ドアを叩けば?
昨日、マンチェスターに関するコメントにお返事を書きながら、思い出した話。
マンチェスターで、ジョーんちに行ったんですよ。
マンチェスターシティでプレーし、2月からエヴァートンへ、レンタル移籍した、ジョー。
移籍したと言っても、エヴァートンの本拠地はリバプール。
マンチェスターからは、車で40分くらいってことで、家は引っ越さず、マンチェスター郊外に住んでるんですね。
で、ジョーは
「こっちに着いたら電話して」
って言ってくれてたので、さっそくヴェントゥーラが電話。
「じゃあ、今日これから来る?」
ってことになって、ジョーは自宅の住所を教えてくれました。
間違えないように、アルファベット1文字ずつ言い直してくれるやさしいジョーに、ヴェントゥーラも、しっかりメモ。
で、最寄りの駅に着いて、タクシーに乗って、運転手さんに住所を見せる。
閑静な住宅街を通り抜け、なんか、林の中のような、閑静に輪をかけまくったような場所で、タクシーが止まりました。
運転手さん「ここが、そのメモに書いてある通りの入り口だけど、目的地の番号は?」
メモには、番号が書いてなかったんです。
それでヴェントゥーラ、
「そうかー、やっぱり番号がなかったかー。おかしいと思ったんだよなぁ…」
つぶやく。
ええー!
通りの名前だけじゃ、どこか分からんやーん。
ってことで、ジョーに速攻で電話。
でも、何か変な音がするばかり。
しょうがないから、とりあえずタクシーを降りてなんとかしよう、と。
で、お金払ったりなんかしてる時に、ふと見ると、その通りを1台の車が走ってきました。
それを見てヴェントゥーラ、
「あ、あの車に乗ってる人、ホビーニョのアシスタントにそっくり!」
私「え~、ぜんぜん似てなかった。でも、確かにブラジル人顔やったなぁ」
でも、タクシーにお金払ったり、機材おろしたりしてる間に、ブラジル人顔を乗せた車は、行ってしまい…。
さぁ、こんな人の気配のまったくない通りで、周囲は重厚に門を閉ざした家ばかりの中、立ち尽くして、どうしようか、と。
電話は相変わらず、変な音だし。
ヴェントゥーラ「ジョオオオオオオ!って叫んでみる?」
私「いや、叫ばない」
ヴェントゥーラ「ジョオオオオオ!」
私「もう叫んでるやん!」
ヴェントゥーラ「ジョオオオオオ!」
私「叫んだらあかん、叫んだらあかん!」
ヴェントゥーラ「ジョオオオオオ!」
私「あかん、あかん!」
ま、ここまで来てつまずいたことで、お互い、不機嫌にならないよう、妙なテンションになったりして。
そこへ、一軒の家から、人が出てきました。
並んで建つ車庫に入っていったけど、出てきた玄関は開けっぱなし。
これだ!
その玄関で「ごめんくださーい」と、家の人に出てきてもらって、聞きました。
私、住所のメモを見せながら
「この通りって、ここですよね。この通りに、ジョーというサッカー選手が住んでるんですけど、番号を聞き忘れちゃって。どこか知りませんか?」
家の人「この通りは、確かにここだけど、サッカー選手が住んでるとは、知らなかったわー」
私、さぞや絶望的な顔になったのでしょう。
その人は、陽気に付け加えてくれました。
「でも、この通りは、ほんのすぐそこまでなのよ。5,6軒しか家がないから、片っぱしからドアを叩いていけば、そのうち、見つかるはずよ!」
そうなの~~~!
ということは、片っぱしから叩かずとも、あのブラジル人顔を乗せた車が、すぐこの近くの家に止まってるかも!
というわけで、1軒ずつ、家の前をのぞきながら、テクテク歩き始めました。
そして、もうこの通りはあそこまでだ、あの家が最後だ、というまさにその家の前に!
じゃーん。
ブラジル人顔が乗っていた車が、止まっていたのです!
勇んでブザーを鳴らして、ドアフォンに向かって「ジョーとの約束で来たんですけど。」
そして「どちら様?」と返ってきた返事が、やったぁぁぁ、ポルトガル語。
ジョーんちだぁ。
その後、出迎えてくれたジョーに、それでああして、こうして、と、ここまでの道のりを、武勇伝のごとく、一生懸命語る、私とヴェントゥーラ。
ジョーはニコニコ聞いて
「そうだったんだ。番地、言い忘れたんだね。ごめんね」
と、一番若い彼が、一番大人みたいでした。
そんな話にちなんで(?)、写真はマンチェスター繁華街の、路面電車のある風景。
赤い2階建てバスと、自転車。
こんな、カラフルなタクシーも。
ゴキブリを、ブラジルに来て数年経つうちに、逆に、バシっと、ビーサンで踏めるようになっちゃった…。
話が続きますねー、鹿島。
なんて思いつつ、Jリーグ順位表見ると、いろいろ意外な並びになってるのに気づきました!