「辻本さんはよく、
動物をモデルにして作品を作ってますよね。
作品のモデルにする動物を決めるのに、
何か意味とか基準とかあるんですか？」
先日、
作品をお迎えいただいたお客様に
こんな質問をいただきました。
いつから動物好きだったのかしら？
私はどの時点から動物に
魅力を覚えていたんでしょうね？
ん？ちょっと違うな。
生き物自体よりも
「動物」という存在のカタチが好きだ。
という方がしっくりいきます。
それを改めて辿ると幼少期の記憶にたどり着きます。
幼い頃から動物の縫いぐるみが大好きでした。
と同時に裏を返せば人形が嫌いでした。
人形が怖かったんです。
特に第2時ベビーブームに生まれた私が
ピンポイントで怖かったのがリカちゃん人形。
「リカちゃん人形大ブーム時代」に育ちながら、
リカちゃん人形が怖くてしかたなかったです。
それからよく図鑑も眺めていました。
テレビもそういうのを見ていました。
「可愛い」という感情よりも「面白い」
と思って興味津々でした。
彼らを取り巻く自然環境にも
不思議な魅力を感じていたと思います。
その興味は歳を増すごとに
図鑑やテレビで登場する動物単体よりも
彼らが暮らす地に伝わる
歴史や文化や宗教など背景を知ることに
面白みを感じる様になっていきました。
背景と物語を探りたい！
本格的に背景を楽しむ様になったのは
美大生になってからです。
当時私が通った美術大学のクラスでは
作品に取り組む前に「コンセプト」を
考えてレポートにしていくことが常でした。
なぜそれを選んで作るのか？
そのイメージは何から生まれたのか？
必ずと言っていいほど
作品とセットになっていました。
「ただ好きだから。」
それも十分理由になるのかもしれません。
でも私の場合はそこに物語が加わると
グッとその世界に入り込んで
作品が作れるのです。
何より背景を知ること自体が
私の楽しみでた。
動物たちに秘められた人々の物語
背景を知る。
歴史、文化、宗教を知る。
するとそこには必ずと言っていいほど
動物たちが出て来ます。
そして各国その動物にまつわる
物語があります。
それらの中には
世界中で神格化されていたり
縁起が良いとされていたり、
そういう統計をとっていくと、
人が物語を感じながら
身近に置きたいと思う動物って
結構限られてくるのがわかってきます。
テディベアやクマのプーさんなどは良い例ですね。
世界で古来から好まれる動物たち
では実際、どんな動物たちが
人々の文化や歴史、宗教観に登場して
好まれているのでしょう。
ちょっと書き出してみました。
・クマ▶︎北米インディアンやアイヌでは神のお使い。
・象 ▶︎インドでは幸せの神、ガネーシャ。
・梟 ▶︎ギリシャ神話でアテナの愛鳥。
・猫 ▶︎エジプト太陽神ラーの化身・日本でも招き猫が人気
・白馬▶︎神と英雄を繋ぐ使者
・亀 ▶︎長寿の象徴
・干支▶︎その年の護符
・ハリネズミ▶︎家に幸運をもたらす
・ヤモリ▶︎家を火災から守る
調べると、この他にもまだまだたくさんあるんです。
これらは世界中に語り継がれて来た
伝説や神話の中に登場してくるものばかり。
なので冒頭にあったこの質問
「辻本さんはよく、
動物をモデルにして作品を作ってますよね。
作品のモデルにする動物を決めるのに、
何か意味とか基準とかあるんですか？」
この答えは、
「背景を調べて、古来から
縁起良き物語がある動物をチョイスして
作っています。」
というものになります。
私の作品を大切な方へのプレゼントにする
お客様も多いんです。
だから縁起良き意味ある物語も一緒に
お届けできたら、
さらに楽しさがプラスされますよね。
ということで、
今日はお客様の質問から
私の作品のモチーフについて
ブログで書いてみました。
陶芸家で陶芸セラピーカウンセラーの
辻本喜代美でした。
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