1981年の香港映画。
なんと雍正皇帝がいい人設定しかも狄龍さんが演じます。「少林寺十八銅人」での雍正皇帝がすっかり固定化している私はあり得ないな~と思いながらも斬新な設定に興味をもってしまいました。
雍正皇帝が即位する前の話です。
宮廷に侵入者2人がいるのを護衛が発見。「正大光明」という看板に近づきますが、王青さんと許文銳さんたちに襲われます。逃げます。王青さんと許文銳さんは逃げられたことを陳星さんに報告して、怒られます。彼は皇帝の弟なので、自分が跡を継ごうとしていました。
王青さんは第9皇子を疑っていました。侵入者は腕にけがをしていました。王青さんはこれらの情報を元に侵入者を突き止めるように命じられます。
侵入者は第4皇子の狄龍さんでした。狄龍さんは皇帝になりたいとは思っていません。最も親しい第14皇子の韓雨さんがふさわしいと思っていて、人々が幸せになれるお手伝いができたらいいと思っていました。しかし、もう1人の侵入者だった師匠の史仲田さんに「そんな甘い考えでは排除される。」と気合いを入れられます。
韓雨さんは陳星さんと密接な関係があり、即位すれば陳星さんが実権を握ることになりそうです。異母兄弟となぜ戦わねばならないのか。 悩む狄龍さん。ピュアです。
頭もよく、功夫も得意な狄龍さんは狙われるのを防ぐために愚かで運動が苦手なダメダメ皇子を演じるよう史仲田さんにアドバイスされます。
皇子専用(?)道場へ行きます。韓雨さんと第6皇子の茅敬順さんに強引に誘われ、跳馬をしますが、ダメなふりをします。
房勉皇帝が道場に来て、息子たちの様子を見ます。過剰なくらいにダメっぷりをアピールする狄龍さん。(スタイルも抜群にいいし、イケメンだし、ダメなわけがないよ・・・。)護衛の王青さんも許文銳さんもバカにしたような表情で狄龍さんを見ています。
第9皇子がいい動きをしていたので、陳星さんは王青さんに目配せをします王青さんは第9皇子を狩りに誘い、刺客2人と共に彼を殺します。王青さんは腕に傷があるか確かめます。当然のことながら、第9皇子にはありません。彼らは驚きます。じゃ、誰?
狄龍さんは隠し部屋で修業を行っていました。皇帝の部下の張一道さんから第9皇子の死を聞かされ、ショックを受けます。史仲田さんの助言を受け、皇帝になる決心を固めます。
街では譚道良さんが高強さんと大道芸を見せています。狄龍さんは彼らに興味をもちます。観客は多かったのですが、誰も投げ銭をしてくれません。とほほ・・・。
施思さんは飲食店の従業員です。きれいな声で歌を披露します。狄龍さんはチップを彼女に渡します。譚道良さんは狄龍さんにお金を貸してほしいと声をかけます。狄龍さんは惜しげもなく、高級な上着を差し出してしまいます。譚道良さんは賭け狂いでした。兄貴分の高強さんはこれを止めようとしますが、譚道良さんは上着をゲットして1階へ逃げます。
そこに警察の蔡弘さんが部下を引き連れ、見回り兼食事に来ます。狄龍さんの上着には金の延べ棒と高額の紙幣が入っていたため、譚道良さんは盗んだと疑われてしまいます。譚道良さんは抵抗します。狄龍さんは蔡弘さんの横柄な態度に怒りを覚え、彼に加勢します。
皇帝の印入りの延べ棒なので、蔡弘さんは狄龍さんにも疑いをかけます。2人で蔡弘さん&手下たちをやりこめます。店内で小麦粉をまき散らしてましたけど、いいのか?
