1978年の台湾映画。
「南拳北腿活閻王」などで出てくる門からのショットで始まります。お嫁さんがどこかへ嫁ぐところのようです。荷物の検査をパスして門から出ます。
しばらく行くと一行は立ち止まります。お嫁さんと思われた人は実は男性でした。彼が盗品を持っていたのです。仲間と泥棒が成功したことを喜びますが、主犯格の2人がいきなり仲間を殺します。2人で盗品を独占するつもりだったようです。
すると、木の上から王道さんと羅烈さんが降りてきます。彼らは警察でした。腕利きのコンビで地元では恐れられていました。銀行強盗も捕まえるし、婦女暴行も捕まえます。街の平和が彼らのお蔭で守られていると言っても過言ではありませんでした。
酒樓で寛ごうとしていたところ、THE FOUR DEVELSが挑戦しにやってきます。受けて立ちます。しかし、戦いの最中、王道さんは誤って羅烈さんを攻撃してしまい、それによって羅烈さんは相手から槍攻撃を受けて、亡くなってしまいます。
自他ともに認めるスーパーコンビ。それを自分の手で壊してしまったショックから王道さんは酒浸りになります。酒樓の店主に「あまり自分を責めないで。体を大事にして。街の人はみんな頼りにしてる。」と声をかけられますが、そんな言葉を受け入れられる心境ではありません。
豪雨の中、「俺は人殺しだ~!」と叫び続ける王道さん。
ある遊郭。女主人の張萍さんは下働きの男性が何度もお湯を運んでいるのを目撃します。よくない客がいると判断し、彼女がお湯を階上へ運んでいきます。王道さんが酔っていました。お金がないのに飲んだくれているので、張萍さんは彼にお湯をかけて気合いを入れ、働くように命じます。まぁ、お金は必要だなということで、働き始めます。遊郭ですので見たくない場面も見たりして、戸惑います。
そんな中、彼に一番優しい女性が酷い客にみんなの前で裸にされそうになります。王道さんは耐え切れず、彼女を庇いますが、客の怒りを買ってしまいます。客に叩かれても反撃しない王道さん。胸を数回刺されても微動だにしない彼を見て、客はビビって逃げてしまいます。
王道さんを真面目で一生懸命で優しい人だと思って、張萍さんも女性も心配します。しかし、自分は大切にされる価値などないと思い、けがを負ったまま出て行ってしまいます。
そして、「仁德莊」の前で気を失います。下働きの葛小寶さんに発見され、道場の娘 華玲さんに助けられます。道場の息子は龍方さん。華玲さんは心配しますが、何か事情がありそうな彼の様子を見てあまり詮索せず、見守ることにします。
一番下の立場だった葛小寶さんは後輩ができたので喜びます。面倒をよく見てくれます。王道さんは助けてもらったお礼に働かせてもらいます。
道場主 余松照さんは病で体が弱っています。しかし、自警団のトップとしての気持ちは強く、息子や娘にしっかり街を守るよう話をします。
王道さんは葛小寶さんと買い出しに出かけた際、龍方さんと華玲さんが街に入る人や荷物をチェックしているところを見ます。金銘さんと輿がやってきました。葛小寶さんによると、この街は4つの地方に繋がる場所で麻薬の密輸の中継地になりやすいそうです。そのため、彼らは真剣に通行人をチェックしていました。
かつて王道さんがいた遊郭に張翼さん、金銘さん、程天賜さんと鄭富雄さん凸凹コンビがやってきます。2人の衣装がタイのキックボクサーみたい。翼はモンゴルからやってきた設定。請求した以上のお金を払い、滞在します。
翼は張萍さんから余松照さんの情報を得ます。そして、麻薬の密輸ができるよう、彼らを殺さず、適度にボコるよう金銘さんに命じます。
「仁德莊」に金銘さんが凸凹コンビを引き連れてやってきます。犯罪者と怪しい荷物が来るのを身逃すように伝え、みんなをボコります。王道さんは全く動けませんでした。余松照さんは一層体調が悪くなります。
みんなは張翼さんのところへ文句言いに行きます。葛小寶さんは王道さんも誘いますが、彼は戦うのが怖いと言って参加を断ります。先ほどの戦いでも全く活躍していなかったので、みんなに軽蔑されます。そして、そのままお留守番。
張翼さんの殺人を目撃していたとして、茅敬順さんと他1名が名乗りをあげますが、張翼さんの必殺技の針攻撃で一瞬にして殺されてしまいます。後ろに王圻生さんもチラ見えしてました。
少しバトルになりますが、張翼さんは彼らをそのまま返します。何か考えがあるようです。
余松照さんは報告を聞いて、自分たちでは手に負えないと判断し、国の協力を仰ぐことにし、弟子の1人を遣いに出します。
王道さんは功夫ができない葛小寶さんがなぜ戦いに参加したのか尋ねます。葛小寶さんは「愛する者のために戦わなきゃ、漢じゃない。」と熱く語ります。その後、別に王道さんのことを非難したわけではないと断るところが優しいなと思いました。きっと王道さんには戦うのが怖い何かがあるんだろうな~って思っているんでしょうね。
絶賛スーパー自虐モード中!なので、葛小寶さんが友達として王道さんのことが好きだと話すと、「俺と友達になると早死にするから、友達にならない方がいい。」と答えます。
次の朝、遣いに出した弟子が遺体となって門の前に置かれていました。凸凹コンビは常に見張りをしているようです。
葛小寶さんと一緒に王道さんは買い出しに出かけ、お酒を買いに酒樓へ行きます。そこに凸凹コンビがおりました。無抵抗な彼は2人にボコられます。様子を見に来た葛小寶さんは必死に王道さんを守ります。葛小寶さんの左手にナイフが刺さったのを見て、王道さんはキレます。羅烈さんが苦しむ姿、葛小寶さんが一生懸命自分を看病してくれた姿が頭に浮かびました。王道さん、左目が内出血している。目の周りも少し腫れてます。撮影でけがをしたのかな?あっという間に2人をやっつけてしまいます。たまたま来た龍方さんも王道さんのあまりの変わりようにびっくり!
