ライブ当日、未解決の諸問題と謎の老人。 | きよっさんのAC/DC海外遠征記Z

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世界最強のロックバンド我らがAC/DCのライブを主に海外各地へ観に行った際の旅行記その他です。

ちょっと間が空きましたが今回からライブ当日の様子を書いていきます。ほな。

 

 

 

ブラチスラヴァ滞在3日目となる7月21日、待ちに待ったAC/DCの公演日です。しかし僕は、ライブ当日にも関わらず依然として未解決の問題を二つ抱えたままでいました。


その問題とは何かというと、まずはライブ会場での支払いに関してです。チケット販売会社から事前に届いたメールによると会場での飲食やグッズその他諸々の支払いは全てキャッシュレスらしく、もちろんそれだけなら特に不都合はありません。

 

困ったのは具体的な決済手段についてでして、そのメールではクレジットカード等の利用可否については全く触れられておらず、唯一「NFCtron」というおそらく現地のプリペイド型キャッシュレス決済サービスらしきものだけが会場での決済手段として言及されていて、その利用のために専用アプリを入手するよう求められていました。

 

しかしいざそれをスマホに入れようとすると「お住まいの国・地域ではこのアプリは利用できません。」の表示が出てしまい、次に自分のiPhoneの登録国の設定を変えようと試みると今度は「設定変更には利用中のサブスクリプション・サービスをキャンセルする必要があります。」と表示され、いずれにしてもそれ以上先に進むことができずにいたのです。

 

結局ライブ当日になってもその専用アプリを入手できておらず、また前述のようにクレカの利用可否も不明のため、果たして自分がライブ会場で有効な決済手段を確保することができるのかどうかが全くわからない、これが一つ目の問題でした。

 

次に二つ目の問題ですが、AC/DCライブ会場までの臨時列車の切符の購入方法がわからないということです。いや、正確にいうと一切わからないというわけではありません。前日にホテルのフロント・スタッフからもらった資料によると、とりあえず「Ticketportal」というおそらく現地のチケット販売業者のサイトからWEB購入はできるようでした。

 

しかしそれ以外の切符の購入方法については何も触れられていないため、例えば乗車前にその駅で直接購入できるかどうかなどはその資料だけでは全くわかりません。

 

なのでとりあえずその「Ticketportal」のサイトにアクセスしてみたのですが、なんとスロバキア語にしか対応しておらず英語が全く使えませんでした。当然僕はスロバキア語などわかるはずがないので、ならばと「AC/DC」やその他関係ありそうな語句で検索をかけてみても会場までの鉄道切符らしきものは全くヒットすることはなく、結局切符は買えずじまいでした。

 

以上のような問題を抱えて迎えたライブ当日ということで、僕は起床してしばらくはそれらの解決方法を模索し続けました。しかしある時にこのまま部屋で一人悩むよりは実際に駅なり会場なりに到着してそこでスタッフに相談した方が遥かに話は早いだろうとの結論に達し、それからは部屋でだらだらゆっくり過ごした後、昼過ぎになりいい時間になるとついに元気にホテルを出発。徒歩でブラチスラヴァ中央駅へと向かったのでした。

 

 

 

ブラチスラヴァ中央駅。そんなに大きくはない。

 

 

 

駅に着くと切符売り場がいくつもあり、まずはそのうちの一つに並んてみることに。しかし「AC/DCライブ会場へのシャトル列車の切符売り場はここではありません。あっちです。」という内容の貼り紙が目に入ったので、すぐに並ぶのをやめてその「あっち」へ行ってみました。しかしどこにもそのようなAC/DCライブ会場までの切符売り場は見当たりません。

 

仕方がないので周りのAC/DCファンらしき人たちに聞き続けると「外だよ。」とのこと。しかし指差してくれたのは駅舎の外ではなくプラットホームの方向だったのでそちらへ向かいました。余談ながらスロバキアもウィーン同様に「信用乗車方式」のようで、ホームへ入るのに改札はありません。

 

しかしホームに来ても臨時の切符売り場のようなものは見当たらず。。。ここでも再度何人かのAC/DCファンに聞いてみると、どうやら売り場のようなものが設置されているわけではなく、専用のスタッフがいるからそこに行けばいいらしいということが判明。そしてすぐに切符担当のスタッフ2人組を発見し、早速彼らに切符の購入について尋ねたところ意外な回答が。。。

 

彼らはAC/DC臨時列車の切符に関するスタッフではあるものの、ただ単に乗客の切符のチェックを行なっているだけで、彼らが乗客に直接切符を販売しているわけではないとのこと。そして切符を入手するにはこちらが自分自身のスマホで「Ticketportal」のサイトにアクセスしてそこから自力で購入するしかないとのことでした。あのスロバキア語にしか対応していないサイトに再びアクセスしなければならないのです。いやいや、それができれば苦労しないのよ。。。

 

しかし僕がスロバキア語などチンプンカンプンな外国人であることを察してくれたのか、幸いなことにそのスタッフ2人組がつきっきりでとても親切に僕のiPhone操作を補助してくれたおかげで、あのスロバキア語だけのサイトからなんとか無事にAC/DCライブ会場への臨時列車の切符購入に成功!!ちなみに切符はペーパーレスです。するとiPhoneの画面に表示した僕の切符のバーコードをスタッフはすぐに持っていた専用機器でスキャンし、次に手首にリストバンドを巻いてくれました。そして最後に、

