通常の最小二乗法と一般化最小二乗法(4)・・・地理的加重回帰モデル | 不動産鑑定、統計学、文系人間のための数学など

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上野山清久のブログ
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 地理的加重回帰モデル(GWR)は、加重最小二乗法(WLS)を使いますが、不均一分散に対処するのが目的ではなく、地点間の距離に加重をかけて各地点ごとに異なる回帰係数を算出するためのモデルです。

 

 したがって、 で割る(  をかける)のではなく、 (ウェイト)をかけるという操作をします。

 

 すなわち、 とおいて、

    

 (途中の式展開は「通常の最小二乗法と一般化最小二乗法(1)」を参照してください。)

 

 なお、 とおいて、                

      とする流儀もあるので注意してください。

 

 表記がややこしいのは相変わらずですが、これでなんとかGWRもそれなりに理解できてきたと思いきや、ここで新たな疑問が・・・。

  いろいろ文献を読んでいると、上記のように説明しているものもありますが、どうやら、 と誤差項  にウェイトをかけないのが主流のようです。

 

 私なりにその理由を考えてみました。

 おそらく、後者は誤差項  は独立(観測地点間の距離による影響を受けない)を仮定しているからだと思います。

 でも誤差項に、被説明変数 ()に影響するにもかかわらず説明変数

)に採用しなかった要因が含まれていると考えれば前者が妥当なような気もします。

 どちらを採用するかは考え方によるということなんでしょう。

 

 いろいろ考えていると次のような疑問も湧いてきました。

 「 にウェイトをかけないんだったら、 にもかけなくていいんじゃない?」

 でも、これはちょっと考えてみると、説明変数となる各地点データにウェイトをかけるのではなく、これらの地点と被説明変数の地点との距離にウェイトをかけるのだから、 ではなく、 が正解ですね(しょうもないようですが、独学だとよくこんなところでトラップにはまります。)。

 

 

 今日読み返してみて、上記の下線部の説明は正しくないような気がするので、そのうち書き直すかも(2024.1.14)