怒った蔡弘さんは弓矢部隊を呼び、狄龍さんを狙わせます。施思さんの父である店主は狄龍さんのことを守った結果、命を落としてしまいます。蔡弘さんは狄龍さんをボコり、強引に逮捕します。
譚道良さんは高強さんに引っ張られて無事に逃げることができました。
狄龍さんは牢に放り込まれます。王若平さんと李龍吟さんがいました。彼らは狄龍さんが皇子とは知らないので、彼に対して冷たい態度をとります。
譚道良さんたちは牢屋番を買収し、伝言を届けてもらいます。狄龍さんは自分の持っていた身分証明書を譚道良さんに渡すように頼みます。見るなと言われていたのに牢屋番はそれを見て、本物の皇子だと知ります。譚道良さんたちもびっくりです!速攻で宮廷に向かいます。
牢から出た狄龍さんは激オコ会食でなぜか王若平さんと李龍吟さんをもてなしていました。蔡弘さんは額に汗をかきながら、お酌をしていました。牢屋番はお酒をもらって、ニコニコ。王若平さんと李龍吟さんはごちそうに目を輝かせて、食べていました。後ろで見ている譚道良さん、高強さん。
王若平さんと李龍吟さんを輿に乗せて帰した直後、狄龍さんは王青さんたちから謀反を起こしたとして、逮捕されそうになります。譚道良さん、高強さんが守ってくれます。
戦いに巻き込まれた王若平さんは牢の中が落ち着くと言って、自ら牢に戻ります。李龍吟さんは狄龍さんと先に逃げますが、トンファーを持った忍者に襲われます。けがを負った狄龍さんは逃げる途中で施思さんと遭遇。助けられます。傷に毒が入り、結構心配な状態に。
施思さんの友達の住まいで療養生活を送ります。(地下にあります。)高強さんはまめに彼の体調をチェックしてくれます。李龍吟さんはそのまま狄龍さんのお世話係として一緒に生活します。
この家の持ち主である陶敏明さんの父親は将軍でした。皇帝に仕えることを拒否し、暗殺されました。それをずっと恨みに思っているそうです。現在は旅で不在とのことでした。
ツトム皇帝の体調は悪く、狄龍さんが戻る前に亡くなりそうです、陳星さんはこのタイミングを利用して、実権を握らんとしていました。
ある日、洞窟の上から詩みたいな言葉が聞こえてきます。応じる狄龍さん。上から飛び降りてきたのは史仲田さんの遣いでした。手紙を残すとすぐに去ります。
皇帝の体調が悪いことを知らせる手紙でした。変装して宮廷に入り込むように書かれてありました。どんな変装がいいか、想像するシーンで年寄りに変身したり、京劇の団員になったり、お化けになったりしていました。あの狄龍さんが、あの施思さんが結構はっちゃけていて面白かったです。しかし、狄龍さんはその案を拒否。譚道良さんたちに相談します。
なんと王青さんが乗り込んできました。バトルになります。そこに旅から帰ってきた陶敏明さんは馬に乗ってやってきます。王青さんが投げた父の位牌を拾って、元の場所に置いて、戦闘態勢に入ります。手下役の中に孫榮吉さんを発見。陶敏明さんは王青さんたちを追い返します。
彼女は狄龍さん以外には穏やかに挨拶をします。父が皇帝に殺されたので、狄龍さんには冷たい態度。施思さんがとりなしてもダメでした。
ここら辺の会話から判断すると、譚道良さんと高強さんは実は真面目な革命家の一員だったのかな~。
陶敏明さんは彼の政治に対する思いを聞いても拒絶しますが、譚道良さんたちが狄龍さんのことを支持しているので少しずつ態度を変えていきます。彼女の前で国民が安全安心な暮らしができるようにがんばると狄龍さんは宣言し、彼女の信頼を得ます。
自宅に戻って、宮廷内に入る計画を立て直します。史仲田さんも加わります。宮廷は厳重な警備がなされています。無事に遺書を手に入れることができるのでしょうか。
陳星さんは狄龍さんが戻ってきたことを知ります。茅敬順さんは自分も皇帝になりたいと思っていたので、狄龍さんを襲います。しかし、めちゃくちゃ強いので驚きます。激闘の末、狄龍さんが勝ちますが、茅敬順さんはそれでも諦めません。仕方なく狄龍さんは茅敬順さんの手を刺します。かなり激しい戦闘シーンでした動きがトリッキーな場面は孫榮吉さんが狄龍さんのスタントをしていたように見えました。
熱くなり過ぎた狄龍さんは彼に謝り、すぐに帰宅するように促します。
ツトム皇帝が亡くなりました。陳星さんと韓雨さんは遂に自分たちの時代だとというような表情をしていました。
狄龍さんは史仲田さん、譚道良さん、高強さんと宮廷に向かいます。問答無用で皇子に襲いかかる兵士たち。譚道良さんは天井の上の罠を避けながら、遺書のある場所へ向かいます。張一道さんが潜んでいました。「正大光明」と書かれた額の正という字の奥に遺書がしまってあるのを発見。譚道良さんは取り出します。譚道良さん、張一道さんのキック対決がかっこよかったです。張一道さんを倒します。
遺書を見るとやはり第14皇子が指名されていました。史仲田さんは速攻で第4皇子になるように書き直します。「十」を「于」に変えます。
遺書の読み上げをする場になりました。遺書は狄龍さんを指名。陳星さんと韓雨さんは驚きます。陳星さんはおかしいと指摘し、手下たちに狄龍さんを襲うよう命じます。狄龍さんと異母兄弟たちは共に戦いますが、第5皇子と第7皇子が命を落とします。動揺する韓雨さんは何もできず、おろおろそして、陳星さんに利用されていたことに気づきます。
史仲田さんたちも加わって、争いは一層激しくなります。史仲田さんはボーリングの球みたいな武器を手にはめて陳星さんと戦います。史仲田さんは鼻血を出しながら、陳星さんを倒すことができました。その後、亡くなったようです。
狄龍さんは自分の身近な人たちがたくさん亡くなったことに悲しみます。涙を拭いて、兄弟たちにけんかは止めようと話をします。うんうんと頷く兄弟たち。
即位した狄龍さんの姿で終わります。
李龍吟さんがお茶目でいい感じでした。表情や動きが李藝民さんと似ていました。
譚道良さんのキックにはマイナスイオンが含まれていると思います。だって、見るとストレスが吹っ飛ぶから。ほんときれいなフォーム
さて、自分が相応しいからって遺書を書き換えるのはマズいっしょそれを支持する史仲田さんもヤバいっしょ。狄龍さんの爽やかな笑顔に騙されて応援し続けましたが、陳星さんがやったことと同じレベルの悪事だよなと観終わってから思いました。