 

 

「次の列車は約1時間後の発車です。乗車の際にはそのリストバンドをスタッフに見せてください。」

 

 

と述べると彼らは次の乗客の対応へと移り始めました。いやあ、実に助かりましたよ。僕は丁寧に彼らに感謝の意を述べてその場を去りました。

 

だた、この切符販売のシステムってなんかおかしい気がしますな。まあ買えたのでいいですけど。。。ともあれ未解決問題二つのうちの一つは無事解決です。

 

 

 

実際の切符。WEBサイトとは違いなぜか英語が併記されているという。。。(笑)
 
 
 
 

でそのリストバンド。

 

 

 

それから列車到着まではまだかなり時間があったので再び駅舎に戻ると、さっきより人が増えていてAC/DCファンでごったがえしていました。僕はその状況がとても嬉しくて楽しくて、思わずその場でロージー人形をふくらまし、そして日の丸鉢巻に赤い角という通常はライブ会場に到着してから身に着けることにしているそれらの格好を、このブラチスラヴァ中央駅で早くも装着してしまいました。

 

 

 

右の上から2つ目の表示がAC/DC臨時列車。

 

 

 

 

 

 

 

すると他の国と同様にやはり色々な人から声をかけられたりロージー人形との写真を何度も頼まれたりしました。何度かそれらに対応していたところ、ある一人の老人男性に声をかけられました。顔はしわくちゃで歯は殆ど抜け落ち僅か数本しか残っておらず、まるで「偉くなくても正しく生きる」のエンペラー吉田とオウム事件の横山弁護士を足して2で割ったような風貌のオジイちゃんです。

 

 

「お主はどこから来たのじゃ?」

 

「日本からです。」

 

「な、なぬ!!??に、日本じゃと???」

 

「はいそうです。」

 

「それは大儀であった。まあまあこれでも飲みたまえ。(と彼が飲んでいた缶ビールを差し出す)」

 

「え、ありがとうございます。(と一口)」

 

「もっとじゃ。全部飲むがよい。」

 

「え!?いいんですか??」

 

「もちろんじゃとも。」

 

(とここで連れの人が老人の飲みかけのものに代えて未開封の缶ビールをくださる)

 

「ありがとうございます。いただきます。ところであなた方はスロバキアの人たちなのですか?」

 

「そうじゃとも。」

 

「AC/DCがスロバキアに来るのって確か今回が初めてですよね?」

 

「そうなのじゃよ。スロバキアにとって今日は特別な日じゃよ。」

 

「ですよね。」

 

「ところでお主は『ハウ・イアーズ』なのじゃ?」

 

「ハウ・イアーズ??『ハウ・オールド』ってことですか?」

 

「そんな英語など知らん。お主は『ハウ・イアーズ』なのじゃ?」

 

「私の『エイジ』を聞いているのですか?」

 

「それも知らん。『ハウ・イアーズ』・アー・ユー??」

 

「(たぶんオレの年齢を聞いているってことでええやろ。)私は52歳ですよ。」

 

「な、な、な、なんじゃと???ご、ご、ご、52歳じゃと???(目を丸くして大変驚いた様子)」

 

「ええ、そうですよ。どうかしましたか?」

 

「わしは、、、、51歳じゃよ。。。お主より歳下じゃったとはのう。はっはっはっはっ!!」

 

「えっ? えっ?  ええっっ!!??(あんた、老けすぎや。どう見ても70は超えてるやろ。。。)」

 

「ではそろそろわしらは行く。たっしゃでな。」

 

「はいわかりました。ライブ楽しみましょうね。バイ!!』

 

 

 

連れの人がくれた未開封の新しいビール。ごちそうさまでした。

 


 

その後はかつての世界ツアーで何度も会ったドイツ人のグループと遭遇したり、小学生くらいの姉妹っぽい女の子2人組の物乞いから声をかけられたりしているうちに、ついにAC/DCライブ会場行きの臨時列車が到着。各車両のドアごとにスタッフが待機し、僕も含めリストバンド装着の確認が済んだ乗客から順次乗車していきました。

 

その一方で切符を未購入、または購入済みながらもリストバンド未装着の乗客もまあまあいたようです。当然そのような乗客は皆その場で一人一人がスマホで切符を購入したり、スタッフによる切符のスキャンとリストバンド配布という手順を踏んでから乗車するわけで、当然そのぶんだけ余計に時間を浪費していました。う〜ん、やはりこの切符販売のシステムってなんかおかしいような気が。。。

 

 

 

乗車直前。

 

 

 

 

運よく座ることができました。

 

 

 

その後ホームにいたAC/DCファンたちが全員乗車してしばらくすると、僕たちを乗せた臨時列車はAC/DCブラチスラヴァ公演の会場「OLD AIRPORT VAJNORY」の最寄駅である「Vajnory駅」へ向け、無事定刻通りに発車しました。所要時間は結構短くて約10分の予定です。

 

さてさて、残るもう一つの問題であるライブ会場での決済手段については一体どうなることやら。。。

 

 

 

 

つづく