「Baby Cruising Love」は縦ノリで盛り上がれる曲なのだ! | Perfumeとグルメの日記

Perfumeとグルメの日記

Perfumeと食べ歩き(主にラーメン)が好きです。
この2つのテーマについてのエントリーが中心です。

本日1月17日は、2008年の同日にリリースされた、「Baby Cruising Love」の5周年記念日。
ボクがラジオから流れるこの曲を聞いて、初めてPerfumeというグループがこの世に存在する事を知り、ファンになるきっかけを与えてくれた貴重な曲というわけです。



あ~ちゃん曰く、「右から左にスーッと流れる」と評した一見地味なミディアムテンポなこの曲が、Perfume初見の(初聞の)ボクの耳にどうして引っかかったのかをファンになってしばらく経ってから考えてみたのですがよく分かりませんでした。
しかし、その答えは2009年から始まった「直角二等辺三角形ツアー」の中で見つけたのです。



このツアーの前半は、比較的収容人数の少ないホールで行われていたので(観客が1000~2000人)、割合ステージのPerfumeから近い距離でライブに参戦しており、当時のボクはそれだけでかなり熱く盛り上がっていました。
そして、当時のセットリストを振り返ると、



9. edge(トライアングル ⊿-mix)
10. シークレットシークレット
11. Baby cruising Love



と、後半すぐに「edge」で最高級に盛り上げておいての、「シクシク」。
その後に、「Baby」が配置されていたのです。
もう後半に入っていますからここはもう爆上げタイムなわけで、実際に当時のライブでも、この3曲の並びでは盛り上がり、「Baby」の最後の大サビでは皆んなジャンプしまくりで大はしゃぎだったわけです。
という事は、この曲はあ~ちゃんが自虐的に言っていた「右から左・・・」のような、前作「ポリリズム」の流れを断ち切る1回休みのような、乙女チックな曲ではないのはPerfume側はとっくに分かっていたわけで、だからこの位置に持って来たのでしょう。



では、この曲はなぜにここまで縦ノリになれたのか?
それは、この曲の中での3人のボーカルの配置にあるのだとボクは感じました。



この曲の構成は、【サビ①】【Aメロ】【Bメロ】【サビ②】【ブリッジ】【Bメロ②】【サビ③】(①~③は同じ内容)です。
ただ、この①から③に渡る間に、絶妙にボーカルを入れ替えている中田ヤスタカのマジックがあるわけです。
では、曲を聞きながら解説をして行きましょうか。



最初の【サビ】【Aメロ】の冒頭は3人の中で一番声量に乏しく声にインパクトのない、かしゆかのボーカルを採用しています。
つまり、この段階でボーカルだけで判断するなら、あ~ちゃんの言う「右から左へ」という一番弱い造りにしているわけです。
これによって、「ポリリズム」のような明らかな陽性の曲とは一線を画しているのは分かると想います。
そして、最初のサビに向かう前の、【Bメロ】の最後のフレーズも、かしゆかに歌わせる事によって、まだまだこの曲が持つ乙女の切なさな感じを保とうとしています。



この曲がハッキリとその性格を変えるのは、「Baby Cruising Love」のコーラスが続く【ブリッジ】からの【サビ②】からです。



この曲で一番の盛り上がりを迎える部分の冒頭で、音程に不安があり、ともすればフラットしているように聞こえるかしゆかではなく、Perfumeで一番硬質で真っ直ぐな声をしているのっちの声を採用する事によって、まるでメジャーに転調しているかのように聞かせ、さらにPerfumeで一番伸びる声のあ~ちゃんのボーカルを繋げて、この曲の最初の【サビ①】とは全く違う盛り上がりを形成させながら最後の【サビ③】に突入させているのです。



つまり、この曲は、前半から後半、終盤に進むに連れて、より盛り上がるように綿密に練られた曲、音楽用語で例えるなら、いわゆる『クレッシェンド(だんだん強く)』を完遂している曲なのだと思いました。
だから後半に行くに従ってドンドン気分が高揚して縦ノリになっていくのだろうと。




もし、趣味でウォーキングなんてしている方がいらっしゃったら、試しにぜひこの「Baby Cruising Love」を聞きながら歩いてみてください。
必ず、サビに行くに連れて、歩幅も大きく速足になるはずですから(笑)。