「THIS IS IT」 | Perfumeとグルメの日記

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マイケルジャクソンの『THIS IS IT』を見て来ました。
もう結構色んな所でこの映画の事言われてますけど、簡単に言えばこの7月からイギリスで行われる予定だったマイケルのツアーのリハーサルをスタッフが撮っていたのを編集したものなんですね。
だからストーリー仕立てにはなっていないし、何の説明セリフもないからマイケルに興味ない人には、つまらん映画だと思います。


しかし、ボクは面白かった!
なぜかと言うと、マイケルがライブを作っていく様を少しでも見る事ができたから。
マイケルがバックバンドの人に直接指示を出すんですよ。


「もっとテンポを落として!」
「もっとゆるやかに…」


その後に自分の口でドラムの音作って直接伝えるんだけど、その音が的確な事といったら…。


さらにバラード曲からアップテンポ曲への繋ぎの部分ではエンジニアに対して、

「(次の曲が鳴りだすのが)速すぎるよ!
ここは余韻を楽しむ所だ!」


とダメ出しして4小節のブレイクを入れさせたりとか、マイケルがアイデアを出し、隣に寄り添うサウンドプロデューサーがそれを形にしていき、この2人がタッグを組みながら、曲の構成を作り上げていくのは面白かったし、その仕事ぶりにはいちいち納得させられた。




それはバックダンサーを交えたダンスの演出でも同じで、マイケルが直接ダンサーに振り付けの指示を出して、元のアイデアを修正していくんです。
そしてここでも、マイケルは曲のラストで「余韻を楽しむ所だ」って言って、暗転のタイミングを遅らせるんですよね。
常に観客にどうステージが写るのかという視点で演出をしてるんでしょうね。


さらに驚いたのがステージでのマイケルの動き。リハーサルだから全力で動いていないんだけど動きの正確さが抜群!
ステップって1拍ずつ動いて行くんだけど、その拍の中で動と静を作っているんですよ。
細かく言うと1拍が終わる直前、次の1拍が始まる前のほんの一瞬だけ動きを止めてるんです。
こうする事によって動きにキレが出来て、メリハリのある動きに見える。
あれで、もう50だというんですからね(笑)




でもそんな完璧なマイケルにもちょっとだけ可愛い所が…。
イヤーモニターに馴染めないらしく、泣き言言ってるんですよ(笑)


「耳の中にピストル撃ち込まれているようだ!」って。


マイケルの若い頃には、イヤモニなんてなかったから、耳の穴にイヤホンすっぽり入れて直接音を取り込むっていうのは、かなりうるさく聴こえるんでしょうね。ましてや敏感な聴覚の持ち主でしょうから、攻撃的な音に聴こえるのでしょう。
結局、音量下げてもらって解決したみたいでした。




この映画でのライブのリハーサルの様子を見ていて感じたのは、マイケルは全ての人に対して温かくて優しくて、そして寛容であるという事でした。


曲の中で緊張顔でギターソロを弾く女性に対しても、優しく声をかけたり、間違えたスタッフに対しても、「だからリハーサルをやってるんだ。」と励ましたり。
その結果、スタッフや共演者が、みんなマイケルが大好き!って顔で彼の方を見ながら仕事をしているんですよ。
それだけになおさら、このライブが一度も演じられなかったのが残念ですね。


この映画は今週の金曜日で上映終了です。
マイケルに興味ある人は見た方がいいですよ。