本日紹介する薬はケイセントラ™静注用でワルファリンに代表されるビタミンK拮抗薬投与中患者における急性重篤出血時に用いられる薬です。
血液凝固因子のうち、4種類のビタミンK依存性血液凝固因子(第2、第7、第9および第10因子)とビタミンK依存性血液凝固阻止因子(プロテインC、プロテインS)の濃縮物からなる乾燥濃縮人プロトロンビン複合体の静注用の血液分画製剤です(インタビューフォーム参照)
作用機序
血液凝固第II、第VII、第IX及び第X因子は肝臓でビタミンKの存在下で生合成される血液凝固因子です。 本剤は、ビタミンK拮抗薬の投与により減少したこれらの因子を補充することにより出血傾向を抑制します。(添付文書参照)
臨床試験
ビタミンK拮抗薬投与中に急性重篤出血を呈した患者に、本剤25~50IU/kg又は血漿10~15mL/kgを投与しました。 その結果、止血効果が有効とされた割合は本剤群72.4%(98例)で血漿群が65.4%(104例)と統計学的にほぼ同じ結果を示しました(非劣性限界値:-10%)。 (添付文書参照)
副作用
海外での第3相臨床試験では、8.5%に副作用が認められています。
主な副作用としては虚血性脳卒中、PT-INR増加、深部静脈血栓症、四肢静脈血栓症、頭痛(各0.9%)があります。
重大な副作用には血栓塞栓症、ショック、アナフィラキシー、播種性血管内凝固(DIC)が報告されています。 (添付文書参照)
最後に
本日紹介したケイセントラ™静注用も1996年にドイツで認可されて以来世界中で使われてきた薬ですが、今回の発売まで日本では未承認の医薬品でした。
海外では普通に使われている薬なのに・・・・・・・・?
という疑問点が医療現場と厚労省の取り組みにより次々と改善されているのは素晴らしいと思います。