「被迫」 | kiyokiyo world Ⅱ

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昔の功夫映画ばかりです。

1977年の香港映画。華山監督作品です。

 

海で3人の若者たちがボロい船に乗っています。脱水症状を起こしています。何宗道さん、羅莽さん、歐陽佩珊さんです。彼らは自由を求めて、海に出てきたようです。羅莽さんはもう挫けそう。

 

彼らは助けられ、船上でご飯を貪ります。香港が見えてきて、喜ぶ羅莽さん。

 

「ROCKY」のテーマソングと共にクレジットが出ます。貧しいながらも3人は職を得て、がんばります。2人は港で働き、歐陽佩珊さんは工場で働きます。

 

香港に来て1年経った彼らですが、いい給料の仕事に就けないでいました。少しずつがんばろうと思う何宗道さんともっと早くいい環境を手に入れたいと願う羅莽さん。何宗道さんは彼に優しく、焦らずがんばろうと声をかけます。

 

何宗道さんは彼と別れた後、歐陽佩珊さんと一緒に歩いていました。それを見て、がっかりする羅莽さん。3人は一緒に暮らしていました。2人は親友であり、ライバルでもありました。

 

あるとき、港で暴れる若者 TOMが別な従業員に取り押さえられそうになっていました。上司たちも彼を殴ろうとしていました。通りかかった何宗道さんたちは若いTOMがかわいそうになり、間に入ります。上司は彼らの態度に怒り、従業員の元彪さんと元奎さんに攻撃を命じます。何宗道さんたちは暴れ、全員を倒してしまいます。更に上の上司 谷峰さんに連絡が行きます。

 

何宗道さんたちとTOMは仲良くなり、4人の生活となります。

 

何宗道さんはTOMに功夫を教えます。って、既にすごくいい動きしてますけど。そんなこんなで2人の結び付きは深くなっていきます。

 

ある夜、TOMは酒に酔った白人男性2人にバカにされます。しつこいので彼らを倒します。

 

夜は「クラブ たそがれ」でウェイターとして働いている何宗道さん。谷峰さんが部下を連れてやってきます。その部下とは何宗道さんが港で殴った人でした。彼は何宗道さんを発見すると怒り出します。が、谷峰さんとホステスに宥められます。

 

何宗道さんの仕事終わりを待っていたTOM。2人で帰る途中、谷峰さんの部下がたくさんの手下を連れて登場します。戦う気満々の彼らに素早く反応する2人。徐假さんがいました。TOMが少しけがをしますが、勝ちます。

 

帰宅して歐陽佩珊さんの手当てを受けます。歐陽佩珊さんは彼らがいつも戦っていることを心配します。

 

さて、羅莽さんですが、競馬に狂い気味・・・。同僚の甘い言葉に誘われ、あるレースにお金をつぎ込むことに。賭博場で徐蝦さんが競馬の受付をしていました。受付を拒否すると羅莽さんは怒ります。近くで様子を見ていた袁祥仁さんが止めに入ります。更に怒り出す羅莽さん。側にいた袁信義さんも押します。無理やり追い出されますが、羅莽さんは彼らをボコボコにしてから去ります。

 

夜、何宗道さんは李小龍の本を読んでいました。歐陽佩珊さんは彼が李小龍に憧れて、遠いところに行ってしまうのではないかと不安に感じていました。ちょうど帰宅した羅莽さんはやり取りを聞いて、何宗道さんと歐陽佩珊さんが両想いなのを痛感します。

 

翌日、クラブに行くと、何宗道さんは店長からクビを言い渡されます。谷峰さん経由でしょう。

 

賭け事が原因で羅莽さんは谷峰さんと会うことに。羅莽さんの態度のデカさにキレた谷峰さんは手下を多数送り込みます。袁日初さんがいました。1人奮闘していると、何宗道さんとTOMがやってきます。3人で戦います。逃げる3人。彼らは追ってきます。

 

後半のバトルには錢月笙さんもいました。3人で全員を叩きのめします。報告を聞いて、怒る谷峰さん。

 

谷峰さんが手を回しているのか、何宗道さんは思うような仕事が見つかりません。新聞で見かけた「世界空手道大賽」に出る決心をします。

 

