1978年の台湾映画。
総督の陳星さんがある都市にやってきて、市長の龍飛さんに会います。陳星さんは上からの要望で密輸などが横行しているこの街を犯罪のないクリーンな街にしたいと思っていました。
龍飛さんは陳星さんの話を素直に聞いていましたが、帰宅すると部下に今度の総監はかなりやり手だから今までのやり方では通じないと話します。腹黒い市長のようです。
政府は陳星さんの他に潜入捜査官2人もこの街に送り込んだようです。龍飛さんは部下にくれぐれも注意して行動するように命じます。
2人のチンピラが龍飛さん宅に自分たちのボスの手紙を持ってきます。偉そうな態度なので龍飛さんの弟がキレますが、龍飛さんは止めます。すごいファイター2人に注意するようにという手紙を秘密ルートでもらっていた彼はちょっとしたことでトラブルを起さないように注意していたのでした。
ボスは客棧にいるとのこと。訪問します。誰がボスなのかを尋ねますが、みんな、酔っ払っていて、反応しません。イライラしたところでボスが護衛の李強さんを伴って登場します。
ボスは仕事でこの街に2週間滞在するとのこと。どんな仕事なのか。龍飛さんが詳しく尋ねると、ボスは潜入捜査官を倒すとのことでした。利害関係が一致した2人は手を組むことにします。
賭博場。先ほどのチンピラが勝ちまくったお金で更に賭けを始めます。経営者たちは目を光らせます。チンピラは負け続け、お金がなくなります。いかさまをしているとキレて暴れ出し、結果、経営者を殺してしまいます。この賭博場は龍飛さんのものでした。
もう1人のチンピラは銀樓を襲い、貴重品を奪っていきます。龍飛さんはボスと手を組んだ以上、静観するしかありません。チンピラより潜入捜査官を排除する方が重要だと考えていました。
仲良しの薛漢さんがやってきます。龍飛さんは彼にボスと潜入捜査官の排除の両方を依頼します。
3日後に龍飛さんの誕生日があるので、盛大に祝いましょうとそちらも張り切る薛漢さん。
当日、龍飛さん宅に棺が運び込まれます。龍飛さんを傷つける言葉も書いており、薛漢さんと弟は急いで片付けます。
誕生日パーティーにボスたちも来ていました。ボスとゲストの苗族の頭 蔡弘さんは龍飛さんの娘 歐陽鳳さんが美人なことに驚きます。龍飛さんはみんなと大道芸を見ます。王俠さんが太鼓をたたいています。
娘を巡って、ボスと蔡弘さんがいきなりけんかになります。後ろに史亭根さんがいた~。
龍飛さんは2人を止めます。これ以上、暴れても迷惑だと判断。収まります。
会食が始まる直前に遅れてきたゲストが到着します。年寄りメイクをした譚道良さんでした。役人として知られているようで、龍飛さんから丁寧なもてなしを受けます。
彼は突然、きりっとした表情になり、龍飛さんに手紙を出して、一緒に来るように言います。彼はある役人に変装していた潜入捜査官でした。手紙と同行を拒否し、襲いかかる龍飛さん。手下もぞろっとでてきたので、譚道良さんは退散します。
薛漢さんは自分が譚道良さんを倒すと言って、出かけます。薛漢さんは何かあったら、息子を頼むとお願いをして出ていきました。
譚道良さんの仲間は薛漢さんたちを迎え討ちます。ここで譚道儉さんという俳優さんが出演していましたが、この方も譚道良さんの弟さんなのかな。キックがきれいで、動きもよく似ていました。なぜかつらっぽい髪型なんのだろう。とにかく、実生活で兄弟だと信じて話を進めます。
薛漢さんが戻ってこないのを龍飛さんが心配しながら待っていると、ボスが娘との結婚を要求して、更にイライラを倍増させます。蔡弘さんもその話に入ってきます。結婚出来たら、自分の武力を全て捧げると言います。が、今はそんな話をする状況ではないので、話を打ち切ります。
