■全国で弔問の列が途切れない「勤労者の日」 | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。

5/1「勤労者の日」を迎えて、全国各地の焼香所に市民の列が続いている。写真は安山市。


●「日本国民の心を伝えてくれた」


今日は韓国も「勤労者の日」で、勤め人の多くが休日でしたが、全国に設置された焼香所には弔問客が途切れることなく訪れ、その数は合計で40万人を超えたとのことでした。特に犠牲者の高校があり、生徒156人、教師4人、一般犠牲者18人の写真が並ぶ安山市の焼香所には、累計で24万3千人が訪れたとのことです。


韓国では一昨日、遺族代表が記者会見を行い、政府に真相究明と積極的行動を要求、悲しむ国民に対しても、家族を守り切れなかった無能な遺族にこれ以上謝罪の言葉をいわないでほしい、としながら、募金についても、遺族の意思ではなく国民に申し訳ないので、全額を奨学金として寄託したいと発表しています。


いっぽうでは、日本からの哀悼についても韓国の国民の励みとして多く報道され、4/28には、安倍首相はじめ菅義偉官房長官、岸田文雄外相らが東京の民団中央本部を訪れて、セウォル号沈没事故犠牲者に哀悼の意を表明したことを受けて、政府外交部・趙泰永報道官が、謝意を示すとともに、「犠牲者や遺族と悲しみを分かち合おうという日本国民の心を伝えてくれた」としています。


昨日はさらに、民主党の海江田万里代表、公明党の山口那津男代表、共産党の志位和夫委員長、日韓議員連盟会長の自民党の額賀福志郎元財務相、谷垣禎一法相、さらにケネディ駐日大使や中国の程永華駐日大使らも献花に訪れたと報道されて励みとなっています。



●「今や私たちが感謝伝えるべき」


また、今日の『朝鮮日報』スポーツ版には、「日本、セウォル号哀悼同参の波、韓国の大地震後援忘れていなかった」と題する記事が載っていました。


記事は、まず、昨年7/30のソウルでのサッカー日韓戦で、両国サポーターが国粋的表現で応援対決をするいっぽう、日本側には東日本震災への韓国の支援に、「支援に感謝します。日本は希望を抱いて前進しています」として、赤い腕と青い腕の握手の絵、赤い折鶴の絵があったと紹介。


さらに、今も4/26はJリーグJ2京都対愛媛の試合で両チームの選手、スタッフ全員が追悼の喪章をつけてくれ、4/29にはJ1サガン対広島の試合で「旅客船事故募金」が行われて12万9千円(約130万ウォン)が集められたとして、「今や私たちが『支援に感謝します。韓国は希望を抱いて前進しています』と伝えるべきではないか」と結ばれています。またこの記事に対するコメントも、「130万ウォンという金額の多い少ないではなく、とてもありがたい」という言葉が見られます。



●またゼロから改革に着手すべき時


韓国は、まさに20年前の1990年代前半の数年間に、今回のような安全事故が多発して、一度国家的に反省がなされていたわけですが、今回、「海洋マフィア」と名づけられた利権癒着構造の中にその当時と変わらない状態が残っていたし、他にも充分そのようなことがあり得るということが分かりました。


この間、韓国は日本の3倍の速度で無理な経済復興を果たしたわけですが、そのつけとして、一部に旧態依然たるシステムがのうのうと生き残っていたことが明らかになり、もう一度、一流国を目指してまたゼロから改革に着手すべきことを、あまりにも大きな犠牲を払いながら、気づいたところだといえます。


実は、一昨日はたまたま、ソウル中区区庁公務員150人に、日韓の文化について2時間講義する機会があったのですが、いつになく近代化の違いの説明に力が入ってしまいました。日本のルールやマニュアルを絶対視する近代合理主義と、韓国の愛や情を重んじるキリスト教人道主義は互いに学び合うべきものだという説明に皆、真摯に耳を傾けていました。



江原道の江陵嶺東大学の焼香所に市民の列が続いている。



ソウルの西大門区合同焼香所。



忠清北道の道庁合同焼香所。



京畿道儀旺市の合同焼香所。



済州島西帰浦の合同焼香所。



黄色いリボンを結ぶキャンペーンに参加する生徒たち。高校生は現在試験期間。



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