次の瞬間、リング。そして、彼にKOされる元彪さん。そして、江島さんに倒される袁日初さん。何宗道さんは順当に予選を勝ち上がり、本大会に出られることになりました。

 

何宗道さんと歐陽佩珊さんは大会で優勝したら結婚しようと約束をします。

 

江島さんは谷峰さんの部下。大会で優勝すべく、鍛えていました。谷峰さんってアクションもできるから、ほんとにすごい人だよな~。谷峰さんは江島さんにめちゃめちゃ気合いを入れます。

 

何宗道さんは羅莽さんと婚約指輪を見に行きます。指輪をゲットし、大きな誕生ケーキで彼女の誕生日をみんなで祝ってあげますバースデーケーキ指輪を渡すと大喜び。切なそうな表情の羅莽さん。無邪気なTOMの存在がありがたい。それでも壊れない2人の友情。よかった。

 

「ROCKY」のテーマソングと共に何宗道さんはアメリカへと向旅立ちます。江島さんは谷峰さんから習った必殺技でどんどん相手を倒していきます。何宗道さんも勝ち上がっていきます。実際の何かの試合の様子を入れて、本物っぽくしているようでした。

 

そして、決勝。意外とあっさり何宗道さんが勝ってしまいます。優勝を決めた際のインタビューを見ていた谷峰さんは悔しがります。弟子である火星さん、陳龍さん、鍾發さん、李海生さんというすごい面子を何宗道さんに放つことに。

 

TOMも更に上手になっていました。羅莽さんも驚くくらいです。何宗道さんに早くかっこいい姿を見てもらいたいTOMです。

 

帰国した何宗道さんが歐陽佩珊さんと仲良く過ごしていると、車が走って来て、歐陽佩珊さんを連れ去り、車内に閉じ込めます。李海生さんです。

 

何宗道さんは彼女を助けようとしますが、陳龍さんと白人男性が邪魔をするのでできません。李海生さんにやられます。車から出された歐陽佩珊さんは陳龍さんと白人男性に乱暴されます。車内から嬉しそうに見ている谷峰さん。

 

歐陽佩珊さんは逃げ出しますが、谷峰さんの車は故意に彼女を轢きます。

 

何宗道さんはどうにか助かりますが、歐陽佩珊さんは亡くなります。病院のベッドで知り、衝撃を受けます。そして、彼も重傷でもう戦えないだろうと告げられます。

 

静かな場所で療養生活を送る何宗道さんですが、心の傷は全く癒えません。警察に相談しても証拠不十分と言われ、取り合ってもらえません。

 

彼は鍛え直し、復讐するという道を選びます。李海生さんは指力がすごかったので、それをマスターすることにします。

 

よく分からない装置を使って、修行をしていました。経絡が描かれたマネキンを相手に研究。大真面目に演じているのがウケました。他に腕に何か巻いて、電圧で体を鍛えていました。

 

刃先を輪の内側につけ、その輪に素早く手を突っ込んでゆらゆら動く瓶を押し返すという修行もしていました。

 

さて、ある夜、羅莽さんがバーで飲んでいると、バーガールの邵音音さんに声をかけられます。1人で飲みたい気分ですが、積極的に誘われ、ダンスに付き合うことになります。踊っていると、谷峰さんの手下を発見します。ヤバい。逃げます。彼らは追ってきて、襲われます。邵音音さんも巻き込まれます。必死に戦って、一緒に逃げます。

 

逃げた所はホテルかな?彼女の部屋かな?彼女の色っぽさと落ち着いた態度に圧倒される羅莽さん飛び出すハートシャワーを浴びてと言われ、浴びていると彼女に迫られます。陥落する羅莽さん。キスシーンがあって、びっくり。「唐人街小子」っぽさを感じました。

 

邵音音さんといい仲になり、クラブに入り浸るようになります。谷峰さんが彼にワインのボトルを差し入れします。谷峰さんは邵音音さんとも知り合いだったのです。羅莽さんは嫌悪感を示します。

 

羅莽さんは彼女と結婚したいと思いますが、お金がない。しかも、彼女はお金がかかる女性。羅莽さんは戦ってお金を稼ぐことを真剣に考え始めます。

 