薛漢さんと手下たちが亡くなったという残念な知らせが入ってきます。悲しみつつも薛漢さんの息子を自分のところに連れてくるよう部下に命じます。
そして、ボスと蔡弘さんのどちらかが譚道良を倒したら、娘と結婚させると言います。娘の気持ち、ガン無視ですね。
両方とも結婚のためにマジモードになります。
龍飛さんの道場でヘタレなふりをしている譚道良さん。薛漢さんの息子ということです。指示が全く通らない譚道良さんに先輩たちは呆れていました。
王俠さんが手下たちと橋の裏に隠されている何かを取り出していました。人の気配を察知し、逃げます。
やってきたのはボスの手下のチンピラたちでした。橋の裏に隠されていたものがなかったので、潜入捜査官が妨害したと怒っていました。
譚道良さんは屋根の上で修行をするように先輩たちに乗せられて、屋根に上ります。バランスを崩して、龍飛さんの私的な庭に落ちてしまいます。歐陽鳳さんの侍女に見つかり、責められますが、ちょっとおバカそうだったので、歐陽鳳さんは許してあげます。
王俠さんが大道芸を見せていると、酒に酔った蔡弘さんの手下たちが邪魔をしてきます。大きなトラブルになりそうな雰囲気に。そこに歐陽鳳さんと侍女が助けに入ります。手下たちは怒り、執拗に彼女たちを追います。彼女たちだけでも倒せそうでしたが、顔を隠した男性が華麗なキックで手下たちを倒してくれます。
潜入捜査官だったのではないかと感動する歐陽鳳さん。
蔡弘さんは変な魔術師を連れてきていました。潜入捜査官を倒した後、蔡弘さんが結婚するまではここに滞在すると言い切る魔術師。龍飛さん、困ってます・・・歐陽鳳さんはその話を聞いて、うんざりしていました。
蔡弘さんは魔術師に魔術を使って潜入捜査官がどこにいるのかを調べさせます。
潜入捜査官は2人ですが、部下が数人いました。ボスが見事なフォーメーションと武器を使って、強烈な攻撃を仕掛けてきます。ここで譚道恭さんがボスの手下としてはっきり映っていました。
譚道儉さんは覆面を外して、応戦します。譚道良さんと力を合わせて、ボスを倒します。
龍飛さんはボスが行方知れずなのを気にかけていました。ボスが亡くなったことを知り、ショックを受けます。
陳星さんが訪ねてきます。ボスたちがいなくなったことを喜びます。しかし、多少の適当さを残しておきたい龍飛さんは陳星さんのクリーン志向に反抗。市長を辞める、辞めない話にまで発展してしまいます。
魔術師の占いによって示された場所に蔡弘さんは向かいます。廃屋で譚兄弟はこれからのことを話し合っていました。蔡弘さんをどうにかしたい。そして、ボスや蔡弘さんよりも腹黒い奴を探しているようです。
夜、蔡弘さんたちが火のついた矢を放ってきます。譚兄弟は部下を逃がします。火のついた矢をキャッチして、投げ返す2人。逃げます。強い・・・。
侍女は蔡弘さんが負けたニュースを歐陽鳳さんに知らせ、内緒で潜入捜査官を助けようと相談します。
蔡弘さんは荊國忠さんたちを引き連れ、客棧へやってきます。横柄な態度。別テーブルにいた譚道良さんは飛んできたお銚子をキャッチし、投げ返します。テーブルが汚れ、キレる蔡弘さん。
他の客はビビります。蔡弘さんの手下が譚道良さんの胸倉をつかみます。弱そうで、弱くない。益々、蔡弘さんは怒ります。殺されそうになったとき、歐陽鳳さんと侍女が止めに入ります。龍飛さんの弟子ということで強引に押し切って、連れて帰ります。
蔡弘さんは龍飛さんに譚道良さんについて苦情を入れます。呼び出された譚道良さんは自分から手出しはしてないと訴えます。おバカそうにふるまっている譚道良さんのことを魔術師は怪しみ、確かめようとします。
