阪神3タテと能見さん | Perfumeとグルメの日記

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先の火曜日からの、プロ野球セリーグ最後の天王山の、「巨人ー阪神」3連戦は、首位巨人の3連勝という余りにもの非常な結果が出てしまい、これにてセリーグの優勝争いは完全に決定してしまったわけですが、子供の頃からの巨人ファンであり、且つ、純真な野球ファンとして毎年ペナントレースを見てきているワタクシの、あくまで中立・公正なこの3連戦の感想を言わせて頂きたいと思います。



まず、火曜日からの3連戦を前にしての両チームの星取りを見ると、



「直接対戦が残り7試合」で、「その差5ゲーム」。



この3連戦に阪神が3連勝したとすると、



「直接対戦が残り4試合」で、「その差2ゲーム」になるわけですが、



実は、引き分けの数が巨人の方が多いので、勝率の関係で残りの直接対決4試合全部を勝たないと、阪神は巨人の上に立てなかったのです。
直前の9試合を8勝1敗で乗り切り、ゲーム差を詰めてこの天王山に挑んだからこそ、関西マスコミを中心に、「逆転V」に向けて意気揚々とした雰囲気がありましたが、冷静にこの数字を見ると、実は阪神は逆転Vどころか、徳俵に爪先立ちでなんとか残っている状態で、この3連戦を迎えていたのです。
ということは、この3連戦の阪神は、3連勝しない限り今後の優勝に向けて展望が開けなかったわけです。



では、阪神は3連勝を目指して、ゲームプランを作っていたのでしょうか?
各日の両チームの先発投手です。



スタンリッジ(7勝8敗)ー 内海(10勝5敗)
榎田    (4勝6敗)ー 宮國(5勝6敗)
能見    (8勝6敗)ー 澤村(4勝8敗)



ごらんの通り、首位巨人はこの3連戦に合わせるように、きっちりとチームの勝ち頭の内海を初戦に持って来ました。
しかし、3連勝を義務付けられていたはずの阪神は、この日の為にわざわざローテーションを崩していたのにも関わらず、エース能見を内海にぶつけるのではなく、第3戦へスライド。
はっきり言って、初戦と第二戦に連敗したら、能見がいくら勝ってもその勝利は二束三文になってしまう事を、阪神首脳陣は考えていたのでしょうかね。
ここは、ハイリスクハイリターンを避けて、内海に能見をぶつける事を忌避した時点で、「3連勝しなければならない」という危機感が、阪神首脳陣にあったのかについて甚だ疑問を挟まざるをえません。




そして、初戦と2戦を巨人が勝っての、第3戦。
阪神は数字上も、雰囲気的にも完全に追い詰められた中での一戦です。
序盤から中盤にかけて、2-0で優勢に試合を進めながらも8回裏に痛い1点を返されて、いよいよ運命の9回裏。
先頭の村田に2ベースを浴び、続く高橋由伸にヒットを打たれ、無死1、3塁。
続くバッター、坂本勇人を迎える前に中西ピッチングコーチがマウンドに行き、何かしらかの指示がありましたが、ここはまずこれまでの試合で不満足な守備で数々の失点を重ねてきたレフトのマートンの所に守備固めの布陣を敷くのがセオリーだったでしょう。



結果、レフトのライン際のフェアかファールか微妙な飛球が飛び、阪神ベンチの、「ファールなら撮るな」の指示に逆行するように、この飛球をマートンがファールグランドでキャッチして、犠牲フライの得点を許しましたが、このプレイを非難するなら、最初からマートンより上手い外野手を守備固めの選手として入れておけばよかっただけです。



ただ、ではここでもう1つの反対意見。
「なぜ、能見を続投させたのか?」
「変えておけば良かったのでは??」



という疑問は当然あったはずでしょうし、各新聞紙面にも載っておりました。
ただ、これに関して、阪神ファンではない公正な立場なボクから言わせていただくなら、



「能見と福原のどちらが、あの9回のマウンドに立つに値したのか?」



でしょう。
シーズン当初から、ローテーションの柱として1年頑張ってきた能見と、たまたま今年調子が良くてシーズン途中からクローザーに据えた福原と、もし打たれたとして、どちらなら納得出来るかを考えたら、あそこは続投しか選択肢はなかったように思います。




それを一番分かっていたのが、当の能見自身で、だからこそ打たれてベンチに帰って来てのあのリアクションだったのでしょう。
ただ、どうせ続投させるなら、勝敗が決するまで、せめてあのイニングの最後まで投げさせてやりたかったですね。
もしかすると、ベンチを蹴り上げたのは、途中降板に対しての悔しさの表れだったのかもしれません。




ただ、降板した能見に向かって、控えの選手が右手を出して、「GJ」とやっていたのは、いかがなもんでしょうか?
負けたら後のない試合で同点に追いつかれて降板したエースに、「よくやった!」はないでしょう。
少し感覚がずれているような気がして、この意識が今回の勝敗に繋がったようにも思えました。