凸凹コンビを翼のところへ返します。キレ翼
道場での王道さんの地位は急激に高まりました。余松照さんも彼のがんばりを褒めますが、彼は謙虚です。余松照さんは彼の過去を無理に聞き出さず、敵を倒すために一緒にがんばろうと声をかけてくれます。道場の人たち、みんな優しい。
金銘さんと凸凹コンビが再び道場に現れます。王道さんは金銘さんを倒して、翼を間接的に刺激します。
張翼さんは王道さんの過去を知ります。そして、頭がいいので、彼と真っ向勝負はせず、彼の大切な人たちを苦しめるという嫌な攻撃を仕掛けます。翼、通常運転!
鳥籠の鳥を見て、自分の生き方を重ねる王道さん。いつまでも過去に捕らわれ、逃げていてはいけないと思うようになってきました。いいぞ!
ある夜、翼は余松照さんの寝室へ忍び込み、見張りと余松照さんに針を打ちます。余松照さんの針は勝手に取ると命に関わります。命を守るために王道さんは友達に会うと称して翼に会いに行きます。
遊郭の従業員は皆、彼を喜んで迎えてくれますが、彼の表情は暗いまま。翼と話し合います。翼は例の犯罪者と怪しい荷物の身逃しを条件に出してきます。彼は条件を飲み、針の操作方法を教えてもらいますが、まだわからない針が。まだまだ余松照さんの命を条件に悪いことをしようと考えているようです。
余松照さん、少し元気になり、みんなは喜びます。しかし、翼の犯罪を身逃すことになったと知り、龍方さんたちは動揺します。王道さんは考えた末、このような取引をしました。うまくいけば、犯罪者&怪しい荷物を止めることもできるし、余松照さんも救えます。
悔しいけれど、犯罪者も怪しい荷物も身逃します。あぁ、悔しい。
酒の席で彼らはこの街で麻薬を売りさばく計画を話しています。聞いていた張萍さんと女性は心配します。
女性の両親は麻薬のせいでおかしくなり、兄も自分も売られることになってしまったそうです。身に危険が及んだとしてもこのことは絶対止めたいと涙を流しながら道場に知らせに来てくれました。
自分のために張翼さんの言いなりになっていると知った余松照さんはみんなの前に現れます。針をブラブラ揺らしながら、彼は自分のためにみんなが悪事が止められない状況を怒り、悔しがり、自ら針を抜いて、命を絶ちます。
怒りに燃える龍方さんを王道さんは止め、冷静に対応するようアドバイスします。
彼らは古い寺の棺の中に麻薬を隠していました。王道さん、龍方さん、華玲さんの3人は金銘さんたちに向かっていきます。程天賜さん、ジャンプ力が図抜けている!!動きが美しい。鄭富雄さんは遊郭へ戻り、翼に報告します。再び、キレ翼どこから情報が漏れたかすぐに察知し、張萍さんと女性を殺します。そして、鄭富雄さんも。
王道さんは金銘さんを倒します。遊郭に行くと生き残った従業員から、「麻薬を持って指定された場所に来い。来なければ、街をめちゃくちゃにする。」という伝言を聞きます。
いかにもセットな場所でラストバトルです。翼のラストバトル用の衣装がまたいいのです。全体的に黒なのですが、内側が朱色。動くときれい。この映画の翼は相当いい!!私の中の翼レベル100(マックスは100です。)
翼の針攻撃にやられたと見せかけて、近づいてきたところを攻撃。王道さんは胸に鉄板を入れて、攻撃を防いでいたのでした。終わり。
功夫映画でありながら、前半はかなりアクションを抑えた演出でした。主人公の苦悩を丁寧に描いていました。過去の呪縛から脱してからのアクションは炸裂しておりました
王道さんはあの道場で楽しく生活するのかな~と思いました。明るい未来が描けるいい終わり方でした