侍女が灯りを短刀で消して、譚道良さんを助けます。再び、灯りが点くと、蔡弘さんたちを煽るような手紙が残されていました。
指定された場所に行くと老人が釣りをしていました。荊國忠さんが殴ろうとすると、譚道儉さんは変身を解きます。
譚道良さんは覆面をした状態で戦います。蔡弘さんは何とかなりそうなのですが、魔術師が面倒な感じ。マントを飛ばして、彼らを困らせます。歐陽鳳さんと侍女が魔術師を気絶させて、助けます。
おかしくなってしまった魔術師は蔡弘さんに襲いかかり、2人はお互いを殺してしまいます。
龍飛さんは自分で潜入捜査官を倒す決心をします。
歐陽鳳さんは父と潜入捜査官が戦うのを止めさせたいので、陳星さんに助けを求めることにします。
龍飛さんは手下を連れて、山中を探し回ります。譚道良さんも同行していました。ある場所に龍飛さんを煽るような殴り書きの板が置かれていました。龍飛さんが1人でその場に向かうのを譚道良さんは尾行します。龍飛さんは彼がおバカと思っているので、そのまま同行を認めます。
歐陽鳳さんが悲しむことをしないでくださいと言われ、一瞬、困る龍飛さんですが決心は変わらないようです。
譚兄弟が現れます。龍飛さんは譚道良さんの正体を知って、驚きます。薛漢さんの息子なのに~って思ったはず。
龍飛さんとの戦いが始まります。動きがそっくりな譚兄弟のキックはなかなか見応えがあります。すご~。
龍飛さんをやっつけ、密輸に関与していることを認めさせようとします。そこに歐陽鳳さんたちが陳星さんを連れてやってきます。
陳星さんは譚兄弟によくやったと称えるふりをして、短剣で腹を刺します。それが報酬だと言って、高笑い。
ラスボスは陳星さんだったか龍飛さんは陳星さんが自分側についてくれたと誤解しますが、陳星さんは龍飛さんも刺します。歐陽鳳さんも殺されそうになります。
譚道良さんが復活し、陳星さんをキックします。譚兄弟は陳星さん情報を既に仕入れていて、短剣が刺さっても大丈夫なようにしていました。陳星さんは総監の立場を利用して私腹を肥やし、潜入捜査官を殺していたようです。
力を合わせて陳星さんを攻めますが、彼も肘から短剣を出すなどやることがエグい。形勢不利と見るや、歐陽鳳さんを人質にして、逃げようとします。このときの陳星さんの形相がすごい。笑
倒れていた龍飛さんが腹部に刺さっていた短剣を抜き、陳星さんの背中を刺します。陳星さんは肘の短剣でまた龍飛さんを刺します。隙ができた陳星さんに譚兄弟はキックをかまします。
陳星さん、ねばります。先ほど持っていた杖から爆弾を出して攻撃をします。最初からそれをすればよかったのでは。
隠れた譚兄弟を死に物狂いで探します。2人のキックで杖を失った陳星さんは逃げます。
木の上に隠れていた譚兄弟が激しいキックをかまします。このまま殺すんではないかと思われた瞬間、薛漢さんと王俠さんが別な総督を連れてやってきます。あれ!?薛漢さん?生きてた。
実は薛漢さんと王俠さんは潜入捜査官の上司でした。侍女も潜入捜査官のメンバーでした。龍飛さんを亡くし、悲しむ歐陽鳳さんに別れを告げます。
お縄にした陳星さんを連れて、山中から街へ戻ろうとする全員の姿で終わります。
歐陽鳳さんにはちょっと冷たい終わり方でしたが、彼女の側に譚道良さんがいたから、きっとケアしてくれたに違いない。そう思いたい。
しかし、この映画は苗族から見たら、かなり失礼な演出だったと思います。当時はありだったのですね。
地味めな作品ですが、ラスボスが陳星さんなので、ラストバトルは熱くなれます譚3兄弟が出ているという点でも楽しめると思います。譚キックがたくさん味わえます~