こんばんはっ!
さて、新年一発目の書籍感想ですが、、、
斎藤環氏「戦闘美少女の精神分析」について書いてみようと思います!
戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫) [ 斎藤環(精神科医) ] 価格:880円 |
内容:
虚構の二次元美少女にハマるオタクの心理を、精神科医である著者・斎藤環氏が精神分析した本です。。。
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「精神分析」・・・
大学時代にチョロっとかじって勉強したことがあり(と言っても講義を1つ受けただけですが。。。)
「アウラ」「ヒステリー」「ファリック」etc...
専門用語が多すぎて難しく、本全体の結論を理解することができませんでした・・・
(完全にワタシの勉強不足です・・・)
ただ、部分部分の理論はなんとなく理解することができましたので、
今回はそれについて思うところを書いていきたいと思います!
「虚構コンテクスト」という概念について:
ある情報を受け取る時、どれ程のメディアを経ているか、という度合いのことです。
メディアの数が多い程、虚構コンテクストが高くなります。
ちょっと分かりづらいので、例で説明しますと、、、
ある事件が起きたとして:
①「当事者に直接話を聞くこと」は、媒介するメディアが「言葉」のみなので、虚構コンテクストが低くなります
②「事件を撮影してニュースにすること」は、「情報の切り取り」、「映像・テレビ」というメディアを媒介するので、虚構コンテクストが①よりも高くなります
③「事件から感じた感情から作品を創り、アニメや映画、ドラマを作ること」は、「ストーリーを創る」「絵にする」...数え切れないメディアを中継するので、さらに虚構コンテクストが高くなります
虚構コンテクストが高いほど、虚構性・フィクション性が高くなるのですが、、、
オタクというのは、
虚構性の低い世界(現実世界)と虚構性の高い世界(フィクションの世界)でそれぞれ別々の視点を使い分けられる人、言い換えると
「虚構世界を見る認識と現実世界を見る認識を使い分けられる人」
とのことでした。。。
例えば、オタクの人たちはアニメの「ロリコン」キャラクターが好きでも、現実世界では未成年に手は出しませんよね。。。
それは、虚構の世界と現実世界で、視点・認識が全く違うからです
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考えてみればそうですよね
残酷なアニメを「人格に悪影響だ!」と規制したり、
悪役を演じていた俳優さんを本気で嫌ったり、
・・・非オタク世代のおじさん・おばさんの方が、現実とフィクションを結びつける傾向が強い気がします。。。
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この話を読んで、職場にいる不思議な人を思い出しました。。。
その人、いわゆる「社会的弱者の味方」的な主張をする人で、
少数民族や部落差別等のニュースがテレビで話題になる度に
「差別は許さない!」
的な主張をする人なのですが。。。
実際彼自身はの働きぶりはというと、後輩や年下にパワハラしてるんですよね。。。
「リベラル主張する前に、まず自分自身が周りの人に優しくしろよ・・・」
と思うのですが、
差別問題・社会問題を、映画や本(いわゆる「虚構コンテクスト」の高いもの)で知ってしまっているので、、、
そうした社会問題が、彼の中ではあくまで「虚構・フィクション」として捉えられてしまっているのかもしれませんね。。。