前々回仕上げた「横長の2階建て」の右隣りにはこちらの店舗があります。もはや営業はしていないようです。

 

ハテ、何のご商売をされてたのでしょうか?

 

答えはグーグルのストリートビューをみるとわかります。こちらは2021年3月の画像です。そうです、街の電器屋さん、ナショナルショップだったのです。

 

さらに2014年1月の画像をみると、社名の看板も残っています。グーグルは人の顔や表札をぼかしてしまうのですが「武田電業」と書いてあるようです。

 

今の若い人は知らないでしょうが、その昔、松下、東芝、日立、三菱といった大手家電メーカーは競って自社製品を専門に扱う電器店の全国ネットワークをつくりあげていきました。中でも経営の神様こと松下幸之助が率いる松下電器(現パナソニック)は、全国津々浦々まで、業界最強の電器店ネットワークを構築したのです。人々がテレビや冷蔵庫を買うのは、おらが町のナショナルショップだったし、修理を頼むのもそのお店でした。その後、ヤマダやらジョーシンやらといった大手量販店の台頭で、家電製品の買い場は大きくシフトしてしまいましたが(さらにこれがEコマースにシフトしていますが)、今でも「あなたの街のでんきやさん」として頑張っているお店もあるようです。

 

話を模型に戻しましょう。その2にあるように、プロジェクトKAMINADAの開始当時、時代設定は2004年5月としていたので、看板を再生してこちらのパイロットモデルを作りました。

 

さらに、調べているうちに、正方形のナショナルマークは、もともとだいだい色だったものが退色したようなので、新たなパイロットモデルを作りました。手前が新しいものです。

 

その後、その64で書いたように、時代設定を現代(現地を取材した22年か23年)に変更したので、今の姿を再現すればいいのですが、せっかく作ったのでこの看板の作り方をご紹介しておきましょう。

 

グーグルのストリートビューを拡大したものです。残念ながらぼかしが入っていて、これを元通り修正する方法を小生は知りません。もっとも元通り修正できたら、ぼかしの意味がありませんが…。

 

パワーポイントを使って、似たようなフォントと色で店名を書きました。

 

アフィニティフォト(もちろんフォトショップでもできます)で全体を半透明にしてから、さらに半透明にした「消去ブラシツール」で、文字を部分的に消していきます。

 

看板の画角を調整して一部を塗りつぶしてから、文字を重ねます。ただし、以上のやり方は完全な自己流なので、もっとよい方法があるのかもしれません。

 

懐かしいナショナルのマークは、ネットにあった写真からお借りしました。水戸黄門のテーマ曲が聞こえてくる人はご同輩です。解像度がとても低いのですがNゲージに使う分には大丈夫です。

 

かくして3つのパターンができました。次回は2022年バージョンのアップグレード版を作ります。