ROCKIN' ON JAPAN!その2 | Perfumeとグルメの日記

Perfumeとグルメの日記

Perfumeと食べ歩き(主にラーメン)が好きです。
この2つのテーマについてのエントリーが中心です。

後半はアルバムについてのトークから始まります。



聞き手)かなり尖ったダンスアルバムで、3人の声も判別出来ないくらいエフェクトかかってますが?



この問いに3人は表現の違いこそあれ、プロデューサー中田ヤスタカに対する絶対的な敬意と信頼を口々に話します。



あ) 3人の声がキレイに構成されてたらなんでもいいし、中田さんが一番いいって思う形に曲を仕上げてくれてたら嬉しい(本人談要約)


か)中田さんの作る作品の良さが聴く人に伝われば個人パートの分量なんてどうでもいい。(上に同じ)


の)何も語らず
(何やっとるんだ!)




しかし、かしゆかとあ~ちゃんにはボーカリストとしての意識に温度差があるのが次の文章から明らかになる。



か)歌ものを作らなきゃいけないっていう観念が消えたんだなって…それが嬉しかったです。
capsuleのように『こしじまさんどこ歌ってんの?』みたいな。
音楽を届けることのほうがメインになってるのがすごいなと思って。(本人談要約)



これに対してあ~ちゃんは異議を唱える。



あ)capsuleさんはライブが軸でもないし、それでもいいじゃないですか。
こしじまさんがただ立って揺れてるだけでも存在感あるし、可愛さは凄く絵になるし。
それを求めてお客さんも来てるわけだし。
でもPerfumeは違う。
Perfumeはライブが軸だし、実際に生命感や躍動感がなければ成立しない。
だから自分たちの声は曲を構成する上において単なる素材ではない。(本人談意訳)



しかしそうは言いながらも、



あ)でもそうじゃないと信じてるからここまでいっても(ボーカルの要素の薄い曲でも)任せられるしオッケーって思える。
と中田ヤスタカへの信頼は揺るぎない事が解る。



さらに



あ)もし3人のうち1人でも違う人の声に入れ替わったらPerfumeじゃなくなるし、こないだ声が加工される前の3人が主旋律を歌ってる声が合わさった段階の曲を聴いたんですよ。
そしたら「もう魔法だ!」って思えるくらい、めっちゃ可愛らしい感じの声に聞こえてすごく幸せになりました。なんの特徴もない私の声でもここにいていいんだなぁって…。(本人談要約)



このようにかしゆかとあ~ちゃんにボーカルに対する温度差があるのは、恐らく歌唱力に自信がなくボーカルに関する限り自分の個性が死んで客観的な存在になっても構わないと思うかしゆかと、あくまで主体性にこだわり3人の声のアンサンブルに絶対的な自信を持つあ~ちゃんだからなのだろう。



ちなみにまたも、のっちは何も語らず…(残念です!)



さらに次の
『昔のアイドルっぽい可愛らしい曲を求めるファンがいたらどうしますか?』
という質問でも意見が分かれる。




か)色んなアーティストさんと知り合って【かっこいい】と思える事がたくさん増えてきて【新しい】事に挑戦したいと思える事も増えてきてるから、二十歳の今のPerfumeの可愛らしさでガマンしてください(本人談意訳)


の)「そうだそうだ!」


あ)「(変な声で)そうだそうだ!」




かし・のちとあ~ちゃんで若干ニュアンスが違うのに気づきましたか?




恐らく昨年夏のフェス以来出会った色んなミュージシャンに感化された、かし・のちは急進的改革派、つまり今いるアイドルの領域を抜けて、アーティストの領域に一足飛びに到達したい。



これに対して実質的経営者であるあ~ちゃんはできるだけリスクは少なくしたい漸進的改革派、つまりアイドルの枠に留まったまま、その枠を少しずつアーティストの領域に重ねていき、常にフレキシブルな立場にいるのが得策だと考えているのではないでしょうか…。




しかし、そんなあ~ちゃんですが昔の自分達のアイドル性を今の自分達に求め続ける旧アイドルファンに対してだけは、



あ)離れてってる人もたくさんいると思いますが、全然なにも思わないですね。
と手厳しく突き放している。



しかしその言葉の裏には、『そんな戻せない時計の針にこだわらずに私たちと一緒に成長していきましょう』という多数の良心的なファンに対するメッセージが含まれているように思えてなりません。



更に急速な変化に対応しきれない多くのファンに時間の猶予を与えるべきだと瞬間的に言外に訴えたのが、アーティスト路線に一気に飛びたいと言った、のち・かしを『(変な声で)そうだそうだ!』と茶化した一言の真意ではないでしょうか。




最後にツアーについてのコメントがあります。


か)あまりショウになりすぎないようにしたいですね


あ)音楽を聴く為のCDと違ってMCやら演出やらで、お客さんにライブを満足してもらいたい!
みんなが幸せに感じた事を持ち帰ってもらえるようなライブがやりたい!


の)そう言うと思ってた(笑)



色々想いの温度差が感じられた今回のインタビューは、Perfumeの主戦場であるライブに対しての3人のコメントが完全一致した所で微笑ましく終了します。




まるで危うい冒険を繰り返したアクション映画の主人公が、エンディングでハッピーエンドに辿り着けたかのように…。