1978年の台湾映画。
1970年代後半のSFチックな時代劇っぽい台湾映画が好きです。時代劇なのに衣装がギラギラしていたり、奇妙な仮面をつけていたり、飛んだり、ありえない技を使っていたりと突っ込みどころ満載で楽しいです。
さて、悪の組織 天爭教に抵抗している人々がどんどん殺されていきます。柯佑民さんはすぐに教主の側近 史仲田さんに殺されてしまいました。鐘の下敷きに。後には黒地にキラキラした服が残されています。
「聖劍風雲」で張翼がいた場所でたくさんの人が殺されていました。天爭教の教主は怖い仮面を被っています。声がくぐもっていて、手袋もしているので性別不明。道教の偉い人が抵抗を試みますが、教主はノールックで彼の額に金針を刺して殺します。
田鵬さんは部下の馬驥さんと一緒に友達である白鷹さんの屋敷へ行きますが、ここも死体だらけ。隠れていた刺客たちに襲われます。馬驥さんは双子の俳優に刺されます。白鷹さんも妻も行方不明。逃げたようです。
田鵬さんは馬驥さんを連れて逃げます。刺客たちはしくじったら、殺されるので必死です。
馬驥さんは田鵬さんの家には「飄香一劍」という特別な剣があるのを知っていました。長男にしか引き継げないすごい剣です。田鵬さんは使う際に香りが漂うというこの剣の在りかを最愛の妻 唐寶雲さんにも秘密にしていました。
田鵬さんは白鷹さんが生きていると信じており、彼の力を借りて教主を倒そうと考えていました。馬驥さんはけがが酷く、亡くなります。ここから先は1人でがんばらねばなりません。
帰宅すると門にあの黒い服が。嫌な予感がして大急ぎで中に入ると、乱暴されたっぽい唐寶雲さんが。彼女は命を絶とうとしますが、田鵬さんは止めます。また剣を奪いに来るのは目に見えています。が、「飄香一劍」は絶対に渡せません。唐寶雲さんに「私を愛していないの?」と問われ、困る田鵬さん。かなり厳しい選択です。
外から声が。教主の側近 田鶴さんがいました。戦います。史仲田さんもやってきます。笛の音が聞こえると同時に彼らはいなくなります。部屋に戻ると唐寶雲さんはいなくなっていました。彼らが連れ去ったようです。
さて、天爭教の地下牢。白鷹さんが捕まっていました。部下の1人 胡錦さんが彼を解放すると暴れ出します。胡錦さんに動じない彼ですが、捕らえられている唐寶雲さんを見ると態度を一変させます。白鷹さんは既婚ですが、唐寶雲さんを深く愛していました。胡錦さんは唐寶雲さんを人質にして、白鷹さんに天爭教に入るよう迫ります。
草原にいた田鵬さん。史仲田さんたちに白鷹さんも加入したから、加入するようにと脅されます。ここでの戦いで田鶴さんの腹パンと毒針でダメージを受けます。しつこい彼らの追跡を振り切るため、弱った体で滝に身を投げて逃げます。
教主は田鵬さんの捜索を部下たちに命じます。
田鵬さんは弱った体で学校の先生をしていました。
史仲田さんたちは胡錦さんになぜ白鷹さんが加入したのかを尋ねます。彼女は唐寶雲さんが関係していることを言いません。他にも教主の秘密をいろいろ知っているようです。知ると死ぬ危険があると言われ、それ以上は尋ねない史仲田さんたちなのでした。
唐寶雲さんを思って、凹んでいると双子に鞭で襲われている女性を発見します。白鷹さんの妻 葉雯さんでした。双子を倒し、彼女を助けますが、致命傷を負っていました。
田鵬さんと葉雯さんは白鷹さんが誰かを深く愛していて、そのために天爭教に加入したと考えます。(唐寶雲さんだとは知りません。)知らないまま、葉雯さんは亡くなります。かわいそう・・・。
田鵬さんは「飄香一劍」を使うときだと判断。探しに向かいます。
双子の遺体が本部に運び込まれます。白鷹さんは傷跡から田鵬さんが「七尺飛虹」という剣で斬ったと分析します。教主は田鵬さんが生きていると知り、探すことを彼に命じます。ご褒美は唐寶雲さんとの面会です。
