「少林英雄」 | kiyokiyo world Ⅱ

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昔の功夫映画ばかりです。

1980年の香港映画。鮑學禮さんと午馬さん監督作品。挿入歌の歌詞を張徹先生が手掛けています。武術指導は戴徹さん。

 

少林寺は政府に反抗的であると見なされ、清の兵隊たちに襲われています。弟子の王鍾さんと蔡弘さんは何とかしようとねばります。師匠はこの騒動がショックとなり、騒動の最中に亡くなります。

 

弟子の中でトップだった高副總官の狄龍さんも少林寺を襲います。弟弟子の王鍾さんは怒ります。が、狄龍さんは強いので、どんどんみんなを倒していきます。弟子の1人 午馬さんはこっそり隠れて様子を見ています。

 

殆どの人が倒されました。大師の薛漢さんに敬意を示しながら、寺から出てほしいとお願いをしますが、激怒している薛漢さんは狄龍さんに襲いかかります。

 

知事 陳惠敏さんの手下 王青さんと茅敬順さんがやってきて、薛漢さんを遠慮くなく攻撃します。狄龍さんが止めますが、間に合わず。薛漢さんは亡くなります。

 

殺すことまでは考えていなかった狄龍さんはショックを受けます。そこに陳惠敏さんがやってきます。狄龍さんは武術を残すために殺すのではなく、拷問をした方がいいと提案し、OKをもらいます。しかし、少林寺は燃やすよう命じられます。

 

狄龍さんの本心とは?少林寺を守りたいようなそぶりも見えますが。

 

街の中を拘束された王鍾さんたちが歩かされています。李修賢さんが心配そうに見ています。妹弟子 陳碧鳳さんが彼を譚道良さんのところへ連れていきます。

 

みんな、狄龍さんを信じていたので、想定外の行動にショックを受けていました。李修賢さんは母親の看病で実家に帰っていたので捕まらなかったのでした。

 

狄龍さんと譚道良さんは兄弟同然の仲でした。なので、どういうことがあったのかを調べることにします。

 

狄龍さんは捕まえた王鍾さんたちを牢へ入れます。激怒し、絡む王鍾さん。それを止めさせようとして手下が彼の手を叩きますが、狄龍さんは手下を払いのけ、自分の手で彼を牢の奥へ突きます。本心では少林寺の仲間を守りたいようです。

 

しかし、みんなにはそれがわかりません。罵詈雑言を吐かれる狄龍さん。彼は平気な顔です。仲間が誰も死なないなら、それでOKなのです。みんなに厳しい拷問をすると宣言します。


陳碧鳳さん宅に行ってみると、彼女の両親は殺されていました。

 

施思さんは宮廷の遣い。皇帝が陳惠敏さんの仕事ぶりを認めているという知らせをもってきます。狄龍さんは彼女はきれいでいい人だなと思っていましたラブラブ

 

茅敬順さんと王青さんが譚道良さんを発見したという知らせをもってきます。狄龍さんは仲間だったから、内情がいろいろわかると言い訳をして、自分が捕まえに行きます。

 

譚道良さんは李修賢さんを逃がします。狄龍さんは室内に多くの位牌があるのを見て、ちょっと動揺。譚道良さんを守りたいので、大人しく捕まるように声をかけますが拒絶されます。茅敬順さんと王青さんが来ました。彼らは殺しかねません。仕方なく、無理やり捕まえます。

 

少林寺の弟子をみんな牢に入れました。全員から「叛徒!」と罵られる狄龍さん。心の中では泣いてそう。「住口!」と怒鳴って立ち去ります。

 

狄龍さんからアンバランスな感じを受ける施思さん。彼のことを気にかけます。

 

この辺から狄龍さんの若いころのシーンが出てきて、彼が少林寺のために身も心も犠牲にした秘密の計画に取り組んでいることが徐々に明らかになっていきます。

 

陳惠敏さんは少林武藝に関心をもっており、狄龍さんは下っ端と戦う様子を見せます。戴徹さんが登場していました。

 

狄龍さんのかっこいい姿に感動した陳惠敏さんは下に降りて、戦う準備をします。焦る狄龍さん。陳惠敏さんは蔡弘さんを相手に指名します。あっさりやっつけた陳惠敏さんは「大したことがない。」とバカにします。王鍾さんは怒って、ディスります。陳惠敏さんは彼を相手に指名します。殺されそうなので、狄龍さんは間に入って王鍾さんをボコり、殺されるのを防ぎました。そして、めっちゃ拷問しますと言って、それ以上、仲間が殺されないようにします。

 

陳惠敏さんはその提案に納得して、帰ります。狄龍さんは拷問と称して、彼らを鍛えるのでした。

 

誰も狄龍さんの真の狙いを知りません。本人たちは修行しているとは知らないし、隠れている少林寺の仲間たちは狄龍さんがみんなを服従させるために拷問をしていると思っています。李修賢さんは1人で乗り込もうとしますが、みんなに止められます。

 

譚道良さんはたくさんの人たちが再び終結して、大きな動きを起こすことを望んでいました。それを知り、李修賢さんは大人しくすることにします。

 

狄龍さんは絵を描きながら過去の問答を思い出していると、施思さんが訪ねてきます。施思さんは彼の絵をじっと見ます。少林寺が好きなのがバレそうです。嘘をついて誤魔化します。

 

