ジョルジーニョの辞書その2
こないだ、11月の親善試合の招集メンバー発表記者会見があって、行ってたんですね。
ドゥンガとジョルジーニョが、会見場にやってきて、着席。
で、最前列を陣取って待ち受ける私に、2人が気づいた時。
ジョルジーニョ「オハヨーゴザイマァス!」
ドゥンガ「ゲンキデスカ~!」
日本語で言うと、並んでニコニコ、手を振ってくれる2人。
そして、2人で顔を見合せて、エヘヘっと笑ってる。
なんか、かわいいー。
そんなことで、また思い出した、ジョルジーニョ話を1つ。
秋田選手の引退記念試合が鹿島で行われた時のこと。
ジョルジーニョ、すーごく、行く気、満々だったんですね。
ところが、直前に足をケガしちゃって、行けなくなったんです。
なので急きょ、せめて試合当日、スタジアムのオーロラビジョンで流せるよう、メッセージを撮影しよう、ということになったんです。
で、その撮影の日。
ジョルジーニョは、せっかくのメッセージだから、日本語で言いたい、と言い出しました。
だから、この日のジョルジーニョの辞書は、私。
ジョルジーニョ
「僕が言いたいのはねぇ。そうだなぁ…
…やぁ、秋田。今日は行けなくて、本当にごめんね。
すごく会いたかったんだけど、足にケガをしてしまったんだ。
お互い、年は取りたくないねぇ(笑)
ともかく、この記念すべき日に僕が君に言いたいのは、
僕は、君のような選手と一緒にプレーできたことを、
すごく幸せに思うってこと。
君のような人間に出会えたことを、誇りに思うってこと。
これから新たな人生のスタートを切るんだけど、
君の性格や経験を考えると、ぜひ、指導者を目指して欲しいな。
まぁ、それはともかく、君なら、どんな道を選んでも、
必ず成功をつかむと思う。
本当にまじめな人間だからね。
…って感じ。」
私「…。」
ジョルジーニョ「ん?もう1回、言おうか?」
私「いや、えーっと、それ、全部?」
ジョルジーニョ「あれ?長い?」
私「いや、メッセージとして、長いとは思わないけど、…全部、日本語で?」
ジョルジーニョ「うん!」
私、せっせとローマ字で日本語を書いて、ヴェントゥーラ、その紙をカメラの下にセッティング。
ジョルジーニョ、そりゃあもう、特訓しましたよ、何べんも、何べんも。
変な抑揚がついてないか、私に直させたりして。
で、カンニングペーパーを読みっぱなしなのは良くないから、基本はカメラ目線で、カンペはチラ見ぐらいで言えないと、なんてことも言いつつ。
でも、そりゃあ無理というものですー。
すーごい長いんだもん。
結局、ジョルジーニョ
「あんまりつっかえつっかえ言っても、わけが分かんないよねぇ。」
と我に返り、ポルトガル語でやることになりました。
ポルトガル語だと、自由に言えるから、より一層、感動的な内容になりましたよ。
でも、秋田さんにも、サポーターにも、直接伝わる日本語でメッセージを、と考えた、ジョルジーニョの温かい気持ちには、拍手でしたー!
写真は、今も現役さながらにプレーできる、ジョルジーニョの足。
しかも、イタリア人だけに…って言ったら、イタリアの人、怒りますかねぇ(笑)