【微ネタバレ注意!】小説「ハイ・ライズ」感想 | 狸穴の雑多ブログ

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どうも!

 
今回はイギリスのSF作家J・G・バラード氏の小説「ハイ・ライズ」の感想です
 

ハイ・ライズ【電子書籍】[ J・G・バラード ]

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前回に引き続いて本の感想となりますが、、、
正月休みに本を色々と読み溜めしていたので、しばらく書籍感想ばかりで申し訳ないです。。。
 
 
あらすじ:
スーパーレストラン銀行、そして学校まで備えており、建物内だけで生活が全て完結できる高層マンションが舞台。
ただ、このマンション、上層中層下層格差社会になっており、、、

日々の生活の中で燻ってた階層間の対立は、些細なきっかけで暴力闘争へと発展してしまいます

暴力の中で、住民たちの秩序や理性が崩壊していく様が描かれています・・・
 
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「なぜ、格差対立は暴力まで発展してしまったのか?」
 
―――気になった台詞がありました下矢印下矢印下矢印
 
高層住宅という殻の中に、自動操縦で飛ぶ旅客機の乗客のように安全におさまって、彼らはいかようにふるまうも自由、どんなくらい隅をさぐるも自由になる。

 

話は少し逸れますが、、、
 
"地方のヤンキーはヤンキー仲間を大事にする"
 
という情報を聞いたことがあります。
その理由は

近くにスーパーがないから、みんなで一つの車に乗って買い出しに行く
お互い子供の面倒を見合う

不便な環境だからこそ、助け合うために他人とのつながりを大事にする、ということですよね。。。
 
 
 
逆に言えば、ハイ・ライズ世界のように
 
何でも揃うから、一人で生きていける」世界では、
 
「他人へ配慮する必要がなくなる」→「モラル・気遣いがなくなる」→「秩序崩壊」
 
何でも不自由ない環境だからこそ、秩序が崩壊してしまうことへの皮肉なのかな、と深読みしています。。。
 
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おまけ:

秩序が完全崩壊した後、住民たちはマンション内で原始人同然の生活を送る羽目になるのですが・・・

マンション中に逃げ出した元"住民のペット"の犬猫を狩って喰らう
口紅で顔にペイント
糞尿でマーキングしてテリトリー確保

描写がなかなかにブラックで笑えます(笑)