狄龍さんはお気に入り5人を引っ張り出し、修行の成果を確かめます。が、傍目には拷問にしか見えない。午馬さんと王若平さんがボコボコにされます。

 

王若平さんはいつも余計なことを喋るので一緒の牢に入っている蔡弘さんにいつも脅されています。

 

陳碧鳳さんは我慢できず、踊り子として陳惠敏さん主催の宴に入り、踊りながら短剣で狄龍さんを襲います。こっそり防御して、陳碧鳳さんを返そうと思っていたのですが、彼女は丸見えになっても彼を襲うのを止めようとしません。

 

陳惠敏さんの側近 古錚さんに攻撃され、苦しそうな陳碧鳳さん。やむを得ず彼女を殺します。この件で古錚さんは狄龍さんに疑いをもつようになります。悲しみを押し殺す狄龍さん。

 

市中を引き回ししたり、更に修行のレベルを上げたり、狄龍さんの意地悪は続きます。いじめているふりをして、稽古をつけている狄龍さん。わかりづらい優しさです。

 

午馬さんはこの生活に耐え兼ね、狄龍さんに取り入ろうとします。よくわからないのですが、この態度が嫌だったのか、午馬さんを殺してしまいます。隣の建物から施思さんが目撃していました。彼の真意がわからず、戸惑う施思さん。

 

そのころ、古錚さんは陳惠敏さんに狄龍さんについての疑惑を伝えていました。少林寺を守るつもりかも。反逆者をつくるつもりかも。

 

疑いを確かめるために譚道良さんを引っ張り出します。茅敬順さんと王青さんが彼を攻撃します。不安そうな狄龍さん。

 

明らかに力を伸ばしている譚道良さん。茅敬順さんたちは苦戦します。譚道良さんが網に閉じ込められたところで2人が手出しできないように狄龍さんが間に入ります。この流れを聞いて、陳惠敏さんは疑いを深めます。

 

呼び出しを受けて、問い詰められます。狄龍さんは否定します。陳惠敏さんは譚道良さんと戦うように命じます。

 

狄龍さんは譚道良さんに朝廷のために仕えるように説得しますが、拒否されます。戦うしかありません。そして、譚道良さんは槍を持った兵士たちに囲まれます。ここで助けたら、全てがダメになってしまいます。本心とは全く逆の指示を兵士たちに出します。譚道良さんは刺されて亡くなります。

 

雨が突然降り出しました。彼に駆け寄ることも許されません。1人で泣きます。すると、傘が差し出されます。施思さんでした。彼女に慰められ、狄龍さんは素直に建物に入ります。施思さんは清の人間ですが、狄龍さんのことを心配し、秘密のままにします。

 

2番目のアニキを失った王鍾さんは明日、暴動を起こすことを決めます。

 

狄龍さんは牢の様子を見に行きますが、みんな、フルシカト。罵倒されたころが懐かしい。

 

李修賢さんは譚道良さんが殺されたことを知り、激昂します。そして、みんなで狄龍さんを倒しに行くことにします。

 

さて、狄龍さん。戦いの広場に1人、残されます。そこには陳惠敏さんが。多くのものを失ってしまった狄龍さんは本音をぶちまけます。彼らにしたことは少林寺を守るための修行であり、拷問ではなかったと。怒った陳惠敏さんは狄龍さんにたくさんの兵士を向かわせます。

 

さてさて、牢では王若平さんが蔡弘さんに首を絞められていました。護衛が止めようとすると、2人はいきなり護衛を襲います。演技だったのです。牢を出て、仲間たちを解放し、暴動を始めます。陳惠敏さんは動きを読んでおり、槍を持った兵士たちもやってきます。外に出ると兵士たちがいっぱいでした。茅敬順さんと王青さんもいます。茅敬順さんと王鍾さん、蔡弘さんと王青さんが戦います。兄弟では戦わないのですね~。李修賢さんと古錚さんが戦います。

 

いきなり茅敬順さんと李龍吟さんの戦いになっていました。動きが李藝民さんと似てる~。王若平さんは槍で刺され、蔡弘さんの腕に抱かれて亡くなります。

 

狄龍さんと陳惠敏さんのラストバトルが始まりました。陳惠敏さんは武器を分解して襲ってくるので、油断なりません。お互い、血だらけで戦います。「少林佛掌」で陳惠敏さんをやっと倒したと思った瞬間。空気の読めない李修賢さんがやってきて、狄龍さんを刺します。

 

ドラマチックな張徹先生作詞の歌が流れる中で亡くなっていく狄龍さん。

 

本当は師匠や仲間に自分の想いをわかってほしかったと思います。体の痛みより心の痛みの方が大きかったのではないでしょうか。陳惠敏さんの遺体を見て、事情を察した王鍾さんと蔡弘さん。彼らと交わした眼差しが救いになったのであればよいのですが・・・。

 

狄龍さんの隠された想いを知らずに李修賢さんをヒーロー扱して喜ぶ少林寺のみんな。後からとぼとぼ歩く王鍾さんと蔡弘さん。彼ら2人だけが狄龍さんの熱い想いを知っています。

 

切ない終わり方。張徹イズムが感じられる作品でした。

 

狄龍さん、スタイルいいし、動きもいいし、かっこよかったです。体も柔らかいんだな~。しっかり体を鍛えているのがよくわかりました。

 

茅敬順さんがかなりいいポジションで、私としてはとても嬉しい映画でした照れ