2年間、どうしようかと考えていました田鵬さん。決心して剣のある洞窟に入っていきます。しかし、「そんなものないよ。」的なメッセージを発見し、落ち込みます。そこに癒し系ジジイ 陳慧樓さんと葛小寶さんが登場します。
あれやこれやと好きなことばっかり言うのでキレますが、ジジイたちは強い。バコッと殴られ、気を失ってしまいます。目覚めると傷は癒えていました。ジジイたち、ヒーリングの力もあるみたい。
彼らは泥棒で、隠れる必要があり、ここにたどり着いたようです。
「飄香一劍」に頼るばかりで自分自身を高めようとしない田鵬さんに厳しいけれど、でも、本当のことを言います。田鵬さんは自分の心の弱さを自覚し、素直になります。そして、彼らの使う「離手劍」をマスターします。
事件から5年後・・・。街に出てきた田鵬さん。入った飲食店で萬重山さんが汪洋さんにいっぱいゆで卵を食べるように言われ、困っているのを発見します。田鵬さんは箸を投げて、止めます。萬重山さんはプライドが傷ついたので、田鵬さんにけんかを吹っ掛けます。しかし、勝負は目に見えています。適当にいなして、店を去ります。
汪洋さんはかっこいい田鵬さんに興味をもち、追いかけます。汪洋さんとの会話で唐寶雲さんが天爭教に捕まっていることを知ります。動揺する田鵬さん。汪洋さんは唐寶雲さんが美人だと聞いていて、会いたいと思っていました。イライラし出した田鵬さんは事情を知らない汪洋さんを馬から落としていなくなります。
田鵬さんは別な街に到着します。客棧に到着すると既に汪洋さんがいました。別なテーブルに胡錦さんと部下の王葳さんが。汪洋さんを無視して部屋へ行ってしまいます。
田鵬さんの部屋に王葳さんがやってきて薬を投げ込んで去っていきます。気を失った田鵬さんは胡錦さんの部屋に連れていかれます。寝たふりをして様子を窺っていると、胡錦さんが自分にやたら顔を近づけるので拒否をします。しかし、薬の影響で体が思うように動かないので、しばらくは言いなりです。
王葳さんの馬車に乗って、胡錦さんと田鵬さんは移動します。いきなり汪洋さんが出てきて、王葳さんと戦い始めます。4人でバトルになりますが、胡錦さんは王葳さんにダーツを放って、自分だけ逃走します。
王葳さんは田鵬さんに白鷹さんと凄腕の兵士12人が狙っていることを伝えると事切れます。汪洋さんは田鵬さんが全然構ってくれないので拗ねます。 汪洋さんは王葳さんの服を着て、入れ替わることにします。追いかける汪洋さん。
夜、焚火の側で汪洋さんは寝ています。田鵬さんはこっそりいなくなります。彼女を戦いに巻き込みたくないという優しい心遣いです。
白鷹さん&手下たちが田鵬さんを襲おうとしています。田鵬さんはなぜ白鷹さんがこういう行動を取るのか理解できません。白鷹さんは自分の愛する唐寶雲さんの夫である田鵬さんにイライラ。戦いの末、田鵬さんは捕まり、地下牢に入れられます。
汪洋さんは1人にされて、怒っています。通りかかった手下2人と遭遇。王葳さんになりすまして、本部に向かいます。
白鷹さんと胡錦さんは教主に報告しに行きます。白鷹さんは唐寶雲さんとの面会を許されます。胡錦さんは何かを知っているような表情。
白鷹さん、唐寶雲さんに会うまでに5年かかりました。しかし、田鵬さんという夫がいながら、白鷹さんと一緒に過ごす唐寶雲さんは何を考えているのでしょう。
本部に入った汪洋さんは下心満載の田鶴さんに襲われます。が、殺して、逃げます。
地下牢に胡錦さんが唐寶雲さんを連れてやってきます。泣きながら、「飄香一劍」について明らかにしてほしいとお願いする唐寶雲さん。それでも秘密を明かすことは拒否します。
