柏は誇り
毎年、Jリーグのシーズン終わりになると、年中行事があります。
というのも、優勝チームに対して、かつて、そのクラブでプレーしたブラジル人選手の「おめでとうメッセージ」をもらう、というお仕事があるんです。
昨シーズンもありがたいことに、サッカーダイジェストから発注がありました。
で、このインタビュー、優勝が決まった!という瞬間から、その翌週の号や優勝記念別冊とかの、締め切りに間に合うように、送らないといけない。
だから、ブラジル人選手・元選手と言っても、私にすれば、友達だったり、知り合いだったり、全然話したことない人だったり、いろいろなんですが、一気に電話するんですね。
携帯に一発で繋がる選手もいる。
連絡先を知らない選手は、速攻で調べたり。
いっつも話す友達なのに、その数日間に限って、出張か何かで、連絡が取れなかったり。
去年の場合は、携帯が繋がらないから、メールしてみたら、締め切りを何日も過ぎた後に、とっても丁寧な返事を送ってくれた!という元選手もいました。(だから、掲載できなかったけど…)
その時は連絡つかなかったけど、年末にひょっこり会って、メッセージをくれた元選手もいました。(だから、掲載できなかったけど…)
そうやって、昨シーズンは、柏レイソルでプレーしたセーザル・サンパイオ、アントニオ・カルロス、アイウトン、ヒカルジーニョ、ドゥドゥー・セアレンセや、ニカノール監督と、話したわけです。
「おめでとうコメント」と言っても、それだけ聞くんじゃなくて、柏時代の思い出の試合を聞いたり、サポーターとのエピソードを聞いたり、いろいろ話すんです。
みんな、初優勝を心から誇りに思っているのが、話していて伝わってきて、ほろりとしました。
今季、ジョルジーニョのアシスタントコーチとして、鹿島に行ったアイウトンは、去年フィゲイレンセでも、ジョルジーニョのアシスタントコーチだったんですね。
私が携帯に電話した時も、ジョルジーニョが一緒だったらしくて。
私が「柏が優勝したんよ!」と言うと、アイウトン、「決まった!?」と言ったが早いか、電話口で、「おーい!柏の優勝、決まったってー!」と叫んでました。
アイウトンとは仲良しなんですが、彼はいつも、柏の行方をチェックしていたので、優勝を信じてたんですね。
だから、驚きではなく、ジョルジーニョにお知らせの雄叫び。
もう元気いっぱいでした。
ニカノール監督は、なんだか電話を切りがたくなるほど、ずーっと、柏談義をしていたくなるほど、しみじみと喜んでくれました。
優勝という誇りあるタイミングに、自分を思い出してくれてありがとう、と言ってくれた人もいました。
みんな、選手や監督だったからには、自分が優勝の中にいたかったはず。
でも、その代わりに、自分がいた時に、この優勝につながる何ができただろうと、振り返ってくれるんですね。
このおめでとうメッセージは、あわただしい仕事だけれど、それぞれの選手達の古巣に対する誇りを感じる、幸せな仕事でもあるんですー。
写真は、アイウトンのフィゲイレンセでの指導風景。
応援したくなる人が、Jリーグに戻ってくるって!