ません。


その後のインタビューによるヨンウンちゃんのお父さんの言葉も、実に胸に詰まります。「娘を17年間、わきに抱えて暮らした」という言葉、そして、「娘は引っ越しをしただけなので、自分たちも後から行って会う時のためにもっと頑張って生きなければならない」という言葉…。まさにこの父母の愛にしてこの娘の孝なのだろうということを、衝撃的に受け止めざるを得ませんでした。



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■「友達の携帯に…」埋もれかねなかった最期の挨拶、学父兄たちが主人捜し



故・キム・ヨンウンちゃんの最期の挨拶は、父母に永久に伝達され得ないところでした。友達のパク・イェスルちゃんの携帯を借りて残したからです。


この声を見つけたイェスルちゃんの家族は、必ずや主人を捜してあげなければと立ち上がり、学父兄たちが一緒に助け、ヨンウンちゃんであるという事実を明らかにしました。


私どもが彭木港で初めて故・パク・スヒョン君の映像メッセージをお伝えしたのが4月27日でした。今日が5月27日。ちょうど1ヵ月ぶりに生徒たちの最後の挨拶をお伝えすることになりました。まさにヨンウンちゃんの声を捜し出した学父兄たちの助けのおかげでもあります。


ハン・ユンジ記者の報道です。


【記者】故パク・イェスルちゃんの電話から発見された声の主人はイェスルちゃんではありませんでした。


【オンマ!オンマ、ごめんなさい!アッパも!あまりにも申し訳なくて…。オンマ、本当にごめんなさい!そして、愛してる、本当に!】


【故パク・イェスルちゃんの妹: お姉さんの声ではないです。(誰の声かは分かりませんか?)はい。お姉さんの声はあれよりもっと澄んでいるといったらいいか…】


この時、イェスルちゃんの声が小さく聞こえます。


【祈祷しよう、祈祷しよう、祈祷しよう】


【故パク・イェスルちゃんの妹: 「祈祷しよう、祈祷しよう」、それがお姉さんの声のようです】


このように声の主人捜しが始まり、20人近い学父兄らが自分のことのように乗り出しました。


結局、日本人のお母さんと韓国人のお父さんを捜し出しました。


【キム・ジョンホ(故・キム・ヨンウンちゃん父): 分かりますよ。私は17年間、(娘を)わきに抱えて暮らしたんですから。家に来ればわきに抱えて暮らしました。(娘に)間違いありません】


【ナカジマ・ヤヨイ(故・キム・ヨンウンちゃん母):ヨンウンならこんな言葉をいいそうです。オンマ、ごめんなさいとか、アッパ、愛してるとか】


意図しない贈り物を受け取った父母は、ヨンウンは永久にいなくなったのではなく、引っ越しをしたのだ、と信じています。


【キム・ジョンホ(故・キム・ヨンウンちゃん父): これから残った子供たちと共に、いっそう一生懸命に生かなきゃならないです。それでこそ、引っ越ししたこいつと会うのにいいですからね】


過ちを犯したのは大人たちなのに、かえって「ごめんなさい」というヨンウンちゃんの言葉は、私たち皆の心を涙させます。


【オンマ!オンマ、ごめんなさい!アッパも!あまりにも申し訳なくて…。オンマ、本当にごめんなさい!そして、愛してる、本当に!】



[原典] '친구 폰에…' 묻힐 뻔한 마지막 인사, 학부모들이 주인 찾아



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