彼女は兵士に連れ戻されます。「飄香一劍」を取るか。唐寶雲さんを取るか。
汪洋さんは田鵬さんを助け出そうと地下牢に潜入します。残っていた胡錦さんは田鵬さんに「飄香一劍」について教えたら、解放すると話をもちかけます。田鵬さんは教主になら話すと言います。すごく不満そうな胡錦さん。唐寶雲さんに関わる秘密を話そうとした瞬間、白鷹さんによって殺されてしまいます。汪洋さんは陰に隠れて様子を見ます。
白鷹さんは何もせずに立ち去ります。汪洋さんは田鵬さんを助け出します。自由になった田鵬さん。しかし、表情は曇ったまま。教主と唐寶雲さんのことが気になるようです。
教主は激怒。仕事を全うできなかった12人の兵士を殺します。1人が王力さんです。王力さんを殺そうとする剣士が茅敬順さんでした。わ~嬉しい。
田鵬さんは胡錦さんが何を言おうとしていたのか、考え込んでおり、汪洋さんのことは放置。汪洋さんは虚しくなり、1人でどこかへ行ってしまいます。史仲田さんが馬で通りかかります。田鶴さんを殺した犯人だとバレ、襲われます。
白鷹さんもやってきます。追い詰められた汪洋さんは白鷹さんに「天爭教に入った理由を知っている。」とカマをかけると、白鷹さんは史仲田さんを殺してしまいます。これ以上、唐寶雲さんのことを知られたくないようです。白鷹さんの行動に驚いた汪洋さんは逃げます。
田鵬さんがやってきて、白鷹さんとの戦いが徒手で始まります。しかし、途中で剣を使って襲ってきたので、田鵬さんは「離手劍」攻撃をします。
負けた白鷹さん。2人は昔を思い出します。
田鵬さんと白鷹さんは昔を思い出します。元々、三角関係だった彼ら。田鵬さんの家の剣が白鷹さんの家の刀より強いことを知った直後から唐寶雲さんの態度が変化し、白鷹さんは捨てられてしまったのです。
そして、2人の家が襲われた日におかしな点があることに田鵬さんは気づきます。10月15日の満月だった日・・・。白鷹さんは大方の真実を話し終え、亡くなります。
田鵬さんたちは堂々と面会しに本部へ行きます。ですが、途中でめっちゃ網や矢、刀を持った兵士たちに襲われます。田鵬さんが助けてくれるので嬉しそうな汪洋さん。かわいい途中でストップがかかり、無事に会うことができます。
田鵬さんは教主の金針を避け、妻の名を呼びながら「離手劍」攻撃をかまします。胸にがっつり剣が刺さり倒れる教主。仮面の下はやはり唐寶雲さんでした。
10月15日に白鷹さんは唐寶雲さんに会ったと言っていました。しかし、この日はまだ唐寶雲さんは拉致されていませんでした。それなのに本部にいたというのはおかしい話です。白鷹さんの話で田鵬さんは悲しい真実に気付いたのでした。
武林界の頂点に立ちたかった唐寶雲さん。「飄香一劍」というのはそもそも存在しておらず、自分自身の心の持ちようが大切なのだと話す田鵬さんに衝撃を受けて、そのまま亡くなります。
本部を後にする田鵬さん。汪洋さんは「新しい妻が必要ではないか。」と彼を追いかけます。なんてストロングハートしかし、このくらい裏表がない明るい人の方がきっと田鵬さんを幸せにするのではなかろうか・・・。終わり。
予想していない結末にかなり驚きました。面白かったですまた白鷹さんに騙された。(「月異星邪」でも騙された私。)
白鷹さんはうっすらと真実に気付いていたと思います。唐寶雲さんが好きだから、黙って仕えたのでしょうね。
胡錦さんがいつもイライラしていた理由がようやく理解できました。何をしても田鵬さんも白鷹さんも唐寶雲さんに夢中。裏の顔を知っている胡錦さんは腹が立ったことでしょう。
そして、仮面とつけているときとそうでないときの唐寶雲さんのギャップが怖いです。唐寶雲さんの元々のイメージ(可憐、儚い)を逆手に取ったことがこの映画をより面白くしていると思います。
私のお気に入り作品です