何宗道さんがTOMと修行をしていると、羅莽さんが彼女を連れてやってきます。何宗道さんと邵音音さんは元同僚でした。

 

羅莽さんが結婚したいからお金が必要だと話すと、何宗道さんは猛反対します。ホステスだからというよりも彼女が自己中心的な女性だと分かっているから反対するのですが、羅莽さんはそれが理解できません。羅莽さんを想っているからこそ反対しているのに・・・。罵倒され、手が出てしまった何宗道さん。羅莽さんは激怒し、立ち去ります。

 

行き場のない彼は賭博でお金を稼ごうとしますが、お金がありません。そこに来たのは谷峰さんの側近。彼は羅莽さんにお金を貸してやります。しかし、お金を失います。このままでは側近に利用されることになります。

 

何宗道さんは歐陽佩珊さんの墓参りに行き、リベンジを誓います。

 

そして、陳龍さんのいる場所に乗り込んでいきます。火星さん、鍾發さん、徐蝦さん、徐假さん、元彬さん、袁祥仁さんたちを倒し、陳龍さんをヌンチャクで倒します。途中から李海生さんが参戦。彼とは指力で戦います。そして、遂に彼を倒します。お次は白人男性。また指力で勝ちます。股間を突いて、勝ちました。

 

谷峰さんに連絡が行きます。谷峰さんの隣には邵音音さん。そういう仲だったか。

 

自宅からランニングをしに出かける何宗道さん。そこに谷峰さんの手下たちがやって来ます。徐蝦さん、徐忠信さんがいました。自宅にいたTOMを狙います。一生懸命戦いますが、相手が5人というのはキツい。ランニングから戻って来た何宗道さんが助けに入り、形勢が逆転します。彼らは「LIVE AND LET DIE」のテーマソングと共に車で逃げます。追う何宗道さん。残ったTOMは1人をボコボコにします。

 

何宗道さんは彼らを追い詰め、全員を倒します。

 

しかし、そのころ、谷峰さんはTOMの残っている自宅に来ていました。TOMは谷峰さんに健闘虚しくやられてしまいます。

 

何宗道さんのところには羅莽さんが。やはり、谷峰さん側につくことになってしまったようです。何宗道さんは最も戦いたくない相手と戦うことに。

 

軽く済ませようと思っていた何宗道さん。しかし、羅莽さんは短刀で斬りかかってきます。なので、やむなく本気で戦います。羅莽さんは「海で脱水症状で苦しんているときに俺を押して、海に落としてくれればこんなことにならなかったのに。」と言って、力尽きます。何宗道さんは意外なことにさっさと行ってしまいます。

 

帰宅して、TOMが吊るされているのを発見。彼は亡くなっていました。近付こうとした瞬間、谷峰さんがキックしてきます。

 

ラストバトルが始まります。激しい。最後、何宗道さんが指で心臓を攻撃。心臓から血がピューって出るシーンがウケました。更に喉も攻撃。もうこれで完璧!谷峰さんは倒れます。

 

大急ぎでTOMを降ろし、彼を抱きしめたところで終わりです。なんて救いのないお話・・・。

 

と思ったら、別な結末を発見しました!!

 

羅莽さんを倒した後からが違います。何宗道さんは自宅に戻り、木に括り付けられているTOMを発見します。TOMは生きています。

 

そして、何宗道さんは谷峰さんと戦い、勝ちます。自分で縄を解いたのか、TOMが駆け寄り、へろへろの何宗道さんを支えるシーンで終わりです。

 

歐陽佩珊さんが亡くなった辺りから、ちょっと変な展開になってしまいました。もっと羅莽さんとの友情を熱く描いてほしかったなぁ~。でも、最初から最後まで豪華なキャストが出てくるので、それがすごく楽しかったです。

 

そして、終わり方としてはTOMが生きている方が救いがあっていいなと思いました。

 

五毒な頃の羅莽さんはウエストがきゅっとしていて、かっこいい。笑顔がこれまた素敵ラブ現代劇の彼を見ていたら、張徹監督が好きになってしまったのがよ~く分かりました。