計量経済学を勉強しよう(2) | 不動産鑑定、統計学、文系人間のための数学など

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上野山清久のブログ
 「不動産鑑定と統計学」(同名のホームページも公開中です。)、数学その他に関する日々の学習成果等について「学ぶ側の視点」で綴っていこうかと思います。

 「計量経済学を勉強しよう(1)」では、山本拓(2022)「計量経済学 第2版」(新世社)について触れましたが、実はもう1冊これと並行して読めばいいと思われる本を見つけたのでご紹介します。

 

 R・J・ウォナコット/T・H・ウォナコット共著、国府田恒夫/田中一盛共訳(1975)「計量経済学序説」(培風館)です。

 

 図書館で偶然見つけた本で、約50年前に出版された本ということもあってあまり期待せずに借りたのですが、これが信じられないくらい分かりやすい私にとっての神本になりました。

 

 古い本のためかネット検索してもあまり情報は得られませんが、原書に対する書評を見つけたのでリンクを張っておきます(金井道夫(1972)「農業綜合研究」26巻2号p209-214)。

 

 この本は翻訳本にありがちな、「読みにくいな。原書が分かりにくいのか、翻訳がまずいのかよく分からないが・・・。」とか、「この例え話は何を意図して書いてるのかさっぱり分からないんだが・・・。」というようなことが一切なく、「なるほどそういうことだったのね。」の連続で、もともと日本語で書かれた本なのではないかと疑ってしまうほどです。

 

 私にとっての神本が他の人にとっての神本になるとは限りませんが、もし最寄りの図書館に置いてあったら、ぜひ手に取ってみてください。

 

 この本のおかげもあって、同時方程式の識別問題についてようやく理解できてきたので、そろそろ何か書けそうな気がしてきました。

 ただ、こんなテーマに興味を持ってくれる人は少ないだろうなとさみしい思いもしつつ、「でもそんなの関